Bobby Vee Meets The Crickets!

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Bobby Vee 『Bobby Vee Meets the Crickets』 ♪本文末に関連動画有 

■ 今回は60'sティーン・アイドルBobby VeeBuddy Holly亡き後のThe Cricketsと共演したアルバム、『Bobby Vee Meets the Crickets』('62年)を紹介したいと思います。本作はポップス黄金時代に発表されたにもかかわらず、ボビー・ヴィーのロックンローラー的側面が強く表れた'60年代型ロックンロールの名盤と言える作品です。

※ 関連記事:
[ピリッと爽快60's Pop & Roll!Bobby Vee](プロフィール)

そもそもボビー・ヴィーのデビューのきっかけ自体がバディ・ホリー絡みなんですが、クリケッツとの直接的な交流は、ボビー・ヴィーが引っ越してきたロサンゼルスのアパートにクリケッツのメンバーが住んでいたことが発端となっています。それ以前にもボビー・ヴィーの2ndシングル「What Do You Want」('60年全米93位)のB面曲「My Love Loves Me」が、クリケッツのギタリストSonny Curtisの作品だったという間接的なつながりはあったのですが...
その後、Coral Recordsからボビー・ヴィーと同じLiberty Recordsに移籍してきたクリケッツの第1弾、「He's Old Enough to Feel Better」('61年)のB面曲「I'm Feeling Better」をボビー・ヴィーが提供すると共にレコーディングにも参加する等ますます親交を深め、遂に同年秋『Bobby Vee Meets the Crickets』のセッションが実現することになるのです。ただ、ジャケット写真にその姿があるもののLiberty移籍直前にクリケッツを脱退したJoe Mauldin(ベース)と当時兵役に就いていたSonny Curtisが参加していないのは残念。

『Bobby Vee Meets the Crickets』のセッション・メンバー
Bobby Vee(ヴォーカル&ギター)
Tommy Allsup(リード・ギター)
一時The Cricketsに在籍
Howard Roberts(リズム・ギター)
Red Callender(ベース)
Jerry Allison(ドラム&バック・ヴォーカル)
当時のThe Cricketsのドラマー
Earl Palmer(ドラム)
「Well...All Right」のみ参加、「Lucille」はJerry Allisonと共同
Gene Garf(ピアノ)
Ernie Freeman(ピアノ)
Jerry Naylor(バック・ヴォーカル)
当時のThe Cricketsのヴォーカリスト
Buzz Cason(バック・ヴォーカル)

CD:[試聴] [amazon] [HMV]
The Night Has a Thousand Eyes/Bobby Vee Meets the Cricketsなお、現在流通しているCDはボビー・ヴィーの'63年のアルバム『The Night Has a Thousand Eyes』と2in1化されているので、紹介するCDは『The Night Has a Thousand Eyes/Bobby Vee Meets the Crickets』となります。しかも2曲のボーナス・トラックを加えた全26曲を収録。
まず、クリケッツと共演した『Bobby Vee Meets the Crickets』ですが、ボビー・ヴィーの最大のアイドルであるバディ・ホリーの曲や'50年代、'60年代のロックンロール・ナンバーを多く取り上げたアルバムで、オリジナル曲共々バディ・ホリーの影響を全面的にたたえた作品となっています。さらに、バディ・ホリーのヴォーカル・テクニックに色濃く影響を受けているものの、そこに自身の持ち味である軽快さや爽やかなポップ感覚をブレンドさせた、ボビー・ヴィー独自のスタイルで演じているのが魅力的。
一方『The Night Has a Thousand Eyes』は基本的に従来の“ポップンロール”路線を踏襲しており、やはりボビー・ヴィーの成功を支えた名ソングライター・チーム、Carole KingGerry Goffinの作品を多く取り上げたアルバムとなっています。こちらは良質なポップ・ソングにバディ・ホリー譲りのロックンロール・スピリットを反映させたボビー・ヴィー・スタイルそのものといった感じ。

(収録曲目)
01~12:『The Night Has a Thousand Eyes』
13~24:『Bobby Vee Meets the Crickets』
25~26:ボーナス・トラック

01 Go Away Little Girl
Gerry GoffinとCarole KingのペンによるSteve Lawrenceのヒット曲('62年全米1位)を溌剌と歌ってカヴァーしたもの。また、この曲は'71年にDonny Osmondがポップに歌ってリヴァイヴァル・ヒット(全米1位)させています(個人的にはDonny Osmond盤が一番好み)。
02 It Might as Well Rain Until September
Gerry GoffinとCarole KingがBobby Veeのために書いたと言うだけあって、同じく彼らがBobby Veeに提供した「Take Good Care of My Baby」('61年1位)同様弾むようなメロディの名作Popsとなっています。なおこの曲はBobby Veeのレコーディングが遅れたため、Aldon MusicのDon Kirshnerが'62年6月に設立したDimension Records(及びCompanion Records)の第1弾として、Bobby Veeのためのデモ録音をそのまま発売した作者のCarole King盤が最初に世に出ます('62年全米22位)。そしてそのレコードは記念すべきCarole Kingの歌手としての初ヒット。ちなみにDimension RecordsはLittle EvaやThe Cookies等を擁してGoffin & King作品のGirl Popsを量産したレーベルで、Phil SpectorのPhilles RecordsやJerry LeiberとMike StollerのRed Bird Recordsと並び称される'60年代のガール・グループ・サウンド三大レーベルの1つとして知られています。
03 It Couldn't Happen to a Nicer Guy
Bobby Veeの1人2重唱も美しく決まった良質のバラード曲。  
04 Theme for a Dream
Cliff Richard & The Shadowsの'61年全英3位曲をカヴァーしたもの。
05 Silent Partner
Bobby Vee自作のナンバー。
06 The Night Has a Thousand Eyes('62年全米3位)
The Crickets等と一緒に出演した'63年の英国映画、『Just for Fun』の中でも歌われたBobby Veeの代表的ヒット曲の1つ。テンポよく爽やかに流れるメロディに絡むBobby Veeのピリッとした歌唱が素晴らしく、特にサビ部分のスリリングな展開が鳥肌ものの傑作Pops。
07 You Won't Forget Me
当時レーベル・メイトだったJackie DeShannonの'62年盤をテンポ・アップしてリズミカルに歌った名カヴァー。
08 Anonymous Phone Call('62年全米110位)
「The Night Has a Thousand Eyes」のB面で発表されたBurt BacharachとHal Davidのペンによるワルツ調Pops。
09 If She Were My Girl
Bobby Vee節が存分に発揮されたGerry GoffinとCarole King作の明るいPopsナンバー。
10 Lover's Goodbye
ソフトに歌ったBobby Veeの歌唱が好印象の自作曲。
11 Dry Your Eyes
これまたBobby Veeの自作曲で、The Tokensが'61年に発表した甘酸っぱいDoo Wopナンバーとは同名異曲。
12 What About Me
Buddy Holly譲りの絶妙に強弱をつけた歌唱が心地いい活気に満ちたPopsナンバー(Goffin & King作品)。
13 Peggy Sue
言わずと知れたR&Rの大名曲、Buddy Hollyの'57年全米3位曲のカヴァー。Buddy Hollyフォロワーは数多く存在すれど、ヒーカップ唱法を含むBuddy Hollyのヴォーカル・テクニックを駆使したBobby Veeのイミテイトぶりはやはりトップ・クラス。またこの曲は、John Lennonが'75年のアルバム『ロックンロール』の中で絶品カヴァーを披露しています。
14 Bo Diddley       
Bobby VeeがPopな感覚も加味して歌った良質なR&Rカヴァー。オリジナルはもちろんBo Diddleyの'55年R&B1位曲ですが、この曲もBuddy Hollyゆかりの曲で実際'56年12月から翌年2月にかけて行なわれたセッションで録音しています(彼の死後'63年にシングル発売され全米116位を記録)。
15 Someday('62年全米99位)
Ray Sharpeの「Linda Lu」('59年全米46位)にBuddy Hollyの「That'll Be the Day」('57年全米1位)を混ぜ合わせた様なカッコいいオリジナルR&Rで、Bobby Veeのヒーカップ唱法もバッチリ決まった60's R&Rの知られざる傑作曲。なお、「Punish Her」('62年全米20位)のB面としてシングル・カットされたこの曲は、スウェーデンのDoo Wop系Oldies Revivalグループ、The Boppersが'82年のアルバム『High Fidelity』でカヴァーしています。
16 Well...All Right
Buddy Hollyが「Heartbeat」('58年全米82位)のB面で発表した曲を取り上げた渋いカヴァー。
17 I Gotta Know
オリジナルはElvis Presleyの'60年のNo.1ヒット「Are You Lonesome Tonight?」のB面曲(全米20位)ですが、ここではElvis Presleyの優雅な歌唱とは対照的にテンポ・アップしたリズムに乗って軽快に歌っています(どちらも名作)。
18 Lookin' for Love
Bobby Veeの熱唱が光るRoy OrbisonとJoe Melsonの共作曲。後付けながらBuddy Hollyにも関連する曲で、彼の死後リード・ヴォーカルとしてThe Cricketsに加入したEarl Sinks(「Looking for Love」)が'63年に、Buddy HollyあるいはBobby Vee風の唱法も得意とした、「Torture」('62年全米20位)の一発ヒットで知られるKris Jensenが'64年にそれぞれカヴァーしています(後者はBobby Veeの歌い方に激似)。
訂正:Earl SinksがThe Cricketsに加入したのはまだBuddy Holly存命中の事でした。なので、Buddy Hollyの死後ではなくThe Crickets脱退後になります(2008.1.27)。
19 Sweet Little Sixteen
Chuck BerryのR&Rクラシック('58年全米2位)をやはりBuddy Holly風に歌ったユニークなカヴァー。
20 When You're in Love
極上のBuddy Hollyサウンドを'60年代に再現したのがJerry AllisonとSonny Curtisが書いたこの曲。Bobby Veeの歌唱法はもとより、随所に散りばめられたBuddy Hollyの影響が何とも魅力的な傑作曲。なお、この曲はタイトルが似ていますが、Bobby Veeがアルバム『Take Good Care of My Baby』('61年)の中でカヴァーしたThe Cricketsの「So You're in Love」(未発表)とは別曲です。
21 Lucille
Little Richardの'57年全米21位曲を'60年代風にスマートにカヴァーしたもの。
22 Girl of My Best Friend
オリジナルはElvis Presley除隊後初のアルバム『Elvis is Back!』('60年)収録曲(「The Girl of My Best Friend」)で、Elvis Presleyのソックリさんとして売り出したRal Donner(Ral Donner & The Starfires)が'61年にカヴァー・ヒット(全米19位)させた事でも知られる名曲を取り上げたもの。元々曲自体が良いのですが、Bobby Vee盤は絶妙のタイミングでオリジナルにないヒーカップ唱法を披露しており、完全に自分のものにした様な完成度の高さを誇っています(傑作カヴァー)。
23 Little Queenie
Chuck Berryの「Almost Grown」('59年全米32位)のB面曲(全米80位)をカヴァーしたもの。
24 The Girl Can't Help It
傑作R&R映画『女はそれを我慢できない』(原題『The Girl Can't Help It』)の主題歌として知られるLittle Richardの曲('56年全米49位)を抜群のノリでカヴァーしたもの。
25 No One Knows
『Bobby Vee Meets the Crickets』のセッション時に録音されたDion & The Belmontsの'58年全米19位曲のカヴァー。
26 Gotta Travel On  
トラディショナル「Done Laid Around」を基にPaul Claytonが作った、Billy Grammerの'58年全米4位曲をカヴァーしたもの。


※ iTunes Storeボビー・ヴィーの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ(試聴可)。1曲から購入できます。iTunes(無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
■ 今回の無料動画はもちろんBobby Veeですが、曲の方は彼のヒット曲ではなくBuddy HollyThe Crickets)つながりで、Buddy Hollyトリビュート・ソングの傑作「Buddy's Song」を紹介します。

映像はイギリスの人気音楽番組『Ready Steady Go!』からということなので、Bobby Veeが「Buddy's Song」を歌ったという記録が残っている'64年3月20日の放送分でしょうか。
イギリスではBuddy Hollyの人気も本国以上に凄まじいものがあるし、またその影響かどうか分かりませんがBobby Veeも『Play It Cool』('62年)と『Just for Fun』('62年)の2本のイギリス映画に出演する等、イギリスにおいても絶大な人気を誇っています。多分そんな背景が手伝って遥かイギリスのテレビ番組で、アルバム収録曲にもかかわらず「Buddy's Song」を披露しているんでしょうね。

なお、「Buddy's Song」は先に紹介したCDの収録曲ではなく、翌'63年に発表したBuddy Hollyトリビュート・アルバム『I Remember Buddy Holly』に収録されています。ちなみにそのアルバムは全12曲中「Buddy's Song」以外が全てBuddy Hollyのカヴァーという、Buddy Hollyファンにとってはたまらない作品となっています。「Buddy's Song」に関しても、軽快な「Peggy Sue」風のサウンドとBuddy Hollyナンバーの曲名を織り込んだ歌詞を持つBuddy Hollyの実母Ella Holleyの作品であるので、アルバム全体を通してどっぷりとBuddy Hollyワールドに浸かることが出来ます。

それでは、Bobby Veeの爽やかなヒーカップ唱法も見事な名曲「Buddy's Song」をご覧下さい(曲中出てくるBuddy Hollyの曲名全部分かります?)。

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