ロックンロールの神様、Chuck Berry

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Chuck Berry 『ベスト・オブ・チャック・ベリー』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回はロックンロールの定番中の定番、ロックンロールの神様Chuck Berryを紹介したいと思います。
恐らくロックンロールと聞いてほとんどの人が連想する人物ではないでしょうか。かのJohn Lennonも「ロックンロールに別の呼び名をつけるとすれば、それはチャック・ベリーだ」と言ってるくらいですから。

チャック・ベリーは言わずと知れたロックンロール創生期の重要なオリジネイターの1人で、その後のロック・ミュージックへの影響度という点ではトップ・クラスのアーティストと言える人物です。
とりわけ「Roll Over Beethoven」や「Johnny B. Goode」に代表される独自のギター・スタイルと車やロマンス、スクール・ライフといったティーンエイジャーに身近なテーマを盛り込んだ歌詞作りのスタイルに関しては、チャック・ベリーの影響を受けていないミュージシャンなんていないんじゃないかと思えるほど、ロック・シーンに対して計り知れない影響を及ぼしています。その辺りが世間で評価されて『Rolling Stone』誌の“史上最も偉大なギタリスト100人”(The 100 Greatest Guitarists of All Time)で6位にランクされたり、'86年に最初にロックンロールの殿堂入りを果たしたアーティストの1人となったりしている訳です。

チャック・ベリーのプロフィールは後述するとして、まずはCDを紹介しておきます。
※ 今回は、ロック時代のアーティストについて詳細なレヴューを連載されているnoodles2さんのブログ、[BLACK STRIPE]でチャック・ベリーを紹介しているので、そちらからのTB記事となります。

CD:[試聴] [amazon]
ベスト・オブ・チャック・ベリーチャック・ベリー一押しのCDと言えばやはりこれ。『ベスト・オブ・チャック・ベリー』。
本作は、2003年に『Rolling Stone』誌の“史上最高のアルバム・トップ500”(The 500 Greatest Albums of All Time)で堂々21位にランクされたChess原盤のロングセラー・アルバム、『The Great Twenty-Eight』('82年)の国内盤です。従って抜群の充実度を誇っている事は言うまでもありません。入門盤としてはこれしかないでしょう。
内容は、'55年のChess第1弾「Maybellene」を筆頭に'60年代半ばまでのロックンロール・ヒットをほぼ網羅したもので、チャック・ベリーの全盛期であるChess時代のナンバー全28曲が収録されています。

収録曲のほとんど全てがロックンロール・クラシックと言えるもので、特に'60年代にイギリスのビート・バンドがこぞってチャック・ベリーの曲をカヴァーしたこともあり、チャート成績に関係なく多くの人が知っている有名曲尽くしといった感じです。なお、本盤はチャック・ベリーのロックンロール・ナンバーに的を絞ったベスト盤(唯一「Havana Moon」のみラテン調ポップ・ソング)なので、彼のブルース・ナンバー等は含まれていません。文字通り最高のロックンロール・アルバムです。

※ 参考までにチャック・ベリーのその他のおすすめCDを記しておきます。
・『チャック・ベリー・ゴールド
R&Bヒットを含むチャック・ベリーのヒット曲をほぼ網羅した2枚組
・『The Chess Box
Chess時代におけるチャック・ベリーの様々な魅力を集大成した3枚組


チャック・ベリーは先述の通り、ロックンロールの魅力そのものを表現したギター・フレーズやティーンエイジャーの心情をストレートに綴った歌詞を書いた事で今なお多くのミュージシャンからリスペクトされているのですが、活動初期から人気を得る事が出来た理由には彼の音楽性が深く関係していました。
チャック・ベリーはブルースを基本にジャズやラテン・ミュージック等幅広い音楽に影響を受けていますが、中でも鍵となるのが彼がデビュー以前から演奏していたヒルビリーです。白人音楽を演じる事によって黒人だけでなく白人からも幅広い支持を得る訳ですが、すなわちそれは黒人音楽(ブルース)と白人音楽(ヒルビリー)の融合と言われるロックンロールそのものを演じて人気を得ていた事に他なりません。Elvis Presley等の白人ロックンローラーが白人音楽から黒人音楽に接近したのとは真逆のアプローチで。
その結果として生み出されたのが、チャック・ベリー独特のあのギター・スタイルだったと言えます。

さらに音楽そのものではありませんが、チャック・ベリーのトレードマークとなったダック・ウォークThe Duck Walk)も彼の人気に拍車をかけた重要なパフォーマンスでした。
ダック・ウォークとは、中かがみの姿勢で左足を前に突き出し、もう一方の右足でピョンピョン跳ねながら前進してギターを演奏するパフォーマンスの事です。'56年にパラマウント劇場(ニューヨーク)のショーで初めて披露したもので、あひるのヨチヨチ歩きに似ていることからそのパフォーマンスを観たジャーナリストによってダック・ウォークと名づけられたそうです。
そもそもそのユニークなパフォーマンスは、スーツのしわを隠すために行なったものだとも子供時代に周囲の人に大受けしたチャック・ベリーのかくし芸が原型だとも言われています。ちなみにそのかくし芸は、ボール遊び中にボールがテーブルの下へ入ってしまった時に偶然生まれたもので、ボールを追っているチャック・ベリーの滑稽な動作を見て母親が大笑いした事が発端だったとか。

...とまあ余談が過ぎましたが、ロックンロールとは何かを感じたかったら何はなくともまずはチャック・ベリーを聴いてみましょう!

(収録曲目)
01 メイベリーン('55年全米5位、R&B1位)
原題:「Maybellene」
トラディショナル「Ida Red」を改作したChuck Berryの記念すべきChessからのデビュー曲。歌詞にティーンエイジャーの共感を呼ぶ車とロマンスを盛り込み、ハードなギターで味付けしたR&R創生期の名曲。かのElvis Presleyも同年すかさずライヴ・レパートリーとしています。
02 30デイズ('55年R&B2位)
原題:「Thirty Days」
前曲と同じく第1回目のChessセッションで録音された大傑作ナンバー。個人的に大好きなChuck Berryナンバーで、トリッキーでエキサイティングなギター・ソロは必聴です。
03 ユー・キャント・キャッチ・ミー('56年)
原題:「You Can't Catch Me」
John Lennonがこの曲の歌詞の一部をThe Beatlesの「Come Together」('69年全米1位)に借用して訴えられた事で有名な曲。Hot Rodミュージックの原型と言えそうな歌詞を持つこの曲は、スラッピング・ベースも登場するカッコいい曲で傑作R&R映画『Rock, Rock, Rock』('56年)の中でも歌われていました。また、The Rolling Stonesが2ndアルバム『The Rolling Stones No. 2』('65年)でカヴァーした曲としても知られています。
04 トゥー・マッチ・モンキー・ビジネス('56年R&B4位)
原題:「Too Much Monkey Business」
50'sラップ・ミュージックと言えそうな側面を見せたかと思えば、間奏ではChuck Berryの典型的なR&Rギターが鳴り響くユニークな曲。この曲は'63年にThe BeatlesがBBCのラジオ番組のライヴ(『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』収録)でカヴァーしたのを始め、'64年にはThe Kinks(『The Kinks』)やThe Yardbirds(『Five Live Yardbirds』)、The Hollies(『In The Hollies Style』)等多くのカヴァーを生んでいます。
05 ブラウン・アイド・ハンサム・マン('56年R&B5位)
原題:「Brown Eyed Handsome Man」
かすかにラテンの香りを感じさせる曲で、メロディアスなギターが印象的な好曲(前曲のB面)。この曲は同年Buddy Hollyが録音していますが、シングル盤が発売されたのは彼の死後'63年になってからでした(超傑作カヴァー)。
06 ロール・オーヴァー・ベートーベン('56年全米29位、R&B2位)
原題:「Roll Over Beethoven」
イントロのギターだけで勝負あったと言えるChuck Berryの代表作の1つ。姉のLucyがクラシックを弾くためにいつも家のピアノを独占していたため、自分が使わせてもらえなかった時の感情を歌詞に綴ったという曲。この曲はThe Beatlesがアルバム『With the Beatles』('63年)でカヴァーした他、歌詞に“Blue Suede Shoes”というフレーズが出てくるからという訳ではないんでしょうが、Carl Perkinsも'57年に録音しています(未発表)。
07 ハヴァナ・ムーン('56年)
原題:「Havana Moon」
「You Can't Catch Me」のB面で発表されたラテン調の曲。ノン・ヒットながら、Richard Berry(Chuck Berryとは血縁関係なし)はこの曲のリズム・パターンにヒントを得て「Louie Louie」('57年)を書いたそうです(The Kingsmenの'63年全米2位曲として有名)。
08 スクール・デイズ('57年全米3位、R&B1位)
原題:「School Days」
ブルース風味の特徴的なギター・リフにのせてChuck Berryが高校時代の思い出を歌ったR&Rナンバー。ちなみに、この曲の歌詞に出てくる"Hail! Hail! Rock and Roll ♪"というフレーズは、Chuck Berryの生誕60周年記念コンサートを記録したドキュメンタリー映画『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』('87年公開)のタイトルとなっています。
09 ロックン・ロール・ミュージック('57年全米8位、R&B6位)
原題:「Rock and Roll Music」
途中ラテンのビートも織り交ぜながらChuck Berryが軽やかに歌い上げたR&R賛歌(もちろん名曲)。The Beatlesがアルバム『Beatles for Sale』('64年)でカヴァーしています。
10 オー・ベイビー・ドール('57年全米57位、R&B12位)
原題:「Oh Baby Doll」
スクール・ライフをテーマにしたスピーディなR&Rで、Alan Freed主演のR&R映画『Mister Rock and Roll』('57年)の中でも歌われています。
11 リーリン・アンド・ロッキン('58年)
原題:「Reelin' and Rockin'」
次曲のB面として発表されたR&Rクレイズを描いたナンバーで、'65年にはThe Dave Clark Fiveが超ワイルドにカヴァーしています(全米23位)。
12 スウィート・リトル・シックスティーン('58年全米2位、R&B1位)
原題:「Sweet Little Sixteen」
The Beach Boysの'63年全米3位曲「Surfin' USA」の元ネタとしてあまりにも有名なR&Rの大名曲。'57年末に実際にChuck Berryがコロラドのコンサート会場で遭遇した少女をモデルに書いたというこの曲は、'62年にJerry Lee Lewisがマイナー・ヒット(全米95位)させた他、'63年にThe BeatlesがBBCのラジオ番組のライヴでカヴァーしています。
13 ジョニー・B.グッド('58年全米8位、R&B2位)
原題:「Johnny B. Goode」
冒頭の名イントロやChuck Berryのスピーディな歌唱、そして間奏のギター・ソロの全てがR&Rそのものといった痛快ナンバー。この傑作曲の歌詞のフレーズからタイトルが付けられたR&R映画、『Go, Johnny, Go!』('59年)では、Chuck Berry自身も出演してこの曲を歌っています。'64年にはThe BeatlesがBBCのラジオ番組のライヴでカヴァーした他、そのThe Beatlesの初期のスタイルに色濃く影響を受けた日本の伝説的R&Rバンド、キャロルもデビュー・アルバム『ルイジアンナ』('73年)でカヴァーしていました。
14 アラウンド・アンド・アラウンド('58年)
原題:「Around and Around」
ど派手な前曲のB面だったためかあまり目立たないChuck Berryナンバーですが、「Reelin' and Rockin'」同様R&Rブームの喧騒ぶりを歌ったカッコいいR&Rで、隠れた名曲といった趣。その証拠に意外と人気も高く、'64年にThe Rolling Stones(『12 X 5』)やThe Animals(『The Animals』)等がカヴァーしています。
15 キャロル('58年全米18位、R&B9位)
原題:「Carol」
典型的なChuck BerryスタイルのR&Rで、'63年にThe BeatlesがBBCのラジオ番組のライヴで、'64年にThe Rolling Stonesが1stアルバム『The Rolling Stones』でカヴァーしています。
16 ビューティフル・デライラ('58年全米81位)
原題:「Beautiful Delilah」
チャート成績は振るわなかったものの、Chuck Berryの曲の中でもC&W色が強い(=Rockabilly風)好曲。'64年にThe Kinksがデビュー・アルバム『The Kinks』で、'86年にストレイ・キャッツが一時的再結成アルバム『Rock Therapy』でカヴァーしています。
17 メンフィス('59年)
原題:「Memphis, Tennessee」
映画『Go, Johnny, Go!』の中でも歌われていた名曲で、ひねりの効いたストーリー性のある歌詞が特徴的な曲(「Back in the U.S.A.」のB面)。ヒットこそしていませんがかなり人気のある曲で、The BeatlesがDeccaオーディションで演奏した('62年)他、Lonnie Mackがギター・インスト曲として'63年にカヴァー・ヒットさせ(全米5位「Memphis」)、'64年にはThe Animals(『The Animals』)とThe Hollies(『Stay with the Hollies』)がそれぞれデビュー・アルバムで、Neo RockabillyバンドRestlessがアルバム『Movin' On』('90年)で、そしてまたもキャロルが『ルイジアンナ』でカヴァーしています。
18 スウィート・リトル・ロックンローラー('58年全米47位、R&B13位)
原題:「Sweet Little Rock and Roller」
19 リトル・クイーニー('59年全米80位)
原題:「Little Queenie」
この曲も映画『Go, Johnny, Go!』で披露されたR&Rナンバー(次曲のB面)で、同年すかさずJerry Lee Lewisにカヴァーされています。
20 オールモスト・グロウン('59年全米32位、R&B3位)
原題:「Almost Grown」
特徴的なバック・コーラスが入ったゴキゲンなR&Rで、映画『アメリカン・グラフィティ』('73年)にも使用されていた個人的に思い出深い曲。
21 バック・イン・ザ・USA('59年全米37位、R&B16位)
原題:「Back in the U.S.A.」
Chuck Berryが「Johnny B. Goode」風のギターをバックに、オーストラリア・ツアーを終えて帰国した時の心情を歌ったもの。なおこの曲は、The BeatlesがThe Beach Boys風に歌った「Back in the USSR」('68年『The Beatles』)の元ネタとしても知られています。
22 レット・イット・ロック('60年全米64位)
原題:「Let It Rock」
「Too Pooped To Pop」(本盤未収録)のB面で発表された、これまた「Johnny B. Goode」に似たR&Rナンバー。この曲はThe Stray Catsが全曲カヴァー・アルバム『Original Cool』('93年)の中でカヴァーしています。
23 バイ・バイ・ジョニー('60年)
原題:「Bye Bye Johnny」
この「Johnny B. Goode」の続編的作品はThe Rolling StonesがEP『The Rolling Stones』('64年)でカヴァーしています。
24 アイム・トーキング・アバウト・ユー('61年)
原題:「I'm Talking About You」
残念ながらヒットは記録していませんが隠れた名曲と言えそうな渋めのR&Rで、The Beatlesのデビュー以前からのライヴ・レパートリーとしても知られ、'64年のThe Animals(『The Animals』)とThe Hollies(『Stay with the Hollies』)、'65年のThe Rolling Stones(『Out of Our Heads』)等多くの英国ビート・バンドにカヴァーされた人気曲。
25 カム・オン('61年)
原題:「Come On」
The Rolling Stonesのデビュー・シングル('63年全英21位)となったChuck BerryにしてはPopな曲。
26 ネイディーン('64年全米23位)
原題:「Nadine (Is It You?)」
Chuck Berryが売春教唆事件による服役を終えて出所後初めて放った久々のヒット曲。
27 ノー・パティキュラー・プレイス・トゥ・ゴー('64年全米10位)
原題:「No Particular Place To Go」
「School Days」のメロディをほぼそのまま甦らせた'60年代のChuck Berryを代表する曲。ちょっと意外?な所でPsychobillyバンドのGuana Batzが2ndアルバム『Loan Sharks』('86年)で絶品カヴァーを披露しています。
28 アイ・ウォント・トゥ・ビー・ユア・ドライヴァー('65年)
原題:「I Want To Be Your Driver」
アルバム『Chuck Berry in London』収録のSoul風味のビートが特徴的なR&R。


※ iTunes Storeチャック・ベリーの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ(試聴可)。1曲から購入できます。iTunes(無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
■ Chuck Berryについて

ミズーリ州セントルイスで生まれ育ったロックンロールの神様、Chuck Berry('26年10月18日生)ことCharles Edward Anderson Berry(本名)は、6歳の頃に聖歌隊で歌い始めたのが最初の音楽体験でした。ティーンエイジャーの頃には、習い始めたギターにすっかり夢中になりブルースをプレイし始めます。と、ここまではよくある話ですが、不良仲間とつるんでいたチャック・ベリーは自動車強盗を働き、高校卒業間近の'44年から'47年まで感化院で過ごしているんです。
出院後は、ゼネラルモーターズの工場で工員の職に就き、さらに美容学校の夜間部に通い美容師の資格を取得。美容師として働く傍ら、'52年頃からバンドを組んで地元のクラブでライヴ活動を開始しています。

'53年になると、プロになってからもチャック・ベリーと活動を共にするピアニスト、Johnnie Johnsonのバンドにギタリストとして加入しますが、程なくチャック・ベリーがリーダーとなり、バンド名も自身の名前に“n”を加えてThe Chuck Berryn Comboと名乗って活動したそうです。この頃からブルースに混じってヒルビリーも演奏し始めており、意外にも白人だけでなく黒人の観客にも大受けだったとか。
さらにこの時期チャック・ベリーは、ギタリストとして参加したJoe Alexander & The Cubansの「Oh Maria」('54年)でレコード・デビューしたと言われています。

これが契機となり、ますますプロでの成功を意識したチャック・ベリーは、自作曲を書き始めて本格的な音楽活動に入り、シカゴを訪れた時に知り合ったMuddy Watersの口利きで見事Chess Recordsと契約を交わす事になる訳です。
そもそもChessと契約に至った経緯は、チャック・ベリーがオーディションで歌った曲の内、ヒルビリーのトラディショナル曲をチャック・ベリー流に解釈して歌った「Ida Red」をオーナーのLeonard Chessが気に入ったという理由によるものでした。その背景には、チェス・レコードの成長の源であったブルースのレコード売上が縮小傾向にあったため、新しいマーケットの開拓を模索していたというレーベル事情があった様です。ちなみに、チャック・ベリーが参考にした「Ida Red」はBob Wills & His Texas Playboysの'39年盤だそうですが、この曲を最初にレコード化したのはFiddlin' Powers & His Family('24年)でした。

'55年5月21日の初セッションで、よりR&B的なビート感を強調して録音された「Ida Red」は、有名なマスカラのブランド(Maybelline)にヒントを得て「Maybellene」のタイトルで発売(7月)。当時絶大な人気を誇っていたAlan Freedのラジオ番組で頻繁に流された事も助けとなり、翌8月には全米チャートにランク・インして夏から秋にかけて大ヒットを記録します。そもそもアラン・フリードがこの曲を強力にプッシュしたのは、プロモーション目的で自身の名前が作曲者の1人に加えられていたためだとも言われています。ちなみに、チャック・ベリーアラン・フリードに加えてもう1人「Maybellene」の作者としてクレジットされたRuss Fratoは、チェスに資金を融資していた人物。
いずれにせよ、その後アラン・フリード主催の多くのパッケージ・ショーに出演し、ヒットを連発したチャック・ベリーは一躍大スターの仲間入りを果たします。その活躍は映画界にも及び、当時の人気ロックンロール・スターと共演したアラン・フリード主演の映画、『Rock, Rock, Rock』('56年)、『Mister Rock and Roll』('57年)、『Go, Johnny, Go!』('59年)の3本に立て続けに出演して全盛時代を築く事になる訳です。

他方で、チャック・ベリーは'58年に“The Club Bandstand”というナイトクラブを手始めに、地元セントルイスでサイドビジネスにも乗り出しています。全てが順風満帆に思えたチャック・ベリーですが、ロックンロール人気が傾き始めた'50年代末に彼の音楽生命に大打撃を与える災難に見舞われます。
何と、メキシコで出会った14歳の少女を連れ回し売春を強要したという罪で、懲役5年(後に3年に減刑)の刑と罰金5,000ドルが科せられるのです('59年)。しかし事の真相は、元々娼婦だった少女が自らチャック・ベリーについて来たらしく、“The Club Bandstand”のクローク係を解雇された後に売春容疑で逮捕されると、チャック・ベリーに売春を強要されたと訴えたというものでした。この事件は当時のロックンロール・バッシングや人種差別の被害をまともに被った不幸な出来事だったと言えます。

チャック・ベリーが釈放された'63年には音楽シーンもすっかり様変わりしていました。通常なら浦島太郎状態になる所ですが、'64年には運良く?(彼の偉大な功績による必然?)ブリティッシュ・インヴェイジョンが巻き起こり、チャック・ベリーを崇拝するイギリスのビート・バンド勢の活躍を背景に見事カム・バックを果たしています。と言ってもその活躍も長くは続かず、チェスからMercury Recordsへ移籍('66年)した頃にはすっかりチャートから遠ざかってしまうんですが...
その後'70年代の初めに古巣チェスからなぜかチャック・ベリー最大のヒットとなった「My Ding-A-Ling」('72年全米1位)と最後のヒット曲「Reelin' And Rockin'」('72年全米27位)を出します(2曲ともライヴ盤)が、この頃は基本的にオールディーズ・ショー等での活動が主となっています。

'70年代以降もチャック・ベリーは現在に至るまでロックンロールし続けています。それにしても今年の誕生日で82歳になるというのに、今でもギター片手にステージに立ってロックンロールを歌っているんですから恐れ入りますよね。チャック・ベリーは正真正銘偉大なロックンローラーです。


■ 今回の無料動画はもちろんChuck Berryです。さすがに今だ現役のChuck BerryともなるとYouTubeにもたくさんの動画があるのですが、その中からChuck Berryを象徴するロックンロールの大名曲「Johnny B. Goode」を選んでみました。なお、映像は'65年のものだそうです(冒頭のイントロが少し切れているのが残念(T_T))。

ここでは最高のロックンロール・サウンドを聴かせるだけでなく、最高のパフォーマンスも披露していて実に観応えがあります。ダック・ウォークに始まって、しゃがんだ姿勢で鶏の様に首を前後にカクカクと動かしたり、股裂きの様に両足を徐々に開きながら前進したり、終いにはツイストを踊り出したりとChuck Berryの持ちネタ?全てを出し切った様な大サービスぶり!
この映像を観ているとChuck Berryが後発のロック・ギタリストに対して、サウンドはもとよりパフォーマンスに至るまで多大な影響を与えている事がよく分かります。

それでは、ロックンロールの神様Chuck Berryが歌う「Johnny B. Goode」をご覧下さい。Go, Go! Go, Johnny, Go, Go!

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コメント
この記事へのコメント
明けましておめでとうございます。
いや~、流石の詳細な記事、大変勉強になりました♪

また、文中リンクありがとうございました。

ある意味、チャック・ベリーともあろう偉大なミュージシャンが、現役で演奏しなければならない状況も、微妙なものがありますね。。

本来なら、悠々自適に暮らしていてもおかしくないのですが。。
2008/01/08(火) 19:49 | URL | noodles2 #-[ 編集]
生涯現役ロックンローラー!?
noodles2さんコメントありがとうございます♪

確かにそう言われればそうですね。noodles2さんがブログで述べられている様に「チャック・ベリーが黒人ではなく、ギター・リフに著作権が存在していたら...」だったら今頃悠々自適の生活なのかもしれませんね。
2008/01/08(火) 21:19 | URL | sugarboy #L/3l8JBE[ 編集]
初めまして これまでちょくちょくブログにはお邪魔させていただいていましたが、コメントは初めてです。
チャック・ベリーは自分のアイドルでもあり、興味深く読ませていただきました
50's & 60's Oldies Paradiseにはいつも、音楽への愛情が文章に溢れてます。
自分もロックンロールブログ「鼻からちょうちん」書いているので
お暇があれば、遊びに来て下さい
またお邪魔します
失礼しました
2008/01/24(木) 17:43 | URL | yuzamurai #-[ 編集]
yuzamuraiさんコメントありがとうございます♪
&初めまして!

チャック・ベリーはロックンロールの原点で、もちろん私も大好きです。忘れた頃に久々聴いてみるとその都度新たな発見があり、改めて彼の偉大さを思い知らされますね(^^)

>50's & 60's Oldies Paradiseにはいつも、音楽への愛情が文章に溢れてます。

最上級のお言葉ありがとうございます。私は4つ上の姉の影響で小5の頃からオールディーズの魅力にとりつかれて以来、今でも'50~'60年代の音楽が一番好きなんですよね。もちろん他の音楽も聴いたりしますが、一番落ち着くのはこの時代の音楽です。

yuzamuraiさんのブログ、ぜひお邪魔させていただきます。
それでは、今後もよろしくお願いいたします<(_ _)>。
2008/01/24(木) 19:00 | URL | sugarboy #L/3l8JBE[ 編集]
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