50'sロックンロールの第1人者、Bill Haley

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Bill Haley 『From Western Swing to Rock』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ '50年代初頭、ロックンロールの父と呼ばれた伝説のDJ、Alan Freedが、ロックンロールという新語を使って自身のラジオ番組で白人リスナー向けにかけまくっていた音楽は、そもそも黒人音楽(R&B)そのものでした。つまり黒人アーティストが演じた新しいスタイルの音楽のこと。そのロックンロールという音楽が白人のティーンエイジャーから絶大な支持を得ると今度はそれを白人アーティストが演じるようになります。この時点でロックンロールという音楽は白人が演じるR&Bというニュアンスを帯びていき、最終的にはカリスマ性を兼ね備えたロックンローラー、Elvis Presleyの登場によって、ロックンロールという言葉自体がライフ・スタイルや価値観をも包含するものに変化していく訳です。

この辺りは以前詳しく述べた通りですが、簡潔にまとめると次の様になります(②、③は必ずしもイコールではありませんが便宜上“=”を用いています)。
① Alan Freedの新語考案時:ロックンロール=R&B(リズム・アンド・ブルース)
② 白人ロックンローラーの活躍:ロックンロール=白人が演じるR&B
③ Elvis Presleyの登場:ロックンロール=白人が演じるR&B+α(Life Styleや価値観等)

※ 関連記事:[Rock'n'Rollのすべてがこの中に!](追記部分)

以上のことから、現在使われているロックンロールという言葉のニュアンスの発端はもちろんエルヴィス・プレスリーにある訳ですが、エルヴィス・プレスリー以前に音楽としてのロックンロールの魅力を広く世間に知らしめた最大の功労者と言えば、Bill Haleyをおいて他にいません(上記②に該当)。
もしかしたら、エルヴィス・プレスリーにしてもビル・ヘイリーが最初に扉を開いたおかげで今の地位があるのかもしれません。

という事で、今回はその音楽としての白人ロックンロールの第1人者、ビル・ヘイリーを紹介したいと思います。が、ビル・ヘイリーは活動期間も長く、全盛時代だけでも多くのヒット曲を持っているばかりでなく、ブレイク直前期にもロックンロール的にかなり重要で興味深い作品を多々残しています。
そこで今回から3回を予定してビル・ヘイリーを取り上げたいと思います。流れとしては、今回彼の'50年代までの活動期間中の一押しCDを紹介し、第2回目はブレイク直前のHoliday/Essex時代、そして最後にヒットを連発して大活躍したDecca時代といった風に、重要な活動期毎のおすすめCDを紹介します。

さて、早速CDを紹介しておきましょう(ビル・ヘイリーのプロフィールは後述)。

CD:[試聴] [amazon]
From Western Swing to Rockビル・ヘイリーは偉大なロックンロールのオリジネイターである事に加え、活動期間も長期に渡るため実に様々なCDが出回っています。もちろんまずはDecca時代を核とした'50年代までの曲から耳にすべきですが、それにしても推薦するCDが人によってマチマチになるほど一押しCDを選定するのが困難な状況です。そんな中でビル・ヘイリーのCDをどれか1つと言われれば個人的に大推薦なのがリーズナブルな4枚組CD『From Western Swing to Rock』です。
内容は、ビル・ヘイリーが自身のC&Wバンドを最初に結成したCowboy Records時代から初めて全国レヴェルのヒットを放ったHoliday/Essex時代、そして絶頂を迎えた黄金のDecca時代初期までの音源が当時未発表曲も含めてほぼ録音順に収録されています(全94曲)。年代としては全て'47年から'56年にかけて録音された曲です(ライヴ音源4曲含む)。

CDタイトルも言い得て妙で、当初ウェスタン・スウィングの王者Bob Wills等に影響を受けていたビル・ヘイリーが、徐々にR&Bの要素を強めていき、最終的にはかなり黒っぽいC&WともR&Bともつかない魅力的なニュー・ミュージックを完成させていく様を文字通り体感できます。もちろんそれはロックンロール誕生の歴史そのものを追体験する事に他なりません。
Holiday/Essex及びDecca時代を押さえた上で最初期の貴重な音源も聴けるだけでも本盤を入手する価値は大有りですが、さらに隠れた目玉として?収録されているのがThe Cometsメンバー関連の楽曲。とりわけコメッツを脱退したメンバーを中心に結成されたThe Jodimarsの曲が秀逸で、全盛期のBill Haley & His Cometsと何ら遜色ないジャイヴ風味のスピーディなロックンロールはかなりシビレます。

ビル・ヘイリーの音楽スタイルの変遷を時系列でおおまかにみてみると、まず、Holiday/Essex以前(~'50年)は基本的にC&Wそのものといった感じで、カヴァー曲もC&Wのヒット曲のみにとどまっています。
Holiday/Essex時代('51~'53年)に入るとC&Wのレパートリーも多少あるものの、R&Bの強烈なビートを取り入れたロックンロール・スタイルが主流となり、R&Bヒットのカヴァーに取り組み始めるとともに古いポピュラー・ソング等をロックンロール調にアレンジしてみせたり、さらに自作のロックンロールまで披露しています。この時期は終盤のセッション以外まだサックスも導入されておらずC&W時代の名残があるのに加え、スラッピング・ベースが一般化していることもあって後のDecca時代に比べるとややロカビリー寄りのサウンドといった所でしょうか。
そして言わずもがなのDecca時代('54年~)。かつて小編成化した軽妙なジャンプ・ブルースで一時代を築いた大スター、Louis Jordanを手がけて手腕を振るったMilt Gablerがプロデュースを担当したこともあり、そのサウンドに黒人音楽のグルーヴがさらに大胆にかつ洗練された形で導入されています。R&Bさながらのビート感やドライヴ感にC&W的な疾走感が融合したサウンド、これぞまさにロックンロールです。
ロカビリーと言うにはR&Bの度合が強く、またジャイヴ風味の小粋なサックスも手伝ってか、聴き様によってはR&Bそのものと言えなくもありません。とにかくクールです。

50'sロックンロールの世界に足を踏み入れたらビル・ヘイリーはもちろん必須ですが、今回紹介したCD『From Western Swing to Rock』は、特に50'sロックンロールが好きだけどまだビル・ヘイリーの音源をほとんど持ってない人におすすめです。個々別々にCDを揃えなくても本盤でビル・ヘイリー・サウンドの魅力の大半を手軽に堪能できます。

(収録曲目)
※ 今回は曲数も曲数なだけに曲目解説も必要最小限にとどめておきます。なお、Holiday/Essex時代とDecca時代の曲は次回以降改めて詳述する予定です。

Disc 1
01~15:Bill Haley & The 4 Aces of Western Swing
16~17:Bill Haley & His Saddle Men
18~19:Reno Browne & Her Buckaroos
20~23:Bill Haley & The Saddlemen

01 Too Many Parties Too Many Pals('48年)
Bill Haleyが初めて結成した自身のバンドBill Haley & The 4 Aces of Western Swingの記念すべきデビュー曲。と言ってもヴォーカルはBill HaleyではなくTex Kingなんですが...。なお、この曲はHank Williamsも'50年に取り上げています。
02 Four Leaf Clover Blues('48年)
Bill Haleyの歌声がレコードとして初めて世に出た自作のHillbillyソング(前曲のB面)。
03 Candy Kisses('49年)
George Morganが放った同年C&W1位曲のカヴァー。
04 Tennessee Border('49年)
ベースのBarney Barnardがヴォーカルを務めたJimmy Workの'48年の曲のカヴァー(前曲のB面)。Red Foleyのヒット曲として有名('49年C&W3位)なこの曲は、Neo RockabillyバンドThe Blue Catsの結成以前の音源を集めたアルバム『Early Days』('83年)において、前身バンドThe South Rebelsのカヴァーを聴く事が出来ます。
05 The Covered Wagon Rolled Right Along('49年)
Spike Jones & His City Slickersの'41年の曲のカヴァーで、映画『Song of the Prairie』('45年)ではThe Hoosier Hot Shotsが歌っています。
06 Yodel Your Blues Away('49年)
前曲のB面で発表された曲で、Bill Haleyのヨーデル(唱法)も聴きもの。
07 Behind The Eight Ball('49年)
'54年にElvis Presleyも取り上げた「Just Because」のThe Shelton Brothersヴァージョン('35年)にも似た、Johnny Tyler & The Riders Of The Rio Grandeの'47年の曲のカヴァー。
08 Foolish Questions('49年)
前曲のB面曲。
09 Rovin' Eyes(未発表)
C&Wの範疇は抜けきれないもののスラッピング・ベースが心地いいアップテンポ・ナンバー。
10 Candy And Women(未発表)
11 My Mom Heard Me Cry Over You(未発表)
12 Cotton Haired Gal(未発表)
13 The Wreck On The Highway(未発表)
Roy Acuffの'42年C&W1位曲のカヴァー。
14 A Yodeller's Lullabye(未発表)
15 All I Need Is Some More Lovin'(未発表)
16 Why Do I Cry Over You('50年)
後に「Rock Around The Clock」を作ったJimmy De KnightがRusty Keeferと共作したスピーディなC&W曲。
17 I'm Gonna Dry Every Tear With A Kiss('50年)
前曲とのカップリングで発表された同系統のナンバー。
18 My Sweet Little Girl From Nevada('50年)
この曲では何故かReno Browne & Her Buckaroosと名乗っていますがReno Browneなる女性メンバーは在籍しておらず、さらにバンドの実態はThe Saddle Men(The Saddlemen)そのものです。
19 My Palamino And I('50年)
20 Rose Of My Heart(未発表)
21 Within This Broken Heart Of Mine(未発表)
Hank Snowの'50年盤をカヴァーしたC&Wバラード。
22 Rocket "88"('51年)
Jackie Brenston & His Delta Catsの'51年R&B1位曲をカヴァーしたHolidayからの第1弾。
23 Tearstains On My Heart('51年)
前曲のB面で発表されたC&Wバラード。

Disc 2
01~02:Bill Haley & The Saddlemen
03~08:Bill Haley with The Saddlemen
09~16:Bill Haley with Haley's Comets
17~18:Bill Haley & His Comets
19~(20):Bill Haley & The Comets
21~22:Bill Haley & Haley's Comets

01 Green Tree Boogie('51年)
02 Down Deep In My Heart('51年)
前曲のB面で発表されたHonky Tonk。
03 Jukebox Cannonball('52年)
古くから伝わるフォーク・ソング「Wabash Cannonball」を基にJesse Rogersが'51年に作った曲を取り上げたもの。
04 Sundown Boogie('52年)
前曲のB面。
05 Icy Heart('52年)
06 Rock The Joint('52年)
Jimmy Preston & His Prestoniansの'49年R&B6位曲のカヴァー(前曲のB面)。
07 Dance With A Dolly(With A Hole In Her Stocking)('52年)
Terry Shand & His Orchestraの'40年の曲をR&R風にカヴァーしたもの。
08 Rockin' Chair On The Moon('52年)
前曲のB面。
09 Stop Beatin' Around The Mulberry Bush('52年)
トラディショナル・ソング(「Here We Go Round The Mulberry Bush」)をR&R調に改作したもの。
10 Real Rock Drive('52年)
前曲のB面。
11 Crazy, Man Crazy('53年全米12位)
12 Whatcha Gonna Do('53年)
前曲のB面。
13 Pat-A-Cake('53年)
14 Fractured('53年)
前曲のB面。
15 Live It Up!('53年)
16 Farewell-So Long-Goodbye('53年)
前曲のB面。
17 I'll Be True('53年)
Faye Adamsの同年R&B1位曲のカヴァー。
18 Ten Little Indians('53年)
トラディショナル・ソングをR&R調にアレンジした曲(前曲のB面)。
19 Yes Indeed!('54年)
Tommy Dorsey & His Orchestraの'41年全米4位曲のカヴァー。
20 Yes Indeed!(未発表)
前曲のヴァージョン違い。
21 Chattanooga Choo Choo('54年)
'41年の映画『Sun Valley Serenade』で使用されたGlenn Miller & His Orchestraの全米1位曲のカヴァー。
22 Straight Jacket('54年)
前曲のB面。

Disc 3
01~14、18~19、21~24:Bill Haley & His Comets
15~17、20:The Jodimars

01 (We're Gonna) Rock Around The Clock('54年全米1位)
Sonny Dae & His Knightsの同年盤のカヴァー。
02 Thirteen Women (And Only One Man In Town)('54年)
Dickie Thompsonの「Thirteen Women And One Man」('53年)のカヴァー(前曲のカップリング)。
03 Shake, Rattle And Roll('54年全米7位)
Big Joe Turnerの同年R&B1位曲のカヴァー。
04 A.B.C. Boogie('54年)
前曲のカップリング。
05 Happy Baby('54年)
06 Dim, Dim The Lights (I Want Some Atmosphere)('54年全米11位)
初めてR&Bチャートに登場した白人R&R(R&B10位)(前曲のカップリング)。
07 Birth Of The Boogie('55年全米17位)
08 Mambo Rock('55年全米18位)
前曲のカップリング。
09 Two Hound Dogs('55年)
10 Razzle-Dazzle('55年全米15位)
前曲のカップリング。
11 R-O-C-K('56年全米16位)
12 Rock-A-Beatin' Boogie('55年全米23位)
The Cometsの初代リード・ギタリストだったDanny CedroneのバンドThe Esquire Boysが'53年に最初にレコード化した曲(Bill Haleyの自作曲)。
13 The Saints Rock 'N Roll('56年全米18位)
「R-O-C-K」のカップリング曲で、原曲はトラディショナルの「When the Saints Go Marching In」。
14 Burn That Candle('55年全米9位)
The Cuesの同年盤(全米86位)をカヴァーした「Rock-A-Beatin' Boogie」のカップリング曲。
15 Well, Now Dig This('55年)
Bill Haleyサウンドをさらにスピーディにした様なカッコいいR&R。
16 Dancin' the Bop('56年)
曲名が似ていますが、Gene Vincentの'57年全米23位曲「Dance to the Bop」とは別曲で、こちらはJive風味のサックスやスラッピング・ベースが鳴り響く完全なBill Haleyサウンド。
17 Let's All Rock Together('55年)
「Well, Now Dig This」のカップリング曲で、スリリングなメロディがクールなRockabilly風ナンバー。
18 See You Later, Alligator('55年全米6位)
Bobby Charlesの同年R&B15位曲のカヴァー。
19 The Paper Boy (On Main Street, U.S.A.)('55年)
前曲のカップリング。
20 Boom, Boom, My Bayou Baby('56年)
スウィンギーなギターがバッチリ決まった「Dancin' the Bop」のカップリング曲。
21 Goofin' Around('56年『Rock'n Roll Stage Show』)
22 Rudy's Rock('56年全米34位)
23 Hide And Seek('56年『Rock'n Roll Stage Show』)
The Cometsのスティール・ギタリストBilly Williamsonがヴォーカルを務めたBig Joe Turnerの'55年R&B3位曲のカヴァー。
24 Hey Then, There Now(同上)
Franny Beecher(リード・ギター)とJohnny Grande(ピアノ&アコーディオン)、Al Rex(ウッド・ベース)の3人がジャズ・コーラス風に歌った曲。

Disc 4
01~08、15~21:Bill Haley & His Comets
09~10:The Jumping Jaguars
11~14、22~25:The Jodimars

01 Tonight's The Night('56年『Rock'n Roll Stage Show』)
02 Hook, Line And Sinker('57年全米70位)
03 Blue Comet Blues('56年)
「Rudy's Rock」のカップリング曲。
04 Calling All Comets('56年『Rock'n Roll Stage Show』)
05 Choo Choo Ch'Boogie('56年全米30位)
Louis Jordan & His Tympany Fiveの'46年R&B1位曲のカヴァー。
06 A Rocking Little Tune('56年『Rock'n Roll Stage Show』)
07 Hot Dog Buddy Buddy('56年全米60位)
08 Rockin' Through The Rye('56年全米78位)
トラディショナル曲「Comin' Thro' the Rye」を基にして作った自作曲(前曲のカップリング)。
09 Knock Kneed Nellie From Knoxville('56年)
Franny BeecherとBilly Williamsonが一回限りこしらえた詳細不明のグループによる曲。
10 Shut The Door Baby('56年)
前曲のカップリング。
11 Eat Your Heart Out Annie('56年)
ベースのMarshall Lytleが歌った典型的なBill HaleyサウンドによるノリのいいR&R。なおこの曲は、Jive系Neo RockabillyバンドThe Stargazersのアルバム『The Speaking Clock Says...Rock!』('97年)で、セッションに参加したMarshall Lytleがセルフ・カヴァーしていました。
12 Lot'sa Love('56年)
R&B色が特に強い渋めのナンバー。
13 Rattle My Bones('56年)
前曲のカップリング曲。
14 Rattle Shakin' Daddy('56年)
「Eat Your Heart Out Annie」のカップリング曲。
15 Teenager's Mother(Are You Right?)('56年全米68位)
16 Rip It Up('56年全米25位)
Little Richardの同年全米17位(R&B1位)曲のカヴァー(前曲のカップリング)。
17 Don't Knock The Rock('56年)
「Choo Choo Ch'Boogie」とのカップリングで発表された、Bill Haley & His Comets主演第2作目の同名映画のタイトル・ソング。
18 (We're Gonna)Rock Around The Clock[live]
'56年のニューヨークでのライヴ音源(19~21も同じ)。
19 Hot Dog Buddy Buddy[live]
20 Rip It Up[live]
21 The Saints Rock 'N Roll[live]
22 Midnight('56年)
ブルージーなインスト・ナンバー。
23 Clarabella('56年)
前曲のカップリング曲で、'63年にThe Beatlesがラジオ番組のライヴでカヴァーした事でも有名な曲(『ザ・ビートルズ・ライヴ!! アット・ザ・BBC』収録)。
24 Cloud 99('57年)
25 Later('57年)
スラッピング・ベースの響きが抜群にカッコいいこの曲は、Neo RockabillyバンドRestlessがアルバム『Why Don't You...Just Rock!』('83年)の中でカヴァーしていました。曲調だけでなく歌詞もBill Haley & His Cometsの「R-O-C-K」辺りの影響がうかがえます(前曲のカップリング)。


※ iTunes Storeビル・ヘイリーの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ(試聴可)。1曲から購入できます。iTunes(無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
■ Bill Haleyについて

Bill Haley('25年7月6日~'81年2月9日)はミシガン州ハイランド・パーク生まれペンシルバニア育ちで、本名をWilliam John Clifton Haleyといいます。少年時代から歌手になる事を夢見ていたビル・ヘイリーは、14歳で参加した旅回りのメディシン・ショーを手始めにいくつかのC&Wバンドを渡り歩き、'46年初めにKenny Robertsがリーダーを務めるウエスタン・スウィングのバンド、The Down Homersにギタリストとして加入しています。The Down Homersのギタリストとして同年7月に「Out Where The West Winds Blow」でレコード・デビューを飾ったとも言われていますが、ビル・ヘイリーがヴォーカルを担当した訳ではないので実際に彼がそのセッションに参加していたのか今ひとつはっきりしていません。
ただ、The Down Homersが同年ラジオ用に録音した「She Taught Me How to Yodel」(未発表)では確かにビル・ヘイリーが朗々とヨーデルを歌っています。

当時ビル・ヘイリーは、自らを“Silver Yodelling Bill”や“The Rambling Yodeller”等と名乗って活動しており、翌'47年には地元ペンシルバニアのラジオ局WPWAでDJを務める傍ら、自身のバンドBill Haley & The 4 Aces of Western Swingを結成し、'48年8月にCowboy Recordsから第1弾として「Too Many Parties Too Many Pals」を発表します。ビル・ヘイリーのラジオ番組でレギュラー・バンドとして活躍すると共に時折地元のテレビにも出演して人気を得ていた事もあり、The 4 Aces of Western Swingは、発表した数枚のシングルをローカル・ヒットさせて全米ツアーまで敢行したんだとか。

Bill Haley & The 4 Aces of Western Swingの主要メンバー:
Bill Haley(ヴォーカル&ギター)
Al Constantine(アコーディオン)
Barney Barnard(ウッド・ベース)

しかし、ビル・ヘイリーは、The 4 Aces of Western Swingを2、3年足らずで解散した後新たなグループThe Saddlemenを結成しています。なお、レコードによってバンド名がBill Haley & His Saddle MenBill Haley & The Saddlemen他マチマチになっていますが、実態は同じなので便宜上ここではBill Haley & The Saddlemenと統一しておきます。

Bill Haley & The Saddlemenの主要メンバー(セッションによって多少変更):
Bill Haley(ヴォーカル&ギター)
Danny Cedrone(リード・ギター)
Billy Williamson(スティール・ギター)
Johnny Grande(ピアノ)
Marshall Lytle(ウッド・ベース)

このグループが後のThe Cometsの前身となるバンドですが、結成間もない頃はまだまだC&Wバンドの様相を呈していました。彼らがR&Bの影響を色濃く反映させた音楽スタイルを演じるようになるのは、'51年にフィラデルフィアのローカル・レーベルHoliday Recordsと契約してからのことです。
白人アーティストによる史上初のロックンロールと称されるHolidayからの第1弾 「Rocket "88"」は、そもそもレーベル・オーナーのDave Millerが仕事で南部を訪れた際に目をつけた曲で、ビル・ヘイリーらは彼の勧めによって録音したそうです。あまり語られる事のないデイヴ・ミラーですが、R&Bナンバーを白人に歌わせる事でヒットを直感したしたというのは後にElvis Presleyを発掘するSam Phillipsと同じ感覚を持っていたということですよね。
デイヴ・ミラーの目論み通り「Rocket "88"」が地元で話題になると'52年にはHolidayの系列レーベルEssex Recordsから同じくR&Bヒットのカヴァー「Rock The Joint」を発表。「Rocket "88"」以上の売上を記録したこの曲でデイヴ・ミラーのみならずビル・ヘイリーもロックンロールの可能性を確信します。
C&Wバンドからロックンロール・バンドへの転向を決意したビル・ヘイリー&サドルメンの面々は、カウボーイ・ブーツを脱ぎ捨ててタキシードに身を包み、バンド名も新しいサウンドに適したThe Cometsと一新。The CometsBill Haley with Haley's Comets)としての第1弾となった「Stop Beatin' Around The Mulberry Bush」から、さらにビート感を強調すべくドラムを導入している点に彼らの意気込みが窺えます。ちなみにHaley's Cometsというバンド名は、WPWAのディレクターBob Johnsonもしくはデイヴ・ミラーの提案で、“Halley's Comet(ハレー彗星)”をもじって名づけられたとのこと。
コメッツにつても当初レコード上名称がマチマチですが、ここではBill Haley & His Cometsに統一しておきます。

この当時、ロックンロール(=R&B)人気によってレコード購買層もティーンエイジャーが重要な存在となっていた訳ですが、ビル・ヘイリーもその辺りを考慮して頻繁に高校のダンス・パーティで演奏をしています。これらの経験が大いに活かされたのが、次のシングルとなった「Crazy, Man Crazy」('53年)。ティーンエイジャーが何かにつけて好んで使っていた“Crazy”という言葉を歌詞に織り込んだビル・ヘイリーの自作曲は、遂に全米ヒットを記録します。
この白人アーティストによる史上初のロックンロール・ヒットは当時の音楽シーンに大きなインパクトを与えた様で、後にコメッツに加入するRudy Pompilli(サックス)が在籍していたRalph Marterie & His Orchestraに同年すかさずカヴァー(全米13位)された他、遥か大西洋を越えてイギリスでも同年Ted Heath & His MusicとOscar Rabin & His Orchestraの2組にカヴァーされています。さらにこの曲は、全国ネットのテレビ番組『Omnibus』のJames Deanが主演した「Glory in the Flower」の回('53年10月4日)で使用されるといった人気ぶり!!
ここで一気にビル・ヘイリーの時代の到来かと思いきや、Bill Haley & His Cometsが真にブレイクするにはもう少し時間が必要だった様で、同年James Myers(Jimmy De Knight)がMax C. Freedmanと共作した「We're Gonna Rock Around The Clock Tonight!」という曲を彼らに提供するのですが、ジミー・デナイトとデイヴ・ミラーの関係があまり良好ではなかったため、デイヴ・ミラーがこの曲のレコーディングを見合わせてしまいます。もちろんこの曲はロックンロールの大名曲となる「Rock Around The Clock」ですが、コメッツが録音しなかったためSonny Dae & His Knightsが先にレコード化してしまうんですよね。

Essexで「Crazy, Man Crazy」に続くヒットを出せなかったBill Haley & His Cometsは、'54年にDecca Recordsへ移籍します。デッカでの第1弾('54年5月)は遅まきながらエセックス時代に発表できなかった「Rock Around The Clock」(当初「Thirteen Women」のB面扱い)で、見事全米ヒットを記録します(全米23位)。

Bill Haley & His Comets(4月12日のDecca最初のセッション時):
Bill Haley(ヴォーカル&ギター)
Danny Cedrone(リード・ギター)
不慮の事故で他界('54年6月17日)→Franny Beecherが加入
Billy Williamson(スティール・ギター)
Johnny Grande(ピアノ&アコーディオン)
Marshall Lytle(ウッド・ベース)
'55年にThe Jodimars結成のため脱退→サドルメン時代に一時ベースを弾いていたAl Rexが加入
Joey d'Ambrosio(サックス)
'55年にThe Jodimars結成のため脱退→Rudy Pompilliが加入
Billy Gussak(ドラム)
元々正式なドラマーは定まっていなかったためセッションによってRalph Jones、Dick Richards等が参加

以降全米ヒットを連発して確実に音楽シーンの頂点へと向かっていたビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツは、この時期短編映画ながら『Round Up of Rhythm』('54年)でスクリーン・デビューを飾り、劇中「Crazy, Man Crazy」、「Shake Rattle and Roll」、「Straight Jacket」の3曲を披露しています。ただ、「Rock Around The Clock」(「Rock The Joint」)で例の名フレーズを弾いたリード・ギタリストのDanny Cedroneが、本作撮影の数週間前に亡くなったためリード・ギタリスト不在での出演となったのは残念ですが...
ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツと映画と言えば、忘れてならないのが『Blackboard Jungle』('55年3月公開)。何度となく語られている事ですが、この映画の主題歌として使用された事によって前年23位止まりだった「Rock Around The Clock」が見事No.1を獲得するんですよね。
Rock Around The Clock」の爆発的ヒットで頂点を極めたビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツは、押しも押されぬ大スターとなってテレビやステージでも大活躍した他、'56年には『Rock Around the Clock』と『Don't Knock the Rock』の2本のロックンロール映画にも主演して黄金時代を謳歌します。

しかし、エルヴィス・プレスリーをはじめ後発のロックンローラーが次々に登場した'57年頃からその人気にも陰りが見え始め、本国での人気が完全に低迷した'60年代以降は主に南米やヨーロッパで活動を続けることになります。本国とは正反対にビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツはそれらの国々で熱烈な歓迎を受けた様で、何でも南米では'60年代初頭に世界中を席巻したツイスト・ブームのヒーローはChubby Checkerではなくビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツなんだそうです(笑)。実際南米では'61年に「Twist Español」と「Florida Twist」が大ヒットを記録したんだとか...
そう言えば「Florida Twist」は、The Stargazersが先述のアルバム『The Speaking Clock Says...Rock!』の中でカヴァーしていました(ノリのいい曲です)。

そんな感じでビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツは晩年まで海外での活動が主となっており、'79年11月にQueen Elizabeth2世の前でパフォーマンスを披露するという栄誉に輝きますが、'80年6月の南アフリカ・ツアーがビル・ヘイリーの表舞台での最後の活動となり、'81年2月9日脳腫瘍が原因でテキサスの自宅で息を引き取っています(コメッツはメンバー交代しつつ現在も活動中)。

■ The Jodimarsについて

'55年の夏コメッツのメンバーだったMarshall LytleJoey d'Ambrosioが、「Rock Around The Clock」の大ヒットを受けてギャラの増額を申し入れるも聞き入れてもらえなかったため、コメッツで一時ドラムを担当していたセッション・ドラマーのDick Richardsを誘って新たに結成したバンドがThe Jodimarsでした。ちなみにThe Jodimarsというグループ名は、上記3名のファースト・ネームから命名しています。
'55年11月にCapitol Recordsから「Well, Now Dig This」でデビュー後、'57年までの間にCapitolで計6枚のシングルを発表します。しかし、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツのサウンドと酷似していたせいでしょうか、ほとんどが素晴らしい曲だったにもかかわらず残念ながら1曲もヒットさせることが出来ませんでした。

The Jodimars(デビュー曲の録音時):
Joey d'Ambrosio(サックス)
Dick Richards(ヴォーカル)
Marshall Lytle(ウッド・ベース)
Tony Mottola(ギター)
Chuck Hess(ギター)
Jim Buffington(ピアノ)
Billy Gussak(ドラム)
後にMax Daffnerに交代

■ 今回の無料動画はもちろんビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツです。曲はビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの大ヒット曲「(We're Gonna) Rock Around The Clock」を選んでみました。映像は'55年のテレビ出演からで、まだMarshall Lytle達が脱退する前のものです。

ここでのリード・ギタリストは、この曲のオリジナル・ギタリストDanny Cedroneではなくジャズ畑出身のFranny Beecherですが、やはり間奏はオリジナルに忠実に演奏しているんですね。まあ、「(We're Gonna) Rock Around The Clock」を象徴するギター・フレーズなので他に弾き様がないのは当然かもしれませんが...

それでは、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの大傑作ロックンロール「(We're Gonna) Rock Around The Clock」をご覧下さい。

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コメント
この記事へのコメント
はじめまして♪
相互リンクの件。
連絡いただき、ありがとうございました。

こちらも、ロカビリーのみに還元した濃いいブログですね!
勉強になります。

リンクさせていただきましたので、今後とも宜しくお願いいたします♪
2007/12/19(水) 18:36 | URL | noodles3 #-[ 編集]
どうもありがとうございます♪
早速のコメント恐れ入ります。

私は、ロック時代はそれほど詳しくないのでnoodles3さんのブログを初めて拝見させていただいた時、詳細かつ分かりやすい説明にかなり感銘を受けました(^^)。

今後も色々と参考にさせていただきたいと思います!

こちらこそよろしくお願いいたします<(_ _)>
2007/12/20(木) 00:24 | URL | sugarboy #L/3l8JBE[ 編集]
Bill Haleyは、(いわゆるOldiesの)コンピレーション・アルバムでしか聴いた事が有りません。PROPER RECORDSのこの4枚組、前から興味を持っていましたが、未だに買っていません。店頭で現物を見つければすぐに買ってしまうのでしょうが、Amazonなどでは在庫が無く到着までに数週間かかってしまうのが躊躇させている原因です。
2007/12/30(日) 22:50 | URL | wheredidwecomefrom #vQU5PwVA[ 編集]
確かに難しいですよね。
私の場合は近くに大手のCDショップがないので、ここ数年もっぱら通販での購入になってます。おまけに何枚かまとめて一括注文(配送)しているので入荷待ちは馴れてしまいました。
ただ、楽しみにして散々待った後入手不可となった時は結構ショックですね(T_T)

昔はかなり時間をかけて何軒もCDショップ巡りをしていたんですが、思わぬブツを目の当たりにした時のインパクトはやはり通販では味わえませんね!
2007/12/31(月) 14:49 | URL | sugarboy #L/3l8JBE[ 編集]
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