スウィートなR&Bデュオ、Johnnie & Joe

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Johnnie & Joe 『I'll Be Spinning』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回は、最高にロマンティックな50'sR&Bバラード、「Over The Mountain, Across The Sea」でロックンロールの歴史にその名を刻んだ男女R&Bデュオ、Johnnie & Joeを紹介します。

まずはジョニー&ジョーについて簡単に触れておきましょう。
Johnnie Louise Richardsonジョニー)の母は、「Lonely Nights」のデビュー・ヒット('55年R&B8位)で知られる女性ドゥー・ワップ・グループ、The Heartsを発掘してマネージャーを務めたZelma "Zell" SandersというニューヨークのR&B界では名の通った人物でした。その関係もあって、Zell Sandersのもとに出入りしていたピアニスト兼ソングライターで、隣人でもあったRex GarvinThe Heartsのレコーディングにも参加)が彼女に紹介した音楽仲間がJoe Riversジョー)だったのです。
ゼル・サンダースは、ちょうど自身のレコード会社J&S Recordsを設立('56年6月)したばかりで、自分の娘ジョニー・ルイーズ・リチャードソンジョー・リヴァースと組ませてJ&Sからデビューさせることを決めます。そして同年10月にジョニー&ジョーとして「I'll Be Spinning」でデビューを飾ることになる訳です。
ジョニー&ジョーは続く2ndシングル「Over The Mountain, Across The Sea」で大ヒットを飛ばした後も、残念ながらヒットには恵まれませんでしたが'70年まで出来のいい曲を発表し続けます。

CD:[試聴] [amazon]
I'll Be Spinning: The J&S Recordingsジョニー&ジョーの全盛時代のCDは現在2種類ありますが、ブックレットも充実している英Ace盤『I'll Be Spinning』をおすすめします。内容は、デビュー曲から'70年までの主要なシングル曲にジョニー・リチャードソンのソロ作品や未発表曲を加えた全30曲(3分の2強が'63年までの曲)。ヒットを記録した3曲はもちろんのこと、ジョニー&ジョーの傑作ナンバー目白押しです!
ちなみにもう一つの伊Gold Dust盤『Over the Mountain』(全30曲)はほとんど'63年以前の曲で構成されていて、ライナーはあってない様なものですが、『I'll Be Spinning』に収録されていない曲も10曲近くあります。情報は要らないけどジョニー&ジョーの初期の曲を出来るだけ聴きたいという人にはいいかもしれません。

ところでジョニー&ジョーのその後ですが、実は'70年で終わりではないんです。'80年代に往年のドゥー・ワップ・グループに今一度スポット当てて、数々の新録アルバムをリリースしたAmbient Soundから最初で最後のオリジナル・アルバム『Kingdom of Love』('82年)を発表して往時のジョニー&ジョー・サウンドを披露してくれています。さらにタイトル・ソングの「Kingdom of Love」は同年シングル発売されました。快挙とも言えるこのプロジェクトは多くのジョニー&ジョー・ファンを狂喜させたことでしょう。その後もライヴ活動等を続ける2人でしたが、残念な事に'88年にジョニー・ルイーズ・リチャードソンが亡くなってジョニー&ジョーの歴史に幕が下ります。

ジョニー&ジョーの魅力はやはり、彼らの大ヒット曲「Over The Mountain, Across The Sea」に代表される様に、泥臭いR&Bとはまた違う前面に出されたジョー・リヴァースのスマートなヴォーカルとロマンティックなメロディーが一体となったバラードにあると言えるでしょう。そもそも彼らのレパートリー自体バラード系が多くを占めるんですが...
本盤はそれらのスウィートな絶品R&Bバラードがイヤというほど詰まっています。'60年代とはまた違った'50年代の“甘さ”が好きな人にはかなりおすすめの1枚です。

(収録曲目)
01 I'll Be Spinning('56年R&B10位)
Johnnie & Joeのデビュー曲ですが、この1曲からも既にロマンティックなスタイルが完成していた事が窺えます。Joe Riversのスマート・ヴォイスによる胸をえぐられる様な絶品バラードはKnock Out必至(必聴!)。曲自体が良いからか、同年すかさずカヴァーしたDoo WopグループThe Cadetsのあっさりしたヴァージョンもなかなかの出来。
02 Over The Mountain, Across The Sea('57年全米8位、R&B3位)
Ritchie Valensの半生を描いた傑作映画『ラ・バンバ』('87年)の中でも効果的に使われおり、Johnnie & Joe最大のヒットとなったRock'n'Roll史に残る大傑作(必聴!)。ロマンティックな甘いメロディーと力強さを秘めたJoe Riversの滑らかな声の調和がとにかく絶妙。'60年にはRevivalブームの影響で再度全米チャート入りして89位を記録しています。なお、Joe Rivers以外にもう一人聴こえる男声は、この曲の作者でピアニストのRex Garvinです。ちなみにこの大名曲は、Billy & Lillie ('60年)、The Orlons ('62年『The Wah-Watusi』)、Bobby Vinton ('63年全米21位)等のカヴァーがあります。こちらも曲自体が良い事もあって、どれもなかなかの出来です。
03 Over The Mountain Part 2('62年)
前曲と同じメロディーの続編ですが、間に「Across The Sea」が入るので正確には3代目と言った所でしょうか。
04 My Baby's Gone, On On('57年R&B15位)
「Over The Mountain, Across The Sea」のB面ながら、A面の後を追ってR&Bチャート入りしたミディアム・テンポのR&Bナンバー。残念ながらこの曲が最後のチャート・インとなってしまいます。
05 Feel Alright('56年)
「I'll Be Spinning」のB面曲で、A面とはうって変わってホットなRockin' R&Bになっています。バラードだけでなく、この手のRockin'ナンバーもカッコよく聴かせるあたりがまた彼らの魅力なんですよね。ところで、間奏のアドリブで派手にガナリまくっている女性はJohnnie Richardson本人?
06 Darling('58年)
07 False Love Has Got To Go('58年)
「Warm, Soft And Lovely」のB面曲。
08 Why Oh Why('58年)
「Why Did She Go」のB面曲だった弾ける様な傑作Popsナンバー(必聴!)。The Geniesの傑作Doo Wop「Who's That Knocking」('59年全米71位)を連想させるノリノリ感が最高!
09 It Was There('57年)
「Over The Mountain, Across The Sea」に続いて出された同系統の3rdシングル。ヒットしなかった理由が見当たらない程、更にドラマティックになっている傑作バラード(必聴!)。
10 My Baby's Gone (And Left Me)('58年)
Joe Riversの熱唱が光る「Darling」のB面だったR&Bの好曲。
11 Where Did She Go ?('59年)
名曲「Why Did She Go」にストリングスを付け加えて「Red Sails In The Sunset」のB面となったもの。個人的にはストリングスはちょっと耳障りな感じがします。
12 Who Do You Love ?('58年)
“Johnny & Joe”名義でGone Recordsから唯一出されたシングル。しみじみと聴かせるこの好曲では初めてJohnnie Richardsonが主導権を握って歌っています。ちなみに、どういう訳か本盤未収録のこの曲のB面「Trust In Me」は、超が付くほどのカッコいいRockin'ナンバーなんですよね(先に触れたCD『Over the Mountain』には収録)。
13 Red Sails In The Sunset('59年)
多くのアーティストがカヴァーしたWill GroszとJimmy Kennedyのペンによる'35年の作品を取り上げたもの。ちなみにこのシングルは“Johnni & Joe”名義で出されています。
14 If You Tell Me You're Mine('57年)
「I Was So Lonely」のB面曲で、どことなくクラシカル雰囲気を漂わせる名バラード。伸びのあるJoe Riversの熱唱も聴きもの。
15 We Get That Feelin'('63年)
「Speak Softly(Angel)」のB面曲。
16 There Goes My Heart (On Fire For You)('57年)
「It Was There」のB面曲で、Joe Riversの熱の入った歌唱が胸にしみるダイナミックな知られざる傑作バラード(必聴!)。
17 Warm, Soft And Lovely('58年)
ほど良いR&B感覚と甘いメロディーが融合した傑作ロッカバラード(必聴!)。それにしてもこの曲も含めて、Johnnie & Joeは素晴らしい曲を出しまくっているのにヒットしないのは腑に落ちませんよね。
18 I Was So Lonely('57年)
19 Why Did She Go('58年)
「Over The Mountain, Across The Sea」タイプの佳曲で、やはりJoe Riversのスマート・ヴォイスにウットリです(必聴!)。
20 Across The Sea('60年)
同年の「Over The Mountain, Across The Sea」の再ヒットを受けて出されたシングルで、メロディーは原曲と全く同じの歌詞違いナンバー。
21 Tell Me('70年)
「Sincere Love」のB面曲。
22 You're The Loveliest Song I Ever Heard('68年)
23 Speak Softly(Angel)('63年)
24 You Can Always Count On Me('63年)
かなりSoul色の濃厚な曲で、しかも音的には'60年代後半のSoulといった趣のちょっと意外な曲。
25 I Pray To Keep Our Love Strong(未発表)
'63年録音のJohnnie RichardsonのペンによるPopな曲。
26 Let Sleeping Dogs Lie('70年)
Johnnie RichardsonがMiss Johnnie名義で発表した、「Over The Mountain, Across The Sea」('70年盤)のB面に収められたSoulナンバー。
27 Be Sure(未発表)
'68年に録音されたJohnnie Richardsonのソロ名義によるSoulバラードですが、意外や意外、お蔵入りにしたのが悔やまれる名曲です(必聴!)。Johnnie & JoeとしてはJoe Riversのヴォーカルが際立っていましたが、Johnnie Richardsonもなかなか聴かせてくれます(目からウロコ!)。
28 Sincere Love('70年)
29 Let Your Mind Do The Walking('68年)
「You're The Loveliest Song I Ever Heard」のB面曲。
30 Jamaica - Our Thing('70年)
「False Love Has Got To Go」('70年盤)のB面として発表されたラテン調の陽気な好曲。
■ 今回の無料動画は、かなり貴重な'50年代のJohnnie & Joeの映像です。曲は彼らの大ヒット曲にしてロックンロール史上に残る大傑作「Over The Mountain, Across The Sea」。
この映像はアメリカの音楽番組『The Milt Grant Show』にまさにこの曲が全米チャートを駆け上がっていた'57年5月に出演した時のものだそうです(最高位8位を記録するのは7月22日)。興奮しますね~。大好きなJohnnie & Joeの全盛期の映像を観れるとは本当に感激です。

後年の2人もそうなんですが、歌っている時も互いに腰に手を回して、歌い終わった後にインタヴューを受けている間もずっと手を握り合っていて実に微笑ましいですよね。そんな2人の雰囲気もJohnnie & Joeのサウンドにピッタリです。

それでは、Johnnie & Joeのロマンティックな傑作バラード「Over The Mountain, Across The Sea」をご覧下さい。

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