英国ロカビリーのルーツ、Lonnie Donegan

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Lonnie Donegan 『Skiffle King: 50th Anniversary Edition』

■ 前回の記事で'54年に発売されたChris Barber's Jazz Bandの1stアルバム、『New Orleans Joys』がイギリスのロックンロール史上重要だという話をしましたが、実はそのアルバムには後の'56年にイギリス中で巻き起こったスキッフル・ブームの発端となる曲が収録されていたんです。その曲とは「Rock Island Line」と言うスキッフル・ナンバーで、歌っているのは当時バンドのバンジョー奏者だったLonnie Donegan
ちなみに、ロニー・ドネガンが歌ったスキッフルはもう1曲'55年のシングル発売時に「Rock Island Line」のB面となる「John Hardy」も収録されており、この2曲に関してはアルバム上においてもThe Lonnie Donegan Skiffle Groupとクレジットされていました。

このロニー・ドネガンは自らロックンロールやロカビリーを志向したわけではなく、また若い女性から黄色い声援を送られるタイプのアーティストでもないのでロックンロール・スターとは言えないのですが、彼がその後のイギリスのロックンロールやロカビリー・アーティストに与えた影響という点では前回紹介したTommy Steele以上と言えるでしょう。と言うかトミー・スティール自身もスキッフル・ブームの洗礼を受けてThe Cavemenを結成しているので当たり前の事ですが...
また、彼はアメリカのアーティストが圧倒的に優位な当時の状況下でロックンロール誕生後の'56年からThe Beatlesが登場する以前に、唯一全米チャートのTOP10に2曲チャート・インさせたイギリスのアーティストでもあります。
スキッフルの詳細については後で述べるとして、とりあえずおすすめのCDを紹介します。

CD:[試聴] [amazon]
Skiffle King: 50th Anniversary Edition最近は彼のCDもかなり充実した品揃えになっていて何枚かいいCDが出てるんですが、その中でも内容とコスト・パーフォーマンス的にベストなのが『Skiffle King: 50th Anniversary Edition』でしょう。3枚組全54曲入りで値段が1枚物を下回る安さ!彼に関しては曲を凝縮すれば本来1枚物で十分なんですが、1枚物より安くて曲がいっぱい聴けると言う事で今回本作を選びました。もちろん曲が多いだけじゃなく重要な曲を網羅している事は言うまでもありません。
内容は、彼の'55年のデビュー・シングルとなった前記「Rock Island Line」を含む'50年代から'60年代初頭までのシングル・ヒットや重要曲がほとんど収録された究極の1枚となっています。音的には、エルヴィス・プレスリーがサン時代に古いブルースを取り上げて新たな息吹を吹き込んで生まれ変わらせたように、ロニー・ドネガンも黒人フォーク・シンガーLeadbelly等がレパートリーとしていた古いフォーク・ブルースを新しいビートでリヴァイヴァルしていて当時としては実に革新的。また、時折見せるCarl Perkinsにも通ずるような狂気を帯びた彼のシャウトぶりも聴き所となっています。
スキッフルなんて聴いた事がなくても、フォーク・ブルースやC&W、ロカビリーといった音楽が好きな人は必ずツボにはまること間違いなしでしょう。

では、主な収録曲を見ていきましょう。まずはDisc1から。
いきなり1曲目から大傑作の登場です。彼にとって初の全英1位となった'57年の「Cumberland Gap」(トラディショナル)は、気でも触れたかの様なロニー・ドネガンのハイ・テンションなヴォーカルにスラッピング・ベースも全開で、とりわけLonnie Donegan & His Skiffle Groupの初代ギタリスト、Denny Wrightのワイルドなエレキ・ギター・ソロは出色の出来となっています。イギリス初の50'sパンク(サイコビリー?)とも言えそうな狂乱の1曲(必聴!)。
3曲目の「Don't You Rock Me Daddy-O」は、当時彼のライヴァルだったThe Vipers Skiffle Group(コーヒー・バー時代はトミー・スティールのライヴァル)のリード・シンガー、Wally Whytonが古いフォークを下敷きに作った曲を取り上げたもので、'56年に全英4位となったアップ・テンポの名曲(間奏のギターも奮闘)。
なお、ヴァイパーズのオリジナルは全英10位とロニー・ドネガンには及ばなかったもののかなりの傑作です。個人的にはワイルドなヴォーカルがカッコいいヴァイパーズ盤に軍配を上げたいところ(スラッピング・ベースも◎)。

9曲目の「Betty, Betty, Betty」(トラディショナル)は、Disc2の15曲目に収録された'58年の全英11位曲「Sally Don't You Grieve」(Woody Guthrieの作品)のB面曲で、ブルージーなギターがユニークなほとんどロックンロールと言えそうな作品。
'60年に全英5位を記録した11曲目の「I Wanna Go Home」(トラディショナル)は、後の'66年にThe Beach Boysが「Sloop John B.」のタイトルでカヴァーして全米3位のヒットにしたことで有名な曲。ロニー・ドネガンは、トリニダッド島出身のフォーク・シンガー、Blind Blakeのカリプソ・ヴァージョンを参考にカヴァーしたらしく、どこかもの悲しげな雰囲気の中にもトロピカルな香りが漂っていてとても印象深い曲になっています。
'59年に全英14位を記録した13曲目の「Fort Worth Jail」(トラディショナル)もこれまた大傑作。スピーディーなこの曲での3代目ギタリストLes Bennettsのホット&クールなギターがとにかくカッコいい。Gene Vincent & His Blue Capsの初代ギタリスト、Cliff Gallupを連想させる様な間奏は絶品!

Disc2の10曲目収録の'56年全英7位曲「Bring A Little Water, Sylvie」(トラディショナル)のB面だった15曲目の「Dead Or Alive」(ウディ・ガスリーの作品)は、終盤のヒート・アップ感がエルヴィスの'54年のサン録音「I'll Never Let You Go」(オリジナルは'43年のJimmy Wakely盤)を連想させる様なロカビリーっぽいミディアム・テンポ曲。なお、このシングルからクリス・バーバーと決別して独立しており、ロニー・ドネガンの活躍もますます目覚しくなります。
18曲目の「Puttin' On The Style」(トラディショナル)はDisc2の1曲目に収録された「Gamblin' Man」(ウディ・ガスリーの作品)とのカップリングで'57年に全英1位の両面ヒットを記録した彼らの代表曲の一つ。どちらも彼のお得意なノベルティ・タッチの楽しい曲ですが、後者はDenny Wrightに代わって加入した2代目ギタリスト、Jimmy Currieの縦横無尽なワイルド・ギターが光る好曲。

Disc2の3曲目の「Lost John」はDeccaからPyeに移籍後の1stシングルで、ロニー・ドネガンの熱唱とスラッピング・ベースも心地いい'56年全英2位のミディアム・テンポ曲(トラディショナル)。
古いフォーク・ソングをカヴァーして'58年に見事全米1位に輝いたThe Kingston Trio盤で有名な6曲目の「Tom Dooley」('58年全英3位)は、かなりテンポ・アップさせており、小粋なギター・ソロもナイスなノリノリ・ヴァージョン。
13曲目の「Jack O'Diamonds」は、'57年に全英14位のヒットを記録した傑作で、スラッピング・ベースもバッチリ決まっており、Jimmy Currieのフランティック・ギターも最高の1曲。

Disc3のラストを飾るのは、先に触れたように'54年のアルバム、『New Orleans Joys』で初めて発表されてから1年後の'55年11月にシングル発売された彼の記念すべきデビュー曲「Rock Island Line」(全英・全米8位)。元々はトラディショナル・ソングなんですが'37年にLeadbellyが録音したのが最初のレコードです。スローなテンポの語り調で始まったロニー・ドネガンのヴォーカルが徐々に熱気を帯びてくるのに合わせて、レッドベリー盤を遥かに凌ぐほどテンポ・アップしたサウンドとベースを強調したビート感は見事で、Bill Haley & His Cometsのサウンドやロカビリーにも通じるものあり。
まだエレキ・ギターは導入されてないんですが、エルヴィス・プレスリーの最初のサン・セッションから僅か8日後の'54年7月13日に録音されており、メンバーもロニー・ドネガン(ギター&ヴォーカル)、クリス・バーバー(ベース)とBeryl Bryden(ウォッシュボード)のトリオ演奏という所も何かロカビリーとの縁を感じさせるんですよね(強引?)。

その他'59年にC&Wシンガー、Johnny Hortonが放った全米1位(C&W1位)の大ヒットで有名な「The Battle Of New Orleans」('36年Jimmy Driftwood作)のカヴァー('59年全英2位)、'24年のミュージカル『Little Miss Puck』で使われた曲が元ネタの「Does Your Chewing Gum Lose It's Flavor (On The Bedpost Overnight)?」('59年全英3位、'61年全米5位)や'60年に全英1位を記録した「My Old Man's A Dustman」(トラディショナル)のコミカルなノヴェルティ曲、フォーク・グループのThe Highwaymenが'61年に全米1位のヒットとした「Michael(Row The Boat)」(元は黒人霊歌)のカヴァー('61年全英1位)、'56年の1stアルバム『Showcase』収録曲の「Wabash Cannonball」(トラディショナル)等が聴き所でしょう。

本作は、イギリスにおけるロックやロカビリーの原点とも言われているアーティスト、ロニー・ドネガンの名演がぎっしり詰まった初期の全曲集としての体裁をとっており、ビートルズあるいは英国ネオ・ロカビリーを語る前にぜひ耳にして欲しいアルバムです。
ロニー・ドネガンの音源に触れる事でスキッフルと'60年代のブリティッシュ・ビート・バンド、さらに'80年代のネオ・ロカビリーとの相関関係が紐解けるのではないでしょうか。


※ CDSkiffle King: 50th Anniversary Edition』の詳細・購入はこちらでどうぞ。

※ iTunes Storeロニー・ドネガンの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ。1曲から購入できます。iTunes (無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
■ スキッフルについて
先に触れたように、'55年にロニー・ドネガンが「Rock Island Line」をシングル発売してから、翌'56年初頭に全英8位を記録するとイギリス中に空前のスキッフル・ブームが巻き起こります。猫も杓子もスキッフルという事でイギリス全土にスキッフル・グループがあふれ返って、楽器屋さんではギターが飛ぶように売れたとのことですが、実はロニー・ドネガンがスキッフルの創始者と言うわけではなくて意外と古い歴史があるんですよね。

戦後間もなくアメリカから流入してきた音楽の中に既にスキッフルは存在しており、いくつかのバンドが活動していたとのことです。また、ブリティッシュ・ブルースの先駆者として知られるトラッド・ジャズ・ミュージシャンのCyril Daviesらが、'52年にロンドンのソーホーで始めたクラブ・ギグは“London Skiffle Center”と名づけられていました。
そもそもスキッフルとは、'20年~'30年代にアメリカで盛んだったジャグ・バンド音楽で、本来はアコースティック・ギター、バンジョー、ウッド・ベース、ウォッシュボード、カズー等で演奏された音楽のイギリスでの呼称を指します。アメリカでもJimmy O'Bryant & His Chicago Skifflersなるバンドが'25年に存在していたそうですが、アメリカでは一般的にジャグ・バンド音楽を“スキッフル”と呼んでおらず、あくまでイギリスでの呼称と考えられています。

ただ、語源的には'20年代にシカゴで盛んだった“Rent Party”のスラング、“Skiffle Party”に由来すると言われています。レント・パーティーとは、友達などがそれぞれ食べ物や飲み物を持ち寄って開いた集まりで、みんなで簡単な楽器による演奏を楽しんだパーティーのこと。

歴史的な背景はどうであれ、そのマイナーな音楽だったスキッフルをイギリスのロックンロールのルーツと言わしめるまでに有名にしたのはロニー・ドネガンの功績に他なりません。彼に続けと言わんばかりにThe Chas McDevitt Skiffle GroupThe Vipers Skiffle Group他のスキッフル・グループが続々とデビューを果たします。

そこで、このスキッフルがなぜイギリスのロックンロール史上重要かと言えば、その音楽性とバンドの編成スタイルの2点に求められます。
多少コミカルな側面もありますが、古いフォーク・ブルース等をベース音を強調した形でかなりテンポ・アップさせて演奏しており、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツのサウンドやロカビリー等とよく似たビート感を有しています(曲によってはスラッピング奏法も使われます)。実際、スキッフル・グループがこれらの演奏スタイルでエレキ・ギターを導入したり、アメリカのR&RやR&Bをレパートリーにする事によって、ロックンロール・バンドへと発展していくことになるんですよね。

バンド・スタイルに関しては、上記のような身近な楽器(場合によっては洗濯桶や茶箱に弦を張った手作りのベース等)を用いる事によって、ビッグ・バンドでなく少人数で誰でも簡単に演奏を楽しむ事が出来るため、スキッフルはとっつきやすかったんです。
そのため、トミー・スティールや彼に続くCliff Richard他の50'sロックンローラーやビートルズをはじめとする60'sビート・グループのほとんどがスキッフル・グループ出身者であるように、当時のイギリスでは後の大スターとなる人物がスキッフル・グループをいち早く結成しています。
'57年3月にジョン・レノンが高校の仲間と結成したスキッフル・グループ、The Quarrymenビートルズの前身)はあまりにも有名ですよね。

この様にイギリス全土に広まったスキッフルですが、全盛期も長くは続かず、自国の本格的なロックンロール・アーティストが次々に出現し始めた'58年半ば頃から一気にシーンも終息し始めます(ロニー・ドネガン自身は'61年頃までヒットを連発)。
しかし、イギリスにおいて、新たにデビューするロックンローラーや'60年代のビート・バンド、さらに'80年代のネオ・ロカビリー・バンドに至るまでロニー・ドネガンの音楽的遺産が受け継がれている事は間違いありません。

■ 今回の無料動画はLonnie Donegan & His Skiffle Groupの'57年のヒット曲「Jack O'Diamonds」です。多分映像は当時の人気音楽ヴァラエティー番組『The 6.5 Special』(もしくは'58年公開のその映画版)出演時のものだと思います。
先にも触れましたが、グループの2代目ギタリストJimmy Currieのギター・ソロもめっちゃイカしてますよね。
彼らが古いフォーク・ブルースだけでなく、本場のロックンロールを志向してカヴァーしていたらとついつい想像してしまいます。それにしてもクール。

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