2008年03月

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Mi-Ke 『甦る60's 涙のバケーション』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回は、和洋を問わずポップ・ミュージックの歴史に残る様々な音楽ジャンルをリヴァイヴァルして、'90年代初頭に人気を博した女性アイドル・グループ、Mi-Keミケ)が'60'sポップスをコンセプトにして'93年に発表した6枚目のアルバム、『甦る60's 涙のバケーション』を紹介したいと思います(プロフィールは後述)。

Mi-Ke 『甦る60's 涙のバケーション』予め言っておくと『甦る60's 涙のバケーション』は現在入手困難の様なんですが、個人的に好きなアルバムなのであえて紹介します。内容は、オリジナルの60'sポップス風ヒット曲「涙のバケーション」を除いて、全て'60年代当時日本でヒットした洋楽ポップスのカヴァーで構成(全16曲)。キュートに弾けた明るいポップスや胸にしみるセンチメンタルなバラード等々、60'sポップスの甘くドリーミーな世界をリード・ヴォーカル宇徳敬子のキュートな歌声で追体験する事が出来ます。

何よりも本作は単なる60'sポップスのコピーに終始することなく、Mi-Ke独自のカラーで彩られている点が最大の魅力と言えるでしょう。
本来Mi-Keは純粋なオールディーズ・リヴァイヴァル・アーティストではないため、各曲が幅広い音楽的バック・グランドに根ざしたカヴァーとなっており、また彼女達が登場した'90年代という時代性を背景に、アナログ時代の音楽(60'sポップス)を当時のビートやサウンドを織り込んだデジタル時代の音楽としてリメイクしているのです。もちろん60'sポップス本来の雰囲気(魅力)を全く損なわせる事なく、それらをさりげなく融合させる形で。

また、カヴァー元となった洋楽のオリジナル曲やアーティストばかりでなく、日本人カヴァー・ポップス歌手や訳詞家にも敬意を払っているかの様に、多くの曲で当時ヒットした日本語カヴァー盤の歌詞も交えて歌われているのは日本人にとって嬉しい限りです。J-POPの原点とも言うべき'60年代のカヴァー・ポップスをたたえたMi-Keの姿勢は、以前紹介した'80年代のオールディーズ・リヴァイヴァル・バンド、ザ・ヴィーナスにも通じるものがあります。

何はともあれ、本盤は全てのポップス・ファンにおすすめです。

※ 参考までに入手しやすいMi-Keのベスト盤を記しておきます
・『complete of Mi-Ke at the BEING studio
・『BEST OF BEST 1000 Mi-Ke


(『甦る60's 涙のバケーション』収録曲目)
※ 多くのショップ等では曲順が誤って紹介されています。正しくは下記の通り。
訂正:本CDには曲順の異なるものが存在するそうです(mizさんのコメント参照)。従って、下記の曲順は私が所有するCDの曲順に依ります。お詫びの上訂正します(2008.4.5)。<(_ _)>

01 ジョニー・エンジェル
Shelley Fabaresのデビュー・ヒットとなった60's Girl Popsの大名曲「Johnny Angel」('62年全米1位)のカヴァー。前半を日本語で後半を英語で歌っているのですが、日本語部分はThe Carpentersのカヴァー・ヴァージョン('73年『Now and Then』)とまではいかないにしてもやや大人っぽく、英語部分はキュートに歌っている様に感じられます。いずれにしても宇徳敬子の歌唱力が光る名カヴァーと言えるでしょう。ちなみに日本語部分は、'62年に日本でヒットした森山加代子の日本語カヴァー盤の歌詞(漣健児の訳詞)で歌われています。なお、この曲は女優Georgia Leeの'60年盤がオリジナル。
※ 関連記事:[テレビが生んだ60'sアイドル、Shelley Fabares] 
02 “コニー・フランシス”メドレー
Oldies Popsの代名詞、Connie Francisの日本における人気曲をメドレー形式でカヴァーしたもので、60's Popsのエッセンスはそのままに、シャープなパーカッションやデジタル・サウンド的なキーボードの音色等'90年代の音を融合させてパワー・アップした名カヴァーとなっています。なお、メドレーの曲順、発売年、全米チャート順位、原題等は次の通り。Vacation('62年9位)~想い出の冬休み('62年18位「I'm Gonna Be Warm This Winter」)~夢のデイト('61年「Someone Else's Boy」)~大人になりたい('61年72位「Too Many Rules」)。「Vacation」(「ヴァケーション」)と「想い出の冬休み」はそれぞれ'62年と'63年に弘田三枝子が歌った日本語カヴァー盤(共に漣健児の訳詞)も大ヒットし、「夢のデイト」(浜口庫之助の訳詞)と「大人になりたい」(漣健児の訳詞)は本国ではB面曲だったものを日本ではA面曲として日本語盤で発表して大ヒットさせた曲。Mi-Keヴァージョンもこれらの訳詞によるものですが、「Vacation」と「大人になりたい」は後半部分が英語で歌われています。
※ 関連記事:[オールディーズ・ポップスの女王!Connie Francis]
03 Be My Baby
オリジナルは'60年代を代表するガール・グループThe Ronettesの'63年全米2位(R&B4位)曲で、日本では同年弘田三枝子の日本語カヴァー盤「私のベイビー」(漣健児の訳詞)でも大ヒットした曲をカヴァーしたもの。Ronnie Spectorと弘田三枝子という迫力に満ちた天才ヴォーカリストに真っ向から挑むのではなく、宇徳敬子が自然体で歌っているのは大正解。前二者のヴァージョンと比べてかなりキュートな歌声でリメイクされています。なお、歌い出しが日本語で、後は全て英語で歌われています。  
04 サヨナラ・ベイビー
Bobby Veeの傑作曲「Take Good Care of My Baby」('61年全米1位)を現代風のビートでカヴァーしたもの。Mi-Keヴァージョンは最初と最後が英語で、その間が日本語で歌われているのですが、面白い事に英語部分(オリジナル盤の歌詞)では恋人が"her"(女性)と歌われているのに日本語部分では"彼"(男性)と歌われているんですよね(どうでもいい事ですが...)。なお日本語詞は、'90年にテレビ・アニメ『ちびまる子ちゃん』のオープニング曲、「ゆめいっぱい」でデビューした歌手関ゆみ子(現 有馬ゆみこ)が瀬木佑未子名義で書いたもの。ちなみに瀬木佑未子は、「白い2白いサンゴ礁」のカップリング曲「お気に入りのワーゲン」(関ゆみ子名義)や「悲しきテディ・ボーイ」のカップリング曲「涙のLonely Story On The Beach」(関有美子名義)、「朝まで踊ろう」のカップリング曲「星空にTEARDROPS」、「Pink Christmas」のカップリング曲「BLUE MOONのように」、「涙のバケーション」のカップリング曲「わたしのヒーロー」等Mi-Keのシングル曲の作詞も手がけています。
※ 関連記事:[ピリッと爽快60's Pop & Roll!Bobby Vee]
05 シェリー
The Four Seasonsの大ヒット曲「Sherry」('62年全米1位)を比較的オリジナルに忠実にカヴァーしたもの。但し、前半の日本語部分は'63年に日本でヒットしたダニー飯田とパラダイスキング(唄:九重佑三子)の日本語カヴァー盤の歌詞(漣健児の訳詞)で歌われています(後半は英語歌詞)。
06 涙のバースデー・パーティー
アイドル歌手Lesley Goreが放った'63年全米1位曲「It's My Party」のカヴァー。同年日本ではスパーク三人娘の内の2人、中尾ミエと園まりが日本語カヴァー(「涙のバースデイ・パーティー」)していましたが、Mi-Keヴァージョンはサウンドだけでなく日本語歌詞(瀬木佑未子の訳詞)も当時のものに比べて今風になっています。歌詞は定型コーラス部分以外日本語で、元気いっぱいに歌う宇徳敬子が好印象。 
07 I Will Follow Him(Chariot)
当時14歳だったLittle Peggy Marchの'63年全米1位曲(原曲はPaul Mauriatが'62年に変名で書いた「Chariot」)を英語でカヴァーしたもの。Mi-Keヴァージョンは爽快なイントロで幕を開けるスマートなカヴァーになっています。そう言えば中尾ミエの「涙のバースデイ・パーティー」のB面がこの曲の日本語カヴァー「ラブ・ユー・ラブ・ユー・ラブ・ユー」で、当時両面ヒットを記録しているんですよね。 
08 ボビーに首ったけ 
日本では'63年に伊東ゆかりと梅木マリが日本語カヴァー盤(みナみかズみの訳詞)でもヒットさせた、Marcie Blaneの'62年全米3位曲「Bobby's Girl」がオリジナル。Mi-Keヴァージョンは前半がみナみかズみの訳詞による日本語、後半が英語で歌われています。
09 メドレー“Navy!Fruity!”
Oldies Popsの中でも一際甘酸っぱいナンバーを集めてメドレー形式で絶品カヴァーしたもの。特にセンチメンタルな歌詞とメロディーを持つ最初の3曲における宇徳敬子の涼しげな歌唱が絶妙。メドレーの曲順、オリジナル歌手、発売年、全米チャート順位、原題等は次の通り。レモンのキッス(Nancy Sinatra:'62年「Like I Do」)~Navy Blue(Diane Renay:'64年6位)~イチゴの片想い(Irving Kaufman:'26年「Tonight You Belong To Me」)~パイナップル・プリンセス(Annette:'60年11位「Pineapple Princess」)。日本では、「レモンのキッス」は同年のザ・ピーナッツ盤(みナみかズみの訳詞)、「Navy Blue」(「ネイビー・ブルー」)は同年のダニー飯田とパラダイスキング(唄:九重佑三子)盤(漣健児の訳詞)、そして「パイナップル・プリンセス」は'61年の田代みどり盤(漣健児の訳詞)による日本語カヴァーもヒットしています。ここでは「Navy Blue」と「パイナップル・プリンセス」のみ一部それらの日本語歌詞で歌われています(他は全て英語)。なお、「Tonight You Belong To Me」は元々ポピュラー・ソングで、Oldies Popsとしては一般にPatience & Prudence盤('56年全米4位)が有名ですが、こと日本では「レモンのキッス」に端を発したフルーツ・シリーズの一つとして'63年に発売されたNancy Sinatra盤('62年)が大ヒットしています。もちろんMi-Keヴァージョンが参考にしているのも日本でのみヒットしたNancy Sinatra盤。ちなみに「レモンのキッス」(日本のみのヒット曲)は、作者のDick Manningがイタリアのオペラ『La Gioconda』(1876年)の中で歌われた「Danza delle ore」のメロディーをヒントに作曲したもので、英国では同年すかさずカヴァーしたMaureen Evansがヒットさせています(全英3位)。
10 ボーイ・ハント
Connie Francisが初主演した'60年の映画『Where the Boys Are』の同名主題歌('61年全米4位)のカヴァー。日本では同年Connie Francisの日本語ヴァージョン(奥山靉の訳詞)も発売されてヒットしており、Mi-Keヴァージョンは歌い出しがその日本語歌詞、後はオリジナルの英語歌詞によって歌われています。またここでは間奏のお洒落なギター・ソロが異彩を放っています。
11 内気なジョニー
オリジナルはJoanie Sommersの代表曲「Johnny Get Angry」('62年全米7位)ですが、この曲の最大の特徴とも言える切迫したピアノの旋律は残した上で、ディスコ調サウンドやハードなギターを盛り込んだかなりエキサイティングなカヴァーとなっています。しかし、曲の魅力が全く損なわれていないのは見事。また、宇徳敬子がJoanie Sommers を意識して子供っぽく歌っているのも微笑ましい限り。なお、Mi-Keヴァージョンは基本的に英語で歌われていますが、最後に登場する日本語歌詞は'62年の森山加代子の日本語カヴァー盤(三田恭次の訳詞)に拠っています。
12 悲しき片想い
ご存知、Helen Shapiroの極上センチメンタル・バラード「You Don't Know」('61年全英1位)をカヴァーしたもの。日本では同年弘田三枝子の日本語カヴァー盤(漣健児の訳詞)も大ヒットを記録しています。例によってMi-Keヴァージョンは前半がその弘田三枝子盤の歌詞で、後半がオリジナル盤の英語歌詞で歌われています。偶然か必然か、この和洋折衷歌詞は竹内まりやのカヴァー・ヴァージョン(2003年『Longtime Favorites』)と全く同じなんですよね。ただ、Mi-Keヴァージョンには日本語部分と英語部分の間にオリジナル盤にもない間奏が挿入されているのと宇徳敬子の感情を抑制した歌唱が趣を異にしていますが。ちなみにその60's Popsのカヴァー・アルバム『Longtime Favorites』では、本盤収録曲の内他にも「ジョニー・エンジェル」(英語)と「ボーイ・ハント」(日本語)が取り上げられています。
※ 関連記事:[英国版Brenda Lee!Helen Shapiro]
13 ロコモーション
オリジナルは'60年代を代表するダンス・ヒットとして有名なLittle Evaの「The Loco-Motion」('62年全米1位)ですが、Mi-KeヴァージョンはKylie Minogue('87年全米3位、全英2位)のカヴァー盤と肩を並べるモダンなダンス・ナンバーに生まれ変わっています(英語)。派手なサウンドに負けない宇徳敬子の熱唱も印象的。
14 悲しき慕情
Neil Sedakaの「Breaking Up is Hard to Do」('62年全米1位)をカヴァーしたものですが、Mi-Keヴァージョンはその60's Popsヴァージョンのカヴァーと言うよりは'75年にNeil Sedaka自身によって再録されたスロー・ヴァージョン(全米8位)を意識した様な作りになっています。しんみりとした雰囲気で歌われている英語の歌詞に違和感なく溶け込んだ瀬木佑未子による粋な日本語詞が秀逸。
※ 関連記事:[オールディーズ・ポップスの王者!Neil Sedaka]
15 One Boy
元々はブロードウェイ・ミュージカル『Bye Bye Birdie』('60年)の中で出演者によって歌われた曲で、日本では同ミュージカルの映画版('63年)が同年公開されたためJoanie Sommersのヒット・ヴァージョン('60年全米54位)が本国に3年遅れで人気を集めました。また、森山加代子も'63年に日本語カヴァー盤(加茂亮二の訳詞)をヒットさせています。バックの演奏がピアノだけのMi-Keヴァージョンは、優美で大人っぽい雰囲気。なお、歌詞はほぼ英語なのですが、ほんの一部で加茂亮二の訳詞による日本語歌詞が使われています。
16 涙のバケーション
本盤のコンセプトを先取りする形で先行発売されたMi-Ke10枚目のシングルで、本盤中唯一のオリジナル曲。と言っても、サウンドもバック・コーラスも完全に60's Pops調の弾けたナンバーで、歌詞には'50~'60年代の曲名がふんだんに散りばめられていたり、その時代の曲の歌詞に影響を受けたフレーズが登場したりする楽しい和製Oldies風Popsになっています。また、この曲はMi-Keがアシスタントを務めた音楽番組、『NHKヒットステージ』('92年4月~'93年3月)のテーマ・ソングに採用されてオリコン19位のヒットを記録し、彼女達が前年に引き続いて出場した'92年末の第43回NHK紅白歌合戦で歌われた曲でもあります。
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The Marvelettes 『The Ultimate Collection』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ '60年代半ばのアメリカの音楽シーンにおいてブリティッシュ・インヴェイジョンをものともせず、同時期に黄金時代を築き、その後も長きに渡ってソウル・ミュージックの発展に多大な貢献をしたレコード・レーベルがデトロイトのMotown RecordsTamla-Motown)でした。今回は、そのモータウン所属のアーティストとしてレーベル初の全米No.1ヒットを放ち、モータウンが全米屈指のヒット曲量産拠点としての地位を確立する礎を築いた重要なガール・グループ、The Marvelettesを紹介します。 

モータウン(タムラ)は黒人によって設立された初のレーベルとして知られていますが、そもそもソングライターとして知人であるJackie Wilsonに曲を提供したり、The Miraclesをデビュー('58年)当初からプロデュースしていた人物、Berry Gordy, Jr.が'59年1月、Tamla Recordsを地元デトロイトに設立したのがその始まりでした。Motown Records自体も'59年12月に設立されていますが、一般にモータウン・レコードといえば、その後作られる多くの系列レーベルをも含めた総称として用いられる事が多く、この場合タムラ/モータウンとか単にモータウン等と呼ばれたりもします。ちなみに、"Tamla"はかなり意外なんですが、Debbie Reynoldsのヒット曲「Tammy」('57年全米1位)にちなんで"Tammy Records"としようとした所、既に同じ名前のレーベルが存在したためTamla Recordsとしたそうで、"Motown"は自動車産業の中心地として名高いデトロイトの愛称"Motor town"を略したもの。
また、モータウンからリリースされた曲はR&Bをより都会的にポップに洗練させたもので、躍動的なドライヴ感に満ちあふれたビートやあらゆる楽器等を駆使した厚みのあるサウンドが特徴的。'60年代前半に確立された他に類を見ないこの独自のサウンドは、その全盛時代にモータウン・サウンド等と呼ばれ一つのジャンルを形成するにまで至っています。

そのモータウン最初のリリースが、"Tamla 101"として発表されたMarv Johnsonの「Come to Me」('59年全米30位、R&B6位)で、最初のR&B1位曲がThe Miraclesの「Shop Around」('60年全米2位)、そして最初の全米ポップ・チャート1位曲が今回の主役であるマーヴェレッツの「Please Mr. Postman」となっています。
マーヴェレッツのプロフィールは後述するとして、まずはCDを紹介しておきます。

CD:[試聴/amazon]
The Ultimate Collection現在マーヴェレッツの入手しやすいCDでは、内容の充実度と収録曲数からみて、やはり『The Ultimate Collection』がイチ押しです。
彼女達の全活動期間からバランスよく25曲が選曲されており、初期のR&B的泥臭さとポップなガール・グループ・サウンドが同居した曲から後期のスマートに洗練されたソウル・ナンバーまで、マーヴェレッツの全ての魅力を堪能できます。また、全米Top100にチャート・インした23曲の内22曲が収録されているのも嬉しい限り。ちなみに本盤に収録されていない唯一のチャート・ヒット曲は、「I'm Gonna Hold On As Long As I Can」('69年全米76位)です。

モータウンの3大ガール・グループと言えば、The SupremesMartha & The Vandellas、そしてマーヴェレッツの3組が挙げられますが、'60年代半ば以降大ヒットを連発したスプリームスやエキサイティングなダンス・ヒットが強烈な印象を与えるマーサ&ザ・ヴァンデラスは華やかなイメージがありますよね。前2組と違って大都会デトロイト出身ではなく、田舎町出身だった事に起因するのかどうか分かりませんが、一般にマーヴェレッツにはどことなく地味なイメージがつきまといます。しかしながらヴォーカル・グループとしての実力は他の2組に勝るとも劣らないし、最初にスターダムにのし上がったのは紛れもなくマーヴェレッツなのです。

特に、黒人音楽がR&Bからソウルへと移行する転換期と重なった初期におけるマーヴェレッツの個性は特筆すべきで、R&Bとソウル、そして当時大きな流れを形成していたガール・グループ・サウンドをモータウン特有の躍動感あふれるポップ感覚でまとめ上げたサウンド、Gladys Hortonのどこか垢抜けなさを感じさせる点がチャーミングな芯の強いヴォーカル等は唯一無二のものと言えるでしょう。後期のマーヴェレッツについては十分な個性を発揮したとは言えませんが、主にWanda Youngをリード・ヴォーカルに据え、より洗練されたモータウン・サウンドをバックにソウル時代に対応したスタイルになっています。この時期は悩殺的に響くWanda Youngのヴォーカルが聴きものでしょうか。

本盤は'60年代のガール・グループ・サウンドやアーリー・ソウル(初期のソウル・ミュージック)、ポップ色の強いソウルが好きな人にぜひおすすめです。

(収録曲目)
01 Please Mr. Postman('61年全米1位、R&B1位)
The Marvelettesにとって最大のヒットとなったデビュー曲で、演奏をMotownのセッション・ミュージシャンThe Funk Brothersが担当(ドラムはMarvin Gaye)した60's Girl Popsの大名曲。R&B色濃厚なMotown初期のポップ感覚とGladys Hortonの力強くも無邪気な歌唱が最大の魅力と言えます。この曲は他に、John LennonのシャウトっぷりがカッコいいThe BeatlesのR&Rカヴァー('63年『ウィズ・ザ・ビートルズ』)やひたすらPopなThe Carpentersのエヴァー・グリーン・カヴァー('74年全米1位)が有名ですが、曲自体が良いだけにいずれのヴァージョンも超一級。また、この曲に強く影響を受けたDee Dee Sharpの「Mashed Potato Time」('62年全米2位)というダンス・ナンバーも生まれており、面白い事に本家のThe Marvelettesが同年の2ndアルバム『The Marvelettes Sing』の中で「Mashed Potato Time」をカヴァーしています。
02 Playboy('62年全米7位、R&B4位)
「Please Mr. Postman」タイプのヒット曲で、厚みのあるバック・コーラスによるコール&レスポンスが特徴的な好曲(3rdシングル)。
03 So Long Baby('61年)
「Please Mr. Postman」のB面で発表されたアーリーSoulの名バラード。と言うか、厳密に言えばDoo WopからSoulへの過渡期的サウンドといった所でしょうか。何と言ってもタイトなコーラスをバックに甲高い声で熱唱するWanda Youngのヴォーカルが印象的。
04 Beechwood 4-5789('62年全米17位、R&B7位)
個人的に最も好きなThe Marvelettesの曲で、Popに弾けるメロディーを引き締めるかの様なGladys Hortonのパワフルな歌いっぷりが素晴らしい60's Girl Popsの大傑作(4thシングル)。The Marvelettesの曲の中でも最もPopなこの曲は、またもやThe Carpentersがカヴァー('81年『Made in America』)しており、'82年にはシングル・カットされて全米74位を記録しています。
05 Someday, Someway('62年R&B8位)
「Beechwood 4-5789」のB面で発表されたミディアム・テンポのSoul風Pops。
06 Strange I Know('62年全米49位、R&B10位)
切なさを漂わせるGladys Hortonの歌唱が聴く者をゾクゾクさせるSoul風Popsの名曲(5thシングル)。バックで哀感を強調する特徴的なギター・フレーズも印象的。
07 Too Strong to Be Strung Along('62年)
「Strange I Know」のB面曲ですが、シリアスな雰囲気のA面とは正反対に明るくPopな曲となっています(「Please Mr. Postman」と同系統)。
08 Twistin' Postman('62年全米34位、R&B13位)
デビュー・ヒット「Please Mr. Postman」にあやかった続編で、さらに当時隆盛を極めたツイスト・ブームをも当て込んだThe Marvelettesの2ndシングル。全体的にノリのいいツイスト・ナンバーですが、特にセンチメンタルな冒頭の語りからダンサブルなメロディーに急変する部分がスリリング。
09 Locking up My Heart('63年全米44位、R&B25位)
Gladys Hortonの伸びやかな歌唱とWanda Youngの高音ヴォイスの対比が絶品のいかにもMotown的な明るいナンバー(6thシングル)。
10 Forever('63年全米78位、R&B24位)
Wanda Youngがリード・ヴォーカルを務めた「Locking up My Heart」のB面曲ながら、究極的にスウィートなアーリーSoulの傑作バラードといった趣。また、レーベル・メイトのMarvin Gayeが、'64年のヒット曲「How Sweet It Is (To Be Loved by You)」(全米6位、R&B3位)のB面でカヴァーしたヴァージョンも極上の出来に仕上がっています。
11 My Daddy Knows Best('63年全米67位)
The Marvelettes7枚目のシングルとして発表されたPopsナンバー。
12 As Long as I Know He's Mine('63年全米47位)
Smokey Robinsonのペンによる60's Girl Popsの隠れた名曲と言える出来で、キャッチーなコーラス・フレーズが楽しいナンバー(8thシングル)。
13 He's a Good Guy (Yes He Is)('64年全米55位)
「As Long as I Know He's Mine」に引き続きSmokey Robinsonの作品を取り上げたThe Marvelettesの9thシングルで、抜群のPop感覚に満ちたチャーミングなダンス・ナンバー。
14 You're My Remedy('64年全米48位)
The Marvelettes10枚目のシングルとして発表されたSmokey Robinson作品第3弾。
15 Too Many Fish in the Sea('64年全米25位、R&B15位)
完全にSoul時代に突入したThe Marvelettesが放ったダンス・ナンバー(11thシングル)。ちなみにこの曲は、Motownの名ソングライター・チームHolland-Dozier-Hollandから提供された「Where Did Our Love Go」を断ってレコーディングした曲だそうです。もちろん「Where Did Our Love Go」はThe Supremesが取り上げて大ヒットさせた彼女達にとっての初の全米1位曲で、それを手始めに'64年から'65年にかけて5曲連続No.1を達成する事になるんですよね。
16 I'll Keep Holding On('65年全米34位、R&B11位)
The Marvelettes12枚目のシングル曲。この時期以降リード・ヴォーカルはほとんどWanda Youngとなり、The MarvelettesのサウンドもThe Supremesっぽくなっていきます。Diana Rossを思わせるWanda Youngの甲高い声が、なおさらThe Supremesを強く連想させるのかもしれませんが...
17 Danger! Heartbreak Dead Ahead('65年全米61位、R&B11位)
The Marvelettes13枚目のシングル曲。
18 Don't Mess With Bill('65年全米7位、R&B3位)
Smokey Robinsonの作品を取り上げてThe Marvelettesが久しぶりに放った大ヒット曲(14thシングル)で、やはりThe Supremes風のセクシー&クールな1曲。
19 You're the One('66年全米48位、R&B20位)
The Marvelettes15枚目のシングル曲(Smokey Robinson作)。
20 My Baby Must Be a Magician('67年全米17位、R&B8位)
Doo Wopを連想させる男声低音ヴォイスで幕を開けるも、曲自体はSmokey Robinsonのペンによるより洗練されたSoulナンバーとなっています(18thシングル)。
21 The Hunter Gets Captured by the Game('67年全米13位、R&B2位)
これまたSmokey Robinsonの作品で、「Don't Mess With Bill」と同系統のセクシーなSoulナンバー(16thシングル)。
22 Destination: Anywhere('68年全米63位、R&B28位)
The Marvelettes20枚目のシングル曲。
23 Here I Am Baby('68年全米44位、R&B14位)
19枚目のシングルとして発表されたSmokey Robinsonの作品で、この時期のMotown特有のグルーヴを感じさせる少しファンキーな曲(19thシングル)。
24 When You're Young and in Love('67年全米23位、R&B9位)
Ruby & The Romanticsの隠れた名曲('64年全米48位)をオリジナルに忠実にカヴァーしたもの(17thシングル)。
25 That's How Heartaches Are Made('69年全米97位)
Baby Washingtonがパワフルに歌った'63年の曲(全米40位、R&B10位)をWanda Youngがテンポを少し落としてマイルドに歌ったカヴァー(22ndシングル)。オリジナルとはまた違ったWanda Youngのしっとりとした歌唱がいい味を出していますが、この曲がThe Marvelettesにとって最後のヒット曲となります。
[Motown初のNo.1ガール・グループ、The Marvelettes]の続きを読む


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