2007年10月

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Darrel Higham 『The Cochran Connection Vol.2』 ♪本文末に関連動画有

■ さて、先月イギリスが生んだギター・ヒーロー、Darrel HighamによるEddie Cochranへの傑作トリビュート・アルバム、『The Cochran Connection』('98年)を紹介したので、今回はその続編となる『The Cochran Connection Vol.2』(2004年)を紹介します(こちらも傑作)。

CD:[試聴] [amazon]
The Cochran Connection, Vol. 2前作が主にEddie Cochran関連の初期の作品のカヴァー集だったのに対して、本作は主に中期から後期のエディ・コクラン名義による録音作品のカヴァー集となっています。
一般的にエディ・コクランと言えば、初期の曲よりも中期以降の「Summertime Blues」や「C'mon Everybody」、「Somethin' Else」等のパワフルなロックンロール・ヒットで圧倒的な知名度を得ていると思われるので、今回の『The Cochran Connection Vol.2』の方が幅広いロックンロール・ファンの耳に馴染み易いかもしれません。

前作同様、聴き所はやはり現代のロカビリー(ロックンロール)・ギターの達人による、今は亡き天才ギタリストの曲の見事なリメイクぶりでしょう。また、Darrel Highamエディ・コクランそっくりな声による歌唱も決して聴き逃すことは出来ません。
全てのロックンロール・ファンにおすすめです。

本作の主要な参加ミュージシャンは以下の通りです。
Darrel Higham(ヴォーカル、ギター&ベース)
Les Curtis(ドラム)
James Compton(ピアノ)
Al Nicholls(サックス)
The Jets(バック・コーラス)

Les Curtisは現The Enforcersのドラマーで、Al Nichollsは一時The Big Town Playboysに在籍していたサックス・プレーヤー。前回の記事で言い忘れていましたが、バック・コーラスを担当しているThe Jetsとは、イギリスの有名な兄弟ネオ・ロカビリー・バンドのThe Jetsのことです(詳しくは[ネオ・ロカビリー界の重鎮、The Jets]を参照して下さい)。
なお、ダレル・ハイアムや前作に引き続いて参加したミュージシャンについての詳細は、前回の記事[Eddie Cochranの再来!? Darrel Higham]を参照して下さい。

そう言えば余談ですが、本作のレコーディング開始前にダレル・ハイアムの愛用ギター(グレッチ6120)が盗難に遭ったそうで、本作でのギターは全曲(グレッチ)ホワイト・ファルコンで弾いているとの事です。

(収録曲目)
※ ()内はエディ・コクラン盤の発売年又は録音年及びチャート
① Summertime Blues('58年全米8位)
Eddie Cochran最大のヒット曲を忠実に再現した好カヴァー。
② Don't Bye, Bye Baby Me('59年録音)
オリジナルにないサックスも導入したかなりパワフルな絶品カヴァー(必聴!)。
③ Jam Sand-Witch('59年録音)
④ Somethin' Else('59年全米58位)
多くのアーティストにカヴァーされているパンキッシュなR&Rナンバーで、Eddie Cochranの代表曲の1つ。
⑤ Never('57年録音)
英国でのみ'62年にシングル発売された曲。Darrel HighamのヴォーカルからThe Jetsのバック・コーラスまでオリジナルにそっくりのカヴァー。ちなみに、Darrel Highamは本作の中でこのカヴァーが特にお気に入りだとか。
⑥ My Way('59年録音)
英国でのみ'63年にシングル発売されて全英23位を記録したEddie Cochranの隠れた名曲。
⑦ Nervous Breakdown('58年録音)
Eddie Cochranの死後、アルバム『Never To Be Forgotten』('62年)で初めて日の目を見た曲。但し、ここではその一般的に知られているヴァージョンではなく、サックスの入ったデモ・ヴァージョン(CD『Guitar Picker』収録)を参考にカヴァーしています。
⑧ Cannonball Rag('53or'54年録音)
このインスト曲は正規のスタジオ録音ではなく、Chuck Foremanと2人だけのホーム・セッション時に録音された曲(CD『Rockin' It Country Style』収録)をカヴァーしたもの。ここではDarrel Highamが、Eddie Cochranに負けじと存分に名ギタリストぶりを発揮しています。なおこの曲のオリジナルは、ギャロッピング・ギターの創始者Merle Travis('49年録音)。
⑨ Rock 'N' Roll Blues('59年録音)
「My Way」のB面だった曲の知られざる魅力を顕在化させた絶品カヴァー(必聴!)。オリジナルにない間奏のギャロッピング混じりのギター・ソロも◎。
⑩ C'mon Everybody('58年全米35位)
「Summertime Blues」同様、オリジナルを忠実に再現した好カヴァー。
⑪ Milk Cow Blues('59年録音)
Eddie Cochranヴァージョンを聴いている様な錯覚に陥るほど歌もギターも激似の傑作カヴァー(必聴!)。オリジナルはKokomo Arnoldの'34年盤。
⑫ Teenage Heaven('59年全米99位)
同年のR&R映画『Go, Johnny, Go!』の中で歌われたポップな曲に挑戦した名カヴァー。
⑬ Pretty Girl('58年)
⑭ Three Steps To Heaven('60年全米108位)
Eddie Cochran生前の最後のシングルで、英国では彼の死後(5月)に発表されて見事1位に輝いた決して忘れる事の出来ない曲。
⑮ Hallelujah, I Love Her So('59年)
オリジナルはRay Charlesの'56年のヒット曲(R&B5位)ですが、もちろんここではEddie Cochran盤をカヴァーしています。
⑯ I Remember('59年)
「Teenage Heaven」のB面だった傑作バラードを洒落たギター・ソロを交えてカヴァーしたもの。ちなみにこの曲は、当初前記映画『Go, Johnny, Go!』に使用予定で、歌唱シーンも撮影されたにもかかわらず、どういう訳か最終段階でカットされてしまったいわくつきの曲なんですよね。
⑰ Pocketful Of Hearts('58年)
「Jeannie, Jeannie, Jeannie」('58年全米94位)のB面曲で、個人的に昔から大好きなEddie Cochranのポップなナンバー。オリジナルにない間奏のギター・ソロは、もしEddie Cochranが間奏にギター・ソロを入れていたらこんな風になったんじゃないかと思えるくらい見事。
⑱ Eddie's Blues('59年録音)
Eddie Cochranのブルージーな傑作インストを完璧に再現した超絶カヴァー(必聴!)。
⑲ Weekend('61年)
'59年に録音されるもEddie Cochranの死後シングル・リリースされた、Bo Diddley風の“ジャングル・ビート”による好曲。なお、ここでバック・コーラスを担当しているのは、Darrel Highamの妻で歌手でもあるImelda Clabby(2年程前からImelda Mayのステージ・ネームに改名)。
⑳ What'd I Say('60年録音)
Eddie Cochranはこの曲を正規にスタジオ録音していませんが、伝説の英国ツアー時に出演したBBCラジオ『Saturday Club』での音源が残されています。オリジナルはご存知、Ray Charlesが'59年に全米6位(R&B1位)を記録した大ヒット曲。
[Eddie Cochranの再来!? Darrel Higham ②]の続きを読む
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Levi DexterとMAGICの豪華共演ロカビリー大会! ♪本文末に関連動画有

■ 前回のブラック・キャッツつながりという訳ではありませんが、今回は11月23日に国内レーベル、Starcross Recordsからネオ・ロカビリーの名盤『Levi Dexter & MAGIC』が再発されるとの事なので早速紹介したいと思います。
このCDは長らく再発されなかった様なので、未入手のネオ・ロカビリー・ファンには嬉しい知らせではないでしょうか。

Levi Dexter&MAGICアルバム『Levi Dexter & MAGIC』はそのタイトル通り、ネオ・ロカビリー・ブーム以前からLevi & The Rockatsのヴォーカルとして活躍したロカビリー・アイドル、Levi Dexterと'90年代に日本のネオ・ロカビリー・バンドの頂点に君臨していたMAGICという日英2大スターによる超豪華な共演盤です('93年盤)。
内容は、マジックのオリジナル曲「Rock'A Beat」1曲を除いて'50年代のロカビリーやロックンロール、それにLevi & The Rockats時代の曲のカヴァーで構成された、まさに一大ロカビリー大会の様相を呈する全12曲(スタジオ録音)。

リーヴァイ・デクスターの往時と変わらぬロカビリー・ヴォイスの素晴らしさもさることながら、特筆すべきはそのサウンドで、'50年代の曲にしても'70年代の曲にしても決して単なるコピーでなく、全曲オリジナルの魅力を必要最小限残した上で、マジック流の'90年代的ネオ・ロカビリー・サウンド(ロッカビート)でパワフルに再現しています。そこが本盤をネオ・ロカビリーの名盤たらしめている所以で、正真正銘オリジナルなネオ・ロカビリー・サウンドがぎっしり詰まっています。

そもそもリーヴァイ・デクスターマジックのこの豪華なコラボレーションが実現した経緯は、ドラムの久米さんがブラック・キャッツに在籍していた時代からリーヴァイ・デクスターと面識があったため、リーヴァイ・デクスターの初来日コンサート('92年)へ駆けつけた事が発端となっています。リーヴァイ・デクスターにプレゼントしたマジックのCDも気に入ってもらったらしく、互いに意気投合して機会があればぜひ共演しようという事になったとのこと。
※ ブラック・キャッツリーヴァイ・デクスターの関係については、前回の記事[日本初のNeo Rockabillyバンド,ブラック・キャッツ]を参照して下さい。

リーヴァイ・デクスターマジックのプロフィールについては、またそれぞれの単独盤を紹介する時に紹介しようと思いますが、マジックはそのデビュー('90年)から解散('99年)までに何度もメンバー・チェンジがあったので、とりあえず『Levi Dexter & MAGIC』に参加したメンバーだけ記しておきます。

リーヴァイ・デクスター(ヴォーカル)
マジック
上澤津孝(ヴォーカル&アコースティック・ギター)
山口憲一(リード・ギター)
谷田部憲昭(ウッド・ベース)
久米浩司(ドラム)
なお、マジックのメンバーは全員バッキング・ヴォーカルも担当し、リーヴァイ・デクスターは「Rock-A-Beatin' Boogie」のみバッキング・ヴォーカルを担当しています。

'88年のストレイ・キャッツ再結成を契機に、第2次ネオ・ロカビリー・ブームを迎えた'90年代初めの日本で、ネオ・ロカビリー界のオピニオン・リーダーとして幅広い活躍をみせたマジック。当時わが国で頂点を極めたそのサウンドは伊達じゃなく、今聴いても全く色あせる事のないオリジナル・ロカビリーとしての輝きを放っています。本作において御大リーヴァイ・デクスターと五分で渡り合ったと言う事実が示す通り、その実力も超一級。
そんな日本のネオ・ロカビリー・バンドとネオ・ロカビリー界の伝説的ヴォーカリストが繰り広げた大ロカビリー大会を聴き逃す手はありません。邦楽系のファンだけでなく、洋楽嗜好のネオ・ロカビリー・ファンにも大推薦の名盤です。

(収録曲目)
01 Other Side of Midnight
Rockabilly大会の幕開けは名曲Neo Rockabillyの絶品カヴァーで、この1曲だけで勝負あったと言えます。この曲は'79年7月14日にLevi & The Rockatsが出演した『Louisiana Hayride』でも披露され、Levi Dexter & The Ripchordsとしてもシングル発売('81年)された曲なんですが、本家に勝るとも劣らないここでのカヴァーはオリジナリティ溢れるギターがとにかくカッコいいです。ちなみにLevi Dexterの活動歴を集大成したDVD『All Through the Night』には、この曲と「Lonesome Train」、「Sixteen Chicks」、「Slow Down」でMAGICと共演している映像が収録されています。
02 Dance to the Bop
MAGICもデビュー当初レパートリーとしていたGene Vincentの'57年全米23位曲のカヴァー。
03 Go Go Go
オリジナルはRoy OrbisonのSun時代のデビュー・ヒット「Ooby Dooby」('56年全米59位)のB面曲。カヴァーされる事の少ないこの隠れた名曲は、Levi DexterもMAGICも初挑戦らしいんですが正直ブッ飛びます。低めの声で歌い出して徐々に熱気を帯びていくLevi Dexterの歌唱、間奏でのエキサイティングなRockabillyギター、曲中響き渡るスラッピング・ベースとどれをとってもパワフルで、もはや完全なNeo Rockabilly。
04 Rip It Up
この曲はLittle Richardの'56年全米17位曲がオリジナル。MAGICはElvis Presley盤('56年『Elvis』)に近いスタイルでカヴァーしたと語っていますが、さらに独自性を加えたヴァージョンに仕上げる所は流石。
05 Lonesome Train(On A Lonesome Track)
Johnny Burnette Trio('56年『The Rock'n'Roll Trio』)のカヴァーで、重厚なビート感を有する極上Neo Rockabillyヴァージョン。オリジナル盤の良さを崩さない程度にオリジナリティを発揮しており、数あるこの曲のカヴァーの中でもベストに入る出来と言えるでしょう。
06 Sixteen Chicks
Levi Dexterの提案で今回取り上げたという、'56年発表のJoe Clay盤傑作Rockabilly(オリジナルは同年のLink Davis盤)のカヴァー。Levi Dexterのヴォーカルと独自のギター・ソロが最高にイカしてます。
07 All I Can Do Is Cry
この曲はLevi DexterがMAGICにピッタリの曲だと提案してきたそうで、オリジナルは前曲「Sixteen Chicks」をLink Davisと共作したWayne Walkerの'56年盤。マイナー調の哀愁漂う傑作Rockabillyをほぼ原曲に忠実にカヴァーしています。ちなみにWayne Walkerは、Jimmy & JohnnyのJimmy FauthereeとJimmy Lee & Wayne Walkerを結成して「Love Me」('55年)も発表していますが、歌手としてよりもRockabillyやC&Wの作者として活躍した人物。他人に提供した曲(共作含む)はJimmy & Johnnyの「Sweet Love on My Mind」('56年)、Eddie Cochranの「Cut Across Shorty」('60年)、Brenda Leeの「Rock the Bop」('57年)等々枚挙に暇がありません。意外な所でAndy Williamsの「Are You Sincere」('58年全米3位)なんてのもあります。
08 Slow Down
本盤収録曲の中で最も原曲と雰囲気を異にするユニークなカヴァーで、オリジナルはJohn Lennonのアイドルの1人として知られるLarry Williamsの「Dizzy Miss Lizzy」('58年全米69位)B面曲。ちなみにThe Beatlesは、この「Slow Down」('64年EP『Long Tall Sally』)と「Dizzy Miss Lizzy」('65年『Help !』)、それに'58年の「Bad Boy」('65年米盤『Beatles VI』)の3曲をカヴァーしています。さらに、「Bad Boy」のB面曲「She Said Yeah」はThe Rolling Stonesがカヴァーしたことで有名('65年『Out of Our Heads』)。
09 Baby, Let's Play House
言わずと知れたElvis Presleyの傑作Rockabilly('55年C&W5位)のカヴァー。
10 Blue Days-Black Nights
Levi Dexterの提案で取り上げたという、Buddy Hollyのデビュー曲('56年)をほぼオリジナル通りにカヴァーしたもの。
11 Rock-A-Beatin' Boogie
Bill Haley & His Cometsの'55年全米23位曲を洒落たスウィング感覚でカヴァーしたもの。なお、この曲と次の「Rock'A Beat」のみMAGICの上澤津孝がリード・ヴォーカルを担当しています。ちなみにこのBill Haley作のR&Rナンバーを最初にレコード化したのは、The Cometsの初代リード・ギタリストだったDanny CedroneのバンドThe Esquire Boys('53年)で、R&BグループのThe Treniersも同年カヴァーしています。
12 Rock'A Beat
'90年の同名デビュー・アルバム『Rock'A Beat』にも収録されていた曲ですが、ここでは今回('93年)再録したパワー・アップ・ヴァージョンを披露しています。
[Neo Rockabilly名盤『Levi Dexter & MAGIC』再発!]の続きを読む


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BLACK CATS 『Rock'A Billy So What!』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回は私自身も中学時代に洗礼を受けて一発でそのサウンドとヴィジュアルの虜になった日本初のネオ・ロカビリー・バンド、ブラック・キャッツブラック・キャッツを紹介したいと思います。
ブラック・キャッツは現在でも、ロスの“チャイナ・クラブ”のライヴで彼らに魅了されたGo Go'sのマネージャーが、Go Go'sの全米ツアーのサポーティング・アクトにブラック・キャッツを抜擢したとか、The Clashのメンバー達が“ガレッヂ・パラダイス東京”にやって来て、5年分の会費を払ってブラック・キャッツのファン・クラブに入会したとか、あるいは映画『Urban Cowboy』('80年)のプロデューサーから次回作の出演依頼を受けたとか、はたまたAtlantic Records等レコード会社数社からオファーを受けていた等々、数多くの伝説と共に日本ネオ・ロカビリー界のカリスマとして根強い人気を誇っているとびきりクールなバンドです。

中学生の頃の私は、最初Elvis Presleyのサン・ロカビリーやストレイ・キャッツ等を聴いてもそれほどピンとこなかった(もちろん後にその素晴らしさを認識します)んですが、どういう訳かブラック・キャッツに関しては友達の家で初めて聴いて以来好きになって愛聴し続けたんですよね。やはり日本人なのでどことなく日本人気質を感じさせるブラック・キャッツのサウンドが耳に合っていたんでしょうか。

ブラック・キャッツにまつわる個人的な思い出話をすると取り止めがないので、とりあえずCDを紹介しておきます(ブラック・キャッツのプロフィール等も後述)。

CD:[試聴/Tower Records] [amazon]
〈COLEZO!〉「ROCK’A BILLY SO WHAT!」BLACK CATS BESTできればブラック・キャッツはオリジナル・アルバムに耳を通して欲しいんですが、現在そのオリジナル・アルバムのCDがあまり入手し易いと言えない様なのでブラック・キャッツ入門盤としての意味も込めて、そしてまずは初期の6人編成ロカビリー・バンド時代からという事で、今回はブラック・キャッツの初期のベスト盤『Rock'A Billy So What!』を紹介します(各オリジナル・アルバムに関してはまた別の機会に紹介します)。
内容はブラック・キャッツの1stアルバムから3rdアルバムまでの収録曲から選曲された全15曲。それと、歌詞カードには全ページ6人編成時代のブラック・キャッツの写真が掲載されています。オールディーズ・ポップスの香りを感じさせる甘酸っぱい曲やスラッピング・ベースも心地いい絶品ロカビリー、誠ちゃん高田誠一)の甘い歌声が輝きを放つ傑作ロッカバラード等、初期ブラック・キャッツの全ての魅力を一通り味わうことが出来ます。

この6人編成時代のブラック・キャッツのサウンドを時系列で大まかに見てみると、デビュー当初(1stアルバム『Cream Soda Presents』)はビートこそ強烈でしたがオールディーズ系ロックンロール・バンドのクールスに近い感じでロカビリーとは少し違うものでした。ただ、メンバー全員が50'sショップ“クリーム・ソーダ”の店員だった事もあり、ファッションに関しては上から下まで一分の隙もなく完全なロカビリー・スタイルです。次に2ndアルバム(『Vivienne』)の頃になると曲によってはロカビリー風のものも見られる様になりますが、全体的には50'sロックンロールといった趣。加えて、50'sロックンロールのカヴァーやそれらを基に作ったオリジナル曲が多く収録されているからか、1stアルバムに比べてオールディーズ・ポップス色は薄れています。そして日々の練習の積み重ねやアメリカ・ツアーの経験等が実を結んだ3rdアルバム(『Heat Wave』)。スラッピング・ベースが聴かれる点も大きいかもしれませんが、スピード感、ビート感等どれをとってもこれは完全にネオ・ロカビリー・アルバムと言えるでしょう。他のネオ・ロカビリー・バンドの曲に影響を受けた曲もありますが、全曲オリジナルの日本語ナンバーから成る日本初の和製ネオ・ロカビリー・アルバムです。あと、このアルバムは全体的にほど良くポップな香りを漂わせている点(オールディーズ・ポップスの意味ではありません)が、欧米のネオ・ロカビリー・バンドにない特徴(魅力)だと思います。

オールディーズ・ポップス風にしても、ロカビリーあるいはロックンロールにしても、ブラック・キャッツの曲はそれぞれに素晴らしい魅力を持っているので全ての音楽ファンに超おすすめです。
また本作は、日本のネオ・ロカビリー・サウンド誕生の経緯を手軽に知ることが出来る格好の音源集なので、日本のネオ・ロカビリー史に興味がある人にもおすすめです。
日本のネオ・ロカビリーを語る時には、ベスト盤にしてもオリジナル・アルバムにしても決してブラック・キャッツの音源を避けて通ることはできませんから。
 
(収録曲目)
01 ジニー・ジニー・ジニー('81年『Cream Soda Presents』)
Eddie Cochranの'58年全米94位曲をカヴァーしたBLACK CATSの記念すべきデビュー曲(祝!)。オリジナル盤等にない出だしのウッド・ベースが印象的で、演奏力、歌唱力は未熟ながらも強烈なビート感、凄まじく勢いのある誠ちゃんのヴォーカルがたまらない好カヴァー。なお、本作のヴァージョンはイントロ部分で一言“やっちまえ、やっちまえ、やるだけやっちまえ”と言う少々アリガタ迷惑な囁き声が追加挿入されています。
02 シンガポール・ナイト(同上)
1stアルバムと同時発売されたBLACK CATSの2ndシングル。60's Pops風味の甘酸っぱいメロディー(誠ちゃんの歌唱も甘め)ですが、BLACK CATS特有のビート感が見事に曲を引き締めていて魅力的なナンバーに仕上げています。当時私の周りでは、BLACK CATSの曲の中で女の子に人気の高い曲でした。
03 もう一度だけランデブー('82年『Heat Wave』)
米国ツアーをやってのけたBLACK CATSが、さらに大きく成長した証ともいえる3rdアルバムで1曲目を飾っていたのがこの曲でした。出だしのスラッピング・ベースから一気に疾走していくスピード感が最高で、どこをとっても完全なNeo Rockabillyナンバーです。
04 From Black to Pink(同上)
個人的に間奏のチャーミングなギターが気に入っている曲で、オットー(覚田修)が迫力満点の歌唱を聴かせるRockabillyナンバー(出だしのスラッピング・ベースもカッコいい)。
05 I・愛・哀 -waiting for you-(同上)
この曲はシングル盤としても発売された正真正銘の和製Neo Rockabillyナンバー第1号(但し本盤収録は上記アルバム・ヴァージョン)。この曲あたりから誠ちゃんも自然体?の歌い方になっており、スラッピング・ベースも使われるし、曲調自体も完璧にNeo Rockabillyになります。先に触れた米国体験に加えて、陣内淳(ウッド・ベース)に代わって加入した中村元の存在も大きかったのかもしれません。米国ツアー前に録音・発売された前作「うわさのラブモンスター」('82年)は、両面とも曲自体がR&R調だったためかスラッピング・ベースではありませんでしたが、この曲では中村元が威勢良くスラッピング・ベースを披露しています。その他の楽器パートもデビュー時に比べてかなり腕を上げており、英米のNeo Rockabillyナンバーに引けを取らない位クールな仕上がり。
06 サマータイム・ブルース('81年『Cream Soda Presents』)
Eddie Cochran最大のヒットとなった'58年全米8位曲のカヴァーで、誠ちゃんの英語はハチャメチャだけど「ジニー・ジニー・ジニー」と同じ様な肌触りを感じさせる好曲。余談ですがBLACK CATSの写真集『BLACK CATS IN U.S.A.』('83年)によると、この曲は'82年2月に行なわれた米“China Club”での初ライヴのアンコール曲で、途中踊っている観客が配線に足を引っ掛けて電源が切れるというハプニングがあった時に、観客を交えての大合唱となって難を切り抜けたというBLACK CATSにとって決して忘れる事の出来ない曲の様です。
07 Tutti Frutti('82年『Vivienne』)
オリジナルはLittle Richardの'55年全米17位曲ですが、ここではElvis Presleyヴァージョン('56年)を参考にした様な疾走感あふれる好カヴァーになっています(ヴォーカルはオットー)。
08 雨のコニーアイランド('82年『Heat Wave』)
誠ちゃんの切ない熱唱が心にしみるセンチメンタルな傑作ロッカバラード。
09 Go-Go-トラベリングバス(同上)
その結成から米国ツアーまでBLACK CATSの軌跡をオット-流のユーモラスな歌詞で歌ってみせた楽しくもカッコいいRockabillyナンバー(作曲もオット-)。
10 Rock A Billy Boogie('82年『Vivienne』)
先の“China Club”では1曲目に披露して米国人を速攻で興奮の坩堝に叩き落したという曲で、Johnny Burnette Trioが放ったRockabillyの定番曲('56年「Rock Billy Boogie」)のカヴァー。
11 Dear Vivienne(同上)
2ndアルバム全体に言える事ですが、特にこの曲は仏国のTeds系バンド、AlligatorsのヴォーカリストAlain Chennevièreの影響(大げさなヒーカップ唱法の連発等)が誠ちゃんの歌い方に強く表れた曲になっています。なおこのトロピカルな雰囲気を漂わせた曲は、Buddy Hollyがギターで参加してプロデュースまで行なったLou Giordanoの「Stay Close to Me」('59年)にインスパイアされたBLACK CATSの自作曲。
12 Magic Island(同上)
そのAlligatorsの「Blue Letter」('80年『Rockabillygator』)を元ネタとする、これまたトロピカル風味の名作Rockabillyがこの曲。特にこの曲はDVD『'83 COMEBACK Special』に収録されたスラッピング・ベースによるライヴ演奏が大絶品なので、まだ視聴していない人にはそちらも強くお薦めします。そう言えば写真集『BLACK CATS IN U.S.A.』の中で、誠ちゃんがBLACK CATSを表して“スーパー・ライブ・ロカビリー・バンド”って言ってましたっけ。
13 Dance to the Bop(同上)
レコード盤ではB面にひっくり返すと最初に鳴りだした曲でGene Vincentの'57年全米23位曲がオリジナルなんですが、とにかくノリが最高の絶品カヴァー。
14 1950('81年『Cream Soda Presents』)
2ndシングル「シンガポール・ナイト」のB面にもなっていたややPopなR&Rで、誠ちゃんとオットーのツイン・ヴォーカルで聴かせるロマンティックな歌詞が魅力の曲。
15 Rendez Vous(ランデブー)('82年『Vivienne』)
英国の奇才Joe MeekプロデュースによるMike Berry & The Outlawsの傑作曲、「Tribute To Buddy Holly」('61年全英24位)の日本語カヴァー。と言ってもBLACK CATS盤は颯爽と歌われたオリジナルとは違ってロマンティックなバラードの趣です(日本語歌詞もBuddy Hollyとは無関係)。なお、この曲は元々'81年にシングル発売された曲なんですが、本盤に収録されているのは上記アルバム・ヴァージョンです(間奏の語りが誠ちゃんではなくVivienneの方)。

※ 下記のショップではブラック・キャッツのオリジナル・アルバムが一応“取り寄せ商品”になっていて試聴ができるので、参考までにジャケット画像と一緒に紹介しておきます。

 『Cream Soda Presents』      『Vivienne』         『Heat Wave』
 [試聴/Tower Records]   [試聴/Tower Records]   [試聴/Tower Records]
    [試聴/新星堂]         [試聴/新星堂]        [試聴/新星堂]
ブラック・キャッツ 『Cream Soda Presents』ブラック・キャッツ 『Vivienne』ブラック・キャッツ 『Heat Wave』
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