2007年06月

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Skiffle meets Neo Rockabilly!(前回の補足) ♪本文末に関連動画有

■ 今回は、前回述べたように、Lonnie Doneganが'50年代に演じたスキッフルは、'80年代のネオ・ロカビリー・バンドにも影響を及ぼしているという事実を再確認できる映像を紹介します。
映像と言うのは、今なおネオ・ロカビリー・ファンの間で根強い人気がある英スコットランド出身のバンド、The Shakin' Pyramidsがテレビでロニー・ドネガンと共演した時のものですが、映像の前にまずはシェイキン・ピラミッズについて触れておきましょう。

The Shakin’ Pyramids'70年代末に結成されたシェイキン・ピラミッズは、Davie Duncan(ヴォーカル、ハープ、パーカッション)、James G Creighton(アコースティック&エレキ・ギター)、‘Railroad’ Ken(アコースティック・ギター)からなる3人組で、レコーディングでは助っ人としてDave Phillipsが脱退後のThe Blue Catsに加入したMitch Caws等がウッド(スラップ)・ベースを弾いていたようです。

Johnny Burnette TrioRonnie SelfGene Vincent等の50'sロッカーに影響を受けたという彼らは、英ヴァージンから'81年にEP『Take A Trip』でデビューすると、間髪入れずに同年1stアルバム『Skin 'Em Up』(邦題『ロックン・ロール・クレイジー』)を発表してネオ・ロカビリー界の人気バンドの仲間入りを果たします。
この頃外国でのライヴ・ツアーや数多くのテレビ出演を行なったという話ですが観たかったですよね、シェイキン・ピラミッズ

その後、ロニー・ドネガンとの共演盤を含む数枚のEP盤やシングル盤を出した後、'82年には待望の2ndアルバム『Celts And Cobras』(邦題『ケルト・アンド・コブラ』)を発表。ところが、ネオ・ロカビリー・ブームも隆盛を極めて、彼らのこれからの活躍がますます楽しみになってきた矢先の'83年、カナダ・ツアーの真っ最中に突然解散してしまいます。彼らの突然の解散を残念に思ったファンもさぞ多かった事でしょう。
しかしながら、非常に短い活動期間の中で彼らが残した作品は'80年代のネオ・ロカビリー曲の中でも常に高く評価されており、その歴史上名を残すに十分な活躍をしたと言えるのではないでしょうか。

彼らのスタジオ録音盤CDは現在入手困難の様なので詳しくは触れませんが、ロカビリー・ファンの方は中古屋さんその他で、既発の2枚のオリジナル・アルバムとシングル盤やEP盤の音源が収録された2枚のCD、『The Complete Recording Sessions』(ドネガンとの共演収録)か『The Collection』を見つけたら迷わず購入する事をおすすめします。お世辞抜きで名作です。
必要最小限のシンプルな楽器編成によるスピード感&ビート感が抜群でアコースティカルな印象の1stアルバムは、オリジナルの「Take A Trip」、「Let's Go」、「Wild Little Willie」(必聴!)やWebb Pierceの'56年のC&WTOP10ヒット「Teenage Boogie」とJoe Clayの'56年の曲「Sixteen Chicks」(オリジナルは同年のLink Davis盤)等の名カヴァーが聴き所でしょうか。
そういえば渋いカヴァーとして、白人版Little Richardとも言えそうなフランティック・シャウトで'58年に全米63位のヒットとなった、「Bop-A-Lena」で有名な、Ronnie Selfのデビュー曲「Pretty Bad Blues」('56年)なんてのもカヴァーしてました。

2ndアルバムは前作とは趣向を変えて一転ニュー・ウェイヴの影響がうかがえるモダンでポップな作品となっています。ネオ・ロカ系のバンドってシェイキン・ピラミッズみたいにニュー・ウェイヴの要素を取り入れて、ガラリとバンド・カラーを変えることしばしばなんですよね。
テッズ系のThe WhirlwindThe Rockats、そして日本のブラック・キャッツとか。やはり会社の意向があるんでしょうか?
で、2ndアルバムですが、聴き所としてはRCA時代のロカッツにも通ずる「Pharaoh's Chant」、ポップでチャーミングな「Plainsailin'」やGene Pitneyの'64年の全米7位のヒット曲「It Hurts To Be In Love」(必聴!)とThe Everly Brothersの'58年録音の当時未発表曲「You Can Bet」等の名カヴァーと言った所でしょう。

※ Gene Pitneyについては、BYRDさんのブログ「BYRD'S SELECT MUSIC」で詳しく紹介されていますので、興味のある方はそちらを参考にして下さい。

なお、上記CDに収録されているその他のオリジナル・アルバム未収録曲もカッコいい曲ばかりです(1stアルバム風)。

そうそう、そういえばその2ndアルバムですが、「It Hurts To Be In Love」のレコーディングでイギリスの歌手Kirsty McCollがバック・コーラスとして参加してるんですよね。彼女は純粋なオールディーズ系じゃないので知らない人もいるかもしれませんが、'80年代初めにオールディーズのリヴァイヴァル・アルバムを発表してチャート上でも活躍したイギリスのコメディエンヌ、Tracey Ullmanの方は分かるでしょうか?'83年に「Breakaway」(全英4位、全米70位)や「They Don't Know」(全英2位、全米8位)等をヒットさせて歌手としても活躍した人なんですけど。

そのトレイシー・ウルマンがオールディーズ・ナンバーに混じって好んで取り上げていたのがカースティ・マッコールの作品なんです。先の「They Don't Know」('79年)やトレイシー・ウルマンの2ndアルバム『You Caught Me Out』('84年)に収録されたタイトル・ソングで、日本でのみ'85年にシングル発売された「You Caught Me Out」('79年)、同アルバム収録曲でトレイシー・ウルマンにとってラスト・シングル('84年)となった「Terry」('83年)といった風に。
トレイシー・ウルマンがアメリカでも大ヒットとさせた「They Don't Know」(当時日本の2人組アイドルBaBeもカヴァーしてました)は、自身のヴァージョンでは全くヒットさせる事ができませんでしたが、後にトレイシー・ウルマンがチャート・インさせることが出来なかった「Terry」のみ全英81位のプチ・ヒットとなり一矢報いる?形になっています。
私「Terry」ってかなり好きなんですが、大ヒットしなかった理由が全く分かりません(Why?)。

余談ついでにお話しすると先述の「Breakaway」は、'50年代から既にR&Rのレコードを出していた有名なシンガー・ソングライター、Jackie De ShannonSharon SheeleyEddie Cochranのフィアンセ)の共作曲(ジャッキー自身も録音)で、ニュー・オーリンズの歌姫と呼ばれたソウル・シンガー、Irma Thomasの'64年のヒット曲「Wish Someone Would Care」(全米17位)のB面曲がオリジナルなんですが、トレイシー・ウルマンが参考にしたのはさすがに今ひとつポップになりきれていないオリジナルではなくて、英リヴァプール出身の女性歌手Beryl Marsdenの'65年の傑作カヴァー・ヴァージョンでした。興味のある方は聴き比べてみて下さい、そっくりですから。
[Lonnie Donegan meets The Shakin' Pyramids!]の続きを読む
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♪本文末に記事に関連した動画有
Lonnie Donegan 『Skiffle King: 50th Anniversary Edition』

■ 前回の記事で'54年に発売されたChris Barber's Jazz Bandの1stアルバム、『New Orleans Joys』がイギリスのロックンロール史上重要だという話をしましたが、実はそのアルバムには後の'56年にイギリス中で巻き起こったスキッフル・ブームの発端となる曲が収録されていたんです。その曲とは「Rock Island Line」と言うスキッフル・ナンバーで、歌っているのは当時バンドのバンジョー奏者だったLonnie Donegan
ちなみに、ロニー・ドネガンが歌ったスキッフルはもう1曲'55年のシングル発売時に「Rock Island Line」のB面となる「John Hardy」も収録されており、この2曲に関してはアルバム上においてもThe Lonnie Donegan Skiffle Groupとクレジットされていました。

このロニー・ドネガンは自らロックンロールやロカビリーを志向したわけではなく、また若い女性から黄色い声援を送られるタイプのアーティストでもないのでロックンロール・スターとは言えないのですが、彼がその後のイギリスのロックンロールやロカビリー・アーティストに与えた影響という点では前回紹介したTommy Steele以上と言えるでしょう。と言うかトミー・スティール自身もスキッフル・ブームの洗礼を受けてThe Cavemenを結成しているので当たり前の事ですが...
また、彼はアメリカのアーティストが圧倒的に優位な当時の状況下でロックンロール誕生後の'56年からThe Beatlesが登場する以前に、唯一全米チャートのTOP10に2曲チャート・インさせたイギリスのアーティストでもあります。
スキッフルの詳細については後で述べるとして、とりあえずおすすめのCDを紹介します。

CD:[試聴] [amazon]
Skiffle King: 50th Anniversary Edition最近は彼のCDもかなり充実した品揃えになっていて何枚かいいCDが出てるんですが、その中でも内容とコスト・パーフォーマンス的にベストなのが『Skiffle King: 50th Anniversary Edition』でしょう。3枚組全54曲入りで値段が1枚物を下回る安さ!彼に関しては曲を凝縮すれば本来1枚物で十分なんですが、1枚物より安くて曲がいっぱい聴けると言う事で今回本作を選びました。もちろん曲が多いだけじゃなく重要な曲を網羅している事は言うまでもありません。
内容は、彼の'55年のデビュー・シングルとなった前記「Rock Island Line」を含む'50年代から'60年代初頭までのシングル・ヒットや重要曲がほとんど収録された究極の1枚となっています。音的には、エルヴィス・プレスリーがサン時代に古いブルースを取り上げて新たな息吹を吹き込んで生まれ変わらせたように、ロニー・ドネガンも黒人フォーク・シンガーLeadbelly等がレパートリーとしていた古いフォーク・ブルースを新しいビートでリヴァイヴァルしていて当時としては実に革新的。また、時折見せるCarl Perkinsにも通ずるような狂気を帯びた彼のシャウトぶりも聴き所となっています。
スキッフルなんて聴いた事がなくても、フォーク・ブルースやC&W、ロカビリーといった音楽が好きな人は必ずツボにはまること間違いなしでしょう。

では、主な収録曲を見ていきましょう。まずはDisc1から。
いきなり1曲目から大傑作の登場です。彼にとって初の全英1位となった'57年の「Cumberland Gap」(トラディショナル)は、気でも触れたかの様なロニー・ドネガンのハイ・テンションなヴォーカルにスラッピング・ベースも全開で、とりわけLonnie Donegan & His Skiffle Groupの初代ギタリスト、Denny Wrightのワイルドなエレキ・ギター・ソロは出色の出来となっています。イギリス初の50'sパンク(サイコビリー?)とも言えそうな狂乱の1曲(必聴!)。
3曲目の「Don't You Rock Me Daddy-O」は、当時彼のライヴァルだったThe Vipers Skiffle Group(コーヒー・バー時代はトミー・スティールのライヴァル)のリード・シンガー、Wally Whytonが古いフォークを下敷きに作った曲を取り上げたもので、'56年に全英4位となったアップ・テンポの名曲(間奏のギターも奮闘)。
なお、ヴァイパーズのオリジナルは全英10位とロニー・ドネガンには及ばなかったもののかなりの傑作です。個人的にはワイルドなヴォーカルがカッコいいヴァイパーズ盤に軍配を上げたいところ(スラッピング・ベースも◎)。

9曲目の「Betty, Betty, Betty」(トラディショナル)は、Disc2の15曲目に収録された'58年の全英11位曲「Sally Don't You Grieve」(Woody Guthrieの作品)のB面曲で、ブルージーなギターがユニークなほとんどロックンロールと言えそうな作品。
'60年に全英5位を記録した11曲目の「I Wanna Go Home」(トラディショナル)は、後の'66年にThe Beach Boysが「Sloop John B.」のタイトルでカヴァーして全米3位のヒットにしたことで有名な曲。ロニー・ドネガンは、トリニダッド島出身のフォーク・シンガー、Blind Blakeのカリプソ・ヴァージョンを参考にカヴァーしたらしく、どこかもの悲しげな雰囲気の中にもトロピカルな香りが漂っていてとても印象深い曲になっています。
'59年に全英14位を記録した13曲目の「Fort Worth Jail」(トラディショナル)もこれまた大傑作。スピーディーなこの曲での3代目ギタリストLes Bennettsのホット&クールなギターがとにかくカッコいい。Gene Vincent & His Blue Capsの初代ギタリスト、Cliff Gallupを連想させる様な間奏は絶品!

Disc2の10曲目収録の'56年全英7位曲「Bring A Little Water, Sylvie」(トラディショナル)のB面だった15曲目の「Dead Or Alive」(ウディ・ガスリーの作品)は、終盤のヒート・アップ感がエルヴィスの'54年のサン録音「I'll Never Let You Go」(オリジナルは'43年のJimmy Wakely盤)を連想させる様なロカビリーっぽいミディアム・テンポ曲。なお、このシングルからクリス・バーバーと決別して独立しており、ロニー・ドネガンの活躍もますます目覚しくなります。
18曲目の「Puttin' On The Style」(トラディショナル)はDisc2の1曲目に収録された「Gamblin' Man」(ウディ・ガスリーの作品)とのカップリングで'57年に全英1位の両面ヒットを記録した彼らの代表曲の一つ。どちらも彼のお得意なノベルティ・タッチの楽しい曲ですが、後者はDenny Wrightに代わって加入した2代目ギタリスト、Jimmy Currieの縦横無尽なワイルド・ギターが光る好曲。

Disc2の3曲目の「Lost John」はDeccaからPyeに移籍後の1stシングルで、ロニー・ドネガンの熱唱とスラッピング・ベースも心地いい'56年全英2位のミディアム・テンポ曲(トラディショナル)。
古いフォーク・ソングをカヴァーして'58年に見事全米1位に輝いたThe Kingston Trio盤で有名な6曲目の「Tom Dooley」('58年全英3位)は、かなりテンポ・アップさせており、小粋なギター・ソロもナイスなノリノリ・ヴァージョン。
13曲目の「Jack O'Diamonds」は、'57年に全英14位のヒットを記録した傑作で、スラッピング・ベースもバッチリ決まっており、Jimmy Currieのフランティック・ギターも最高の1曲。

Disc3のラストを飾るのは、先に触れたように'54年のアルバム、『New Orleans Joys』で初めて発表されてから1年後の'55年11月にシングル発売された彼の記念すべきデビュー曲「Rock Island Line」(全英・全米8位)。元々はトラディショナル・ソングなんですが'37年にLeadbellyが録音したのが最初のレコードです。スローなテンポの語り調で始まったロニー・ドネガンのヴォーカルが徐々に熱気を帯びてくるのに合わせて、レッドベリー盤を遥かに凌ぐほどテンポ・アップしたサウンドとベースを強調したビート感は見事で、Bill Haley & His Cometsのサウンドやロカビリーにも通じるものあり。
まだエレキ・ギターは導入されてないんですが、エルヴィス・プレスリーの最初のサン・セッションから僅か8日後の'54年7月13日に録音されており、メンバーもロニー・ドネガン(ギター&ヴォーカル)、クリス・バーバー(ベース)とBeryl Bryden(ウォッシュボード)のトリオ演奏という所も何かロカビリーとの縁を感じさせるんですよね(強引?)。

その他'59年にC&Wシンガー、Johnny Hortonが放った全米1位(C&W1位)の大ヒットで有名な「The Battle Of New Orleans」('36年Jimmy Driftwood作)のカヴァー('59年全英2位)、'24年のミュージカル『Little Miss Puck』で使われた曲が元ネタの「Does Your Chewing Gum Lose It's Flavor (On The Bedpost Overnight)?」('59年全英3位、'61年全米5位)や'60年に全英1位を記録した「My Old Man's A Dustman」(トラディショナル)のコミカルなノヴェルティ曲、フォーク・グループのThe Highwaymenが'61年に全米1位のヒットとした「Michael(Row The Boat)」(元は黒人霊歌)のカヴァー('61年全英1位)、'56年の1stアルバム『Showcase』収録曲の「Wabash Cannonball」(トラディショナル)等が聴き所でしょう。

本作は、イギリスにおけるロックやロカビリーの原点とも言われているアーティスト、ロニー・ドネガンの名演がぎっしり詰まった初期の全曲集としての体裁をとっており、ビートルズあるいは英国ネオ・ロカビリーを語る前にぜひ耳にして欲しいアルバムです。
ロニー・ドネガンの音源に触れる事でスキッフルと'60年代のブリティッシュ・ビート・バンド、さらに'80年代のネオ・ロカビリーとの相関関係が紐解けるのではないでしょうか。


※ CDSkiffle King: 50th Anniversary Edition』の詳細・購入はこちらでどうぞ。

※ iTunes Storeロニー・ドネガンの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ。1曲から購入できます。iTunes (無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
[英国ロカビリーのルーツ、Lonnie Donegan]の続きを読む


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イギリス初の国産ロックンロール・スター ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回はイギリスのロックンロールのルーツを紹介しようと思います。以前触れたようにエルヴィス・プレスリーが登場してからはロックンロールは単なる音楽ではなく、ライフ・スタイルや価値観といった精神的なものをも含んだものと捉えられるので、イギリスにおいてその意味でのロックンロールをいち早く体現した人物こそが第1人者と言えるでしょう。
アメリカのロックンロールをとりあえず従来の音楽スタイルでコピーしていた当時のシーンにおいて、自身のバンドをバックに従えエレキ・ギターを抱えて颯爽と登場し、ロックンロール的な派手なパフォーマンスとヴォーカルで若者(多くは女性)達を熱狂させた、Tommy Steeleこそがイギリス初の国産ロックンロール・スターと言えるのではないでしょうか。もちろん音楽的にも従来のアーティストとは比べ物にならない位本場アメリカ産に近づいてますし、曲によっては全く引けをとらないものもあります。

The Rock’N’Roll Yearsそのイギリスにおける最初期のロックンロールの名演名唱がたっぷり詰まったCDが、今回紹介する『The Rock'N'Roll Years』。あまり入手しやすいとは言えないのですが、本作が彼のCDの中で群を抜いておすすめなのであえて紹介します(欲を言わなければ入手しやすく値段も安い『Rock With The Caveman』がセカンド・ベスト)。
内容は'56年のデビュー曲「Rock With The Caveman」を含む初期のシングル曲に、ライヴ音源、アルバム収録曲等'61年まで(2曲以外'59年まで)のロックンロール作品のみを集めた全24曲決定盤。
本作はご立派な事に数曲のカヴァーを除いてオリジナル曲が大半を占めるんですが、どちらかと言えばヴィジュアル的にエルヴィス寄りの彼のオリジナル曲は、Bill Haley & His CometsFreddie Bell & The Bellboysあたりを連想させるR&B要素の強いロックンロール・サウンドになっています。トミー・スティールもスキッフルやC&Wのバンド出身者なのに、この点日本初のロックンロール・スター、小坂一也なんかと異なってて興味深いですよね。やはり、イギリスでは日本以上にビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツが熱狂的に迎え入れられた事実が関係するんでしょうか。

収録曲目
1.Rock With The Caveman/ 2.Come On, Let's Go/ 3.Butterfly/ 4. Give, Give, Give/ 5.Elevator Rock/ 6.Rebel Rock/ 7.You Gotta Go/ 8.Build Up/ 9.Put A Ring On Her Finger/ 10.You Were Mine/ 11.Swaller Tail Coat(ライヴ)/ 12.Singing The Blues(ライヴ)/ 13.Singing The Blues/ 14.Doomsday Rock/ 15.Knee Deep In The Blues/ 16.Two Eyes/ 17.Take Me Back Baby/ 18. The Writing On The Wall/ 19.Hey You/ 20.Teenage Party/ 21. Plant A Kiss/ 22.Rock Around The Town/ 23.Drunken Guitar/ 24.Tallahassee Lassie

では、主な収録曲を見てみましょう。
1曲目の「Rock With The Caveman」は、'56年9月にTommy Steele & The Cavemen名義で発表された記念すべき自作のデビュー曲(全英13位)。まだ完全にビル・ヘイリー・サウンドになり切れていない感は否めないものの、コメッツRudy Pompilliを意識したサックスに、トミー・スティールのヒーカップも交えたシャウトぶりが心地いい国産第1号のロックンロール・ソング。最初のレコーディングでは彼のバンドだったThe Cavemenではなく、ジャズ系のスタジオ・ミュージシャンが採用された事がビル・ヘイリー・サウンドになり切れていない原因だったのかもしれません(その後すぐに新バンドThe Steelemenを結成)。
2曲目の「Come On, Let's Go」は、映画『ラ・バンバ』('87年)でその短い生涯が鮮烈に描かれた才能あふれるティーンエイジ・ロックンローラー、Ritchie Valensのデビュー・ヒット('58年全米42位)をカヴァーしたもので、後に“イギリスのPhil Spector”と呼ばれるJoe Meekのプロデュースで見事に同年全英10位のヒットを記録しています。
3曲目の「Butterfly」は、当時わが国でも人気があったCharlie Gracieのポップなロックンロール・ヒット('57年全米1位)を忠実にカヴァーしたもので、'57年に英Deccaから発売されたオムニバス・アルバム、『The Lord Tavener's All Star Hit Parade No.2』に収録されていた曲。

4曲目の「Give, Give, Give」は、'59年に全英16位を記録した24曲目収録の「Tallahassee Lassie」(オリジナルはFreddy Cannonの'59年全米6位曲)のB面曲ながら彼の中でも出色のロックンロール・ナンバー。サックスを使わず、最初期に模倣していたビル・ヘイリー・サウンドのビート感のみ受け継いだ完全なオリジナルで、間奏のワイルドなギターとトミー・スティールの快唱も光っています(必聴!)。
なお、A面曲のフレディ・キャノンのノリノリ・ロックンロールなオリジナル盤もイギリスでヒットしたんですが、全英17位とトミー・スティール盤にあと一歩及びませんでした。
6曲目の「Rebel Rock」もカッコいい自作のロックンロール。彼にとって初の全英No.1('57年)となった3rdシングルで13曲目収録の「Singing The Blues」(オリジナルはMarty Robbinsの'56年全米17位、C&W1位曲)のこれまたB面曲なんですが、早くも3作目にしてビル・ヘイリー・サウンドを彼らなりに上手く再現しているのには感心します。
フレディ・ベル&ベルボーイズの「Giddy Up A Ding Dong」('56年)にビル・ヘイリー・サウンドを足したような8曲目のオリジナル曲「Build Up」も派手なギターがカッコいい好曲。なお、この曲は'57年に彼が初主演した映画、『The Tommy Steele Story』のサントラ盤でもある同名の2ndアルバムに収録されていました。
10曲目の「You Were Mine」は、ニューヨークの4人組インスト&ヴォーカル・グループ、The Firefliesが'59年に放った甘く切ない名バラード曲(全米21位)を同年カヴァーしたもので、オリジナルの雰囲気をほぼ忠実に再現したにもかかわらず、健闘むなしくノン・チャートとなった曲。

4曲目の「Give, Give, Give」と並んで本CDのハイライトと言えそうなのが20曲目の自作曲「Teenage Party」('57年)。全英15位を記録した「Knee Deep In The Blues」(オリジナルはMarty Robbinsの'56年C&W3位曲)のB面曲だったんですが、イギリスの人気ネオ・ロカビリー・バンド、The Blue Catsが'80年のデビュー・アルバム『The Blue Cats』で名カヴァーを披露してるので、ロカビリー・ファンには有名な曲かもしれません。
話はそれますが、イギリスのネオ・ロカ・バンドって自国のロックンロール・スターをリスペクトする気持ちが強いのか、多くのバンドが自国のロックンロール・クラシックをカヴァーしてますよね。わが国では音源が少ない事もあるのでしょうがそういった例はまれです(ちょっと寂しい)。
話を戻して「Teenage Party」ですが、全体的にノリノリの曲で部分的にスラッピング・ベースも聴こえてくるし、何よりも自信に満ち溢れて活き活きと歌うトミー・スティールがゴキゲンな、まさに“ブリティッシュ・ロックンロールここにあり”といった感じの曲です。
時系列で見ると、ビル・ヘイリー・サウンドに悪戦苦闘しているやや稚拙なデビュー曲に始まって、3枚目の「Rebel Rock」でオリジナリティも織り交ぜつつビル・ヘイリー・サウンドにかなり近づいて、続く4枚目の「Teenage Party」ではビル・ヘイリー・サウンドを完全に消化したTommy Steele & The Steelemen流ロックンロールを確立したという感じでしょうか(ここまでデビューから半年程度!)。

その他、ビル・ヘイリー・サウンド調の「Elevator Rock」、「You Gotta Go」、「Doomsday Rock」、「Take Me Back Baby」等も聴きものと言えるでしょう。

イギリス初の国産ロックンロール・スター、トミー・スティールの初期音源で構成された本作は、The Beatles登場以前の'50年代のイギリスにも、既にカッコいいロックンロールが存在した事を認識させてくれる目からうろこの名盤です。
ブリティッシュ・ロックンロールのルーツに興味のある人や、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ等のジャイヴっぽいロックンロールが好きな人にはぜひおすすめです。


※ CDThe Rock'N'Roll Years』の詳細・購入はこちらでどうぞ。

※ iTunes Storeトミー・スティールの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ。1曲から購入できます。iTunes (無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
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