British Pops

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John Leyton 『Remembering:The Anthology』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回は'60年代初めにイギリスで活躍したポップス・スター、John Leytonを紹介します。
ジョン・レイトンと言えば「Johnny Remember Me」(邦題「霧の中のジョニー」)のヒットで、本国のみならず日本でも当時人気を集めていましたし、また、映画ファンには『The Great Escape』(邦題『大脱走』)他に出演した映画俳優として知られているかもしれません。

元々俳優を目指していたジョン・レイトン('39年2月17日生)は、アクターズ・スクール在籍中からエキストラとして多くのテレビ等に出演していましたが、卒業後の'60年にテレビ番組『Biggles』にレギュラー出演して瞬く間に10代の女の子達からアイドル的な人気を得ています。ファン・クラブも発足され、毎日山の様に届くファン・レターを目の当たりにした彼のマネージャー(Robert Stigwood)は、このアイドル的人気をポップス歌手としても活かそうと考え、ジョン・レイトンにPye Recordsのオーディションをセッティングします。
幸か不幸か、そこで不合格となったジョン・レイトンが次にオーディションを受けたのが、その後独自のサウンドで一時代を築くイギリス初の独立プロデューサーJoe Meekだったのです。ジョン・レイトン特有のメランコリックな歌声に魅力を感じたジョー・ミークはすぐさま彼をデビューさせます。が、期待に反して当初彼のレコードは泣かず飛ばずでした。そこで機転を利かせたのがまたもやマネージャーのRobert Stigwood
彼は『Biggles』終了後の'61年に出演依頼を受けたテレビ番組、『Harpers West 1』の中でジョン・レイトンに新曲「Johnny Remember Me」(3rdシングル)を歌わせるよう番組制作者に申し入れます。劇中Johnny Saint Cyrなるポップス・シンガーの役でその曲を歌うやいなや即座に人気に火が付き、何と2週間もしないうちにNo.1を記録!その後もジョー・ミークのプロデュースのもと'60年代前半に数多くのヒットを放つとともに、ビート・ブーム期以降は映画俳優として数々の映画で活躍することとなります。

CD:[試聴] [amazon]
Remembering:AnthologyCDの紹介ですが、ジョン・レイトンだったら何と言っても彼のコンプリート集『Remembering:The Anthology』しかありません。内容は'60年代の全シングル両面と全オリジナル・アルバム(2枚)、そして貴重な未発表曲等が収録された驚異の2枚組全60曲決定盤!
内容もさることながら、曲順もそのままでオリジナル・アルバムが丸々収録されて1枚もの並みの値段とはさらに驚きです。
楽曲としては、爽快なポップスや哀愁漂うドラマティックなロッカバラード、果てはマージー・ビート風の曲まで、ジョン・レイトンのメランコリック・ヴォイスによる名演がぎっしり詰まっています。
また、ジョン・レイトン自身の歌声ももちろん素晴らしいのですが、彼の曲をこれほど魅力的なものにしたのは、やはり“イギリスのPhil Spector”とも称される天才プロデューサー、ジョー・ミークの手腕によるところが大きかったと言えるでしょう。本盤でも十分堪能できる“ジョー・ミーク・サウンド”とは、深いエコーやディストーション、オーバーダブ等を駆使した独自のユニークなサウンドのことで、他では味わえない斬新な魅力が満ち溢れています。

イギリスにおける60'sポップスの代表的スター、“ジョー・ミーク・サウンド”での連発ヒット、実際日本でも人気を誇った日本人好みの哀愁漂うメロディーと、どれをとっても全オールディーズ・ファン必聴でしょう。本作はかなりおすすめです。

(収録曲目)
Disc1
01 Three Cute Chicks(未発表)
デビュー前('60年)に録音された曲で、Brian Hylandの「Itsy Bitsy Teenie Weenie Yellow Polka Dot Bikini」('60年全米1位)を連想させるラテン風味のPops。
02 Tell Laura I Love Her('60年)
“トラジディ・ソング”の代表曲で、Ray Petersonの同年全米7位曲をカヴァーしたJohn Leytonのデビュー曲。なおこの名曲は、同年Ricky Valanceがカヴァー・ヒット(全英1位)させています。
03 Goodbye to Teenage Love('60年)
深いエコーがかかった典型的なJoe Meekサウンドによる60'sPops。
04 The Girl on the Floor Above('60年)
05 Terry Brown's in Love With Mary Dee('60年)
06 Johnny Remember Me('61年全英1位)
John Leytonにとって最初のそして最大のヒットとなったGeoff Goddard作の名作“トラジディ・ソング”(必聴!)。まさに霧に包まれた様な深いエコーの彼方から、コーラスと共に颯爽と始まるこの曲もまた典型的なJoe Meekサウンドで、'62年1月に克美しげるがデビュー・シングル(「霧の中のジョニー」)としてカヴァー・ヒットさせたことからオリジナル盤も日本で大ヒットしました。また、現在俳優としても活躍している鹿内タカシも同年カヴァー盤を発表しています。本国ではHelen Shapiroの傑作「You Don't Know」から1位の座を奪い取った曲なんですが、まあこの曲なら分からなくもありません。
07 There Must Be('61年)
08 Wild Wind('61年全英2位)
これまたGeoff Goddardの作品で、疾走感あふれるカッコいいナンバー(必聴!)。
09 You Took My Love for Granted('61年)
Joe Meekのペン(Robert Duke名義)による良質な60'sPops。
10 Voodoo Woman('61年『Two Sides of John Leyton』)
この「Johnny Remember Me」タイプのクールな曲も、上記1stアルバム収録のGeoff Goddard作品。
11 Can't You Hear the Beat of a Broken Heart(同上)
12 Fabulous(同上)
Charlie Gracieのヒット曲('57年全米16位)をカヴァーしたもの。ここでは女声コーラスが入っているものの、Elvis Presleyの「Don't Be Cruel」('56年全米1位)っぽく歌っていてカッコよく仕上っています。エコー感も最高!
13 Thunder and Lightning(同上)
14 Oh Lover(同上)
これまたGeoff Goddardのペンによる「Johnny Remember Me」タイプのカッコいい曲。
15 I Don't Care If the Sun Don't Shine(同上)
Elvis PresleyのSun RockabillyをJoe Meek流の解釈でビートを強調してカヴァーしたもの(必聴!)。元々はポピュラー・シンガーPatti Pageが全米8位を記録した'50年盤がオリジナルで、作者のMack DavidはBurt Bacharachとのコンビで数々の名曲を書いたHal Davidの兄。
16 (I Love You) For Sentimental Reasons(同上)
'45年に誕生して以来数多くの歌手に歌われた名作バラードのカヴァー。
17 That's a Woman(同上)
18 Walk With Me My Angel(同上)
個人的に気に入っているダイナミックで聴き応えのある名作バラード。
19 That's How to Make Love(同上)
20 The Magic of True Love(同上)
21 It's Goodbye Then(同上)
22 Son This Is She('61年全英15位)
John Leytonの煽情的なヴォーカルと女声バック・コーラスが印象的なミディアム・テンポ曲。
23 Six White Horses('61年)
24 Lone Rider('62年全英40位)
25 Heart of Stone('62年)
26 Who Wants Johnny ?(未発表)
お蔵入りにするのはもったいないGeoff Goddard作のポップな好曲。
27 I'm Thankful(未発表)
28 Now and Always(未発表)
29 A Girl to Love(未発表)
30 Radio Luxembourg(インタヴュー)

Disc2
01 Lonely City('62年全英14位)
Geoff Goddard作のダイナミックで哀愁漂う傑作ロッカバラード(必聴!)。日本で大ヒットしたこの曲もまた、克美しげるが同年カヴァー盤(「霧の中のロンリー・シティ」)を出してヒットさせています。なお、佐々木功も同年「悲しみの町」のタイトルでカヴァーしていますが全くヒットしませんでした。どうやら克美しげるが一番John Leytonとの相性が良さそうです。
02 It Would Be Easy('62年)
03 Down the River Nile('62年全英42位)
04 Think I'm Falling in Love('62年)
05 Lonely Johnny('62年)
Geoff Goddardのペンによる「Johnny Remember Me」タイプの颯爽としたメロディーの好曲(必聴!)。'63年3月に内田裕也がこの曲のカヴァー盤(「ひとりぼっちのジョニー」)でデビューしますが、皮肉にもそのB面だった「ヤング・ワン」(オリジナルはCliff Richardの'62年全英1位曲「The Young Ones」)の方がヒットしています。そして同年またしても佐々木功がこの曲でJohn Leytonのカヴァーに挑んでいますが、ヒットには至りませんでした。
06 Keep on Loving You('62年)
どこかで聴いた様な親しみを感じるメロディーの良質なPops(「Lonely Johnny」のB面)。
07 Cupboard Love('63年全英22位)
溌剌とした典型的な60'sPops。なお作者のLes Vandykeは、英国のポップ・スターAdam Faithに多くの曲を提供していたソングライターで、⑨「I'll Cut Your Tail Off」の作者としてクレジットされているJohnny Worthと同一人物。
08 Land of Love('63年)
「Cupboard Love」のB面ながら、かなり出来のいい隠れた名作と言えそうな60'sPops(必聴!)。
09 I'll Cut Your Tail Off('63年全英36位)
10 The Great Escape('63年)
「I'll Cut Your Tail Off」のB面として発表された曲で、自らも出演した'63年の映画『大脱走』のテーマ曲をカヴァーしたもの。日本でのJohn Leyton人気に大ヒットした映画の影響を反映させたのでしょうか?当時わが国ではこちら(「大脱走マーチ」)をA面にしてレコードを発売し、見事ヒットさせています。
11 I'm Gonna Let My Hair Down('63年『Always Yours』)
この曲のオリジナルはThe Vernons Girlsの'63年全英44位曲「Do The Bird」(オリジナルはDee Dee Sharpの同年全米10位曲)のB面曲なんですが、ここではオリジナルのガール・グループ・サウンドに対して、Sam Cookeの大ヒット曲「Chain Gang」('60年全米・R&B2位)風の“ウッ、アッ”という掛け声も入った極上Popsになっています(必聴!)。シングル・カットしてもおかしくないくらいのクールな傑作曲。
12 On Lovers Hill(同上)
13 Sweet and Tender Romance(同上)
The Ivy Leagueの前身、Carter-Lewis & The Southerners(ギターはJimmy Page)の同年発表曲がオリジナル。
14 Johnny My Johnny(同上)
Joe Meek作のよく出来たロッカバラード。
15 That's the Way It Is(同上)
16 Too Many Late Nights(同上)
甘酸っぱい60'sPopsの隠れた名作(必聴!)。
17 Lovers Lane(同上)
Doo Wop風コーラスが入った名作Pops(必聴!)。
18 Funny Man(同上)
前曲同様Doo Wop風コーラスが入ったPopsで、Ray Stevensが同年全米81位を記録した曲とは同名異曲。
19 Another Man(同上)
20 Buona Sera(同上)
Louis Primaがアルバム『The Wildest !』('57年)で発表した曲をカヴァーしたもの。
21 A Man Is Not Supposed to Cry(同上)
22 How Will It End ?(同上)
日本だけで'62年に「Lost Love」(邦題「なみだの日記」)を大ヒットさせたBarry Darvellによる'59年全米110位のバブリング・アンダー・ヒットのカヴァー。低めの声でちょっと気取って歌っていて、オリジナルに引けをとらない魅力的な曲になっています(必聴!)。ちなみに「Lost Love」ですが、例によってわが国でも同年スリー・ファンキーズのヒット盤や伊東ゆかり盤、清原タケシ盤等が出されています。
23 Beautiful Dreamer('63年)
これはユニークなカヴァーです。曲は19世紀に作られた(Stephen Foster作)あの有名な曲ですが、ここでは何と、当時全英を席巻していたMersey Beat風のサウンドでカヴァーしています。おまけに、The Beatlesの「Please Please Me」(同年全英2位)から借用した様な“Come on, Come on”と言うバック・コーラス入り。
24 I Guess You Are Always on My Mind('63年)
25 Make Love to Me('64年全英49位)
The Le Roysをバックにさらにビート・ブームの影響が強く表れたカッコいいR&Rで、John Leytonのシャウトも結構様になっています。彼にとって最後のチャート・ヒットとなったこの曲は、Jo Staffordの'54年全米1位のポピュラー・ソングがオリジナル。
26 Missing You('64年)
これまた完全にMersey BeatしてるカッコいいR&Rナンバー。
27 I Want a Love I Can See('64年)
まだ無名だったThe Temptationsの'63年の曲を取り上げたマニアックなカヴァー。
28 Don't Let Her Go Away('64年)
29 All I Want Is You('64年)
John Leytonが主演した'65年の映画『Every Day's a Holiday』の中でも歌われた曲。
30 Every Day's a Holiday('64年)
同上。
[Joe Meekサウンドのポップ・スター、John Leyton]の続きを読む
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Helen Shapiro 『A's, B's & EP's』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 今回は'60年代初期にイギリスで活躍したポップス・シンガー、Helen Shapiroを紹介します。、ヘレン・シャピロといえば以前触れたように、弘田三枝子等が日本語のカヴァー・レコードをヒットさせているので、わが国でもお馴染みの女性歌手でしょう。
彼女が登場する以前のイギリスの音楽シーンでは男性歌手が圧倒的に優位で、ヒット・チャートに顔を出す女性歌手はごく僅かだったのが現状でした(しかもそのほとんどがアメリカン・ヒットのカヴァー)。そのような中で'60年代に入って最初に成功を収めた女性歌手が、イギリス版Brenda Leeとして売り出されたヘレン・シャピロだったのです。しかも初期のヒット曲のほぼすべてがオリジナル曲だったので、当時のイギリスではかなりセンセーショナルだったのではないでしょうか。
彼女がイギリスにおける女性ポップス・シンガーの先鞭をつけた後、続々と若い女性歌手が登場し、さらにはビート・ブーム期にまたがって活躍するSandie ShawCilla Black等の実力派シンガーの台頭を促すことになるのです。

CD:[試聴] [amazon]
ダウンロード:[試聴/iTunes Store]
A's, B's & EP'sさて、まずはCDを紹介しておきましょう。彼女のCDも色々と趣向を凝らしたものが出ていますが、彼女の場合は一部を除いてオリジナル曲の方がカヴァー曲に比べて圧倒的に出来がいいのと、ヒット・チャート的に'63年頃までが彼女が活躍した時期であることを考慮すると『A's, B's & EP's』がベストと言えるでしょう。
内容は、タイトルが示す通り'60年代にチャート・インしたすべてのシングルA面と主要なB面曲及びEP盤収録曲で構成されており、期間としては'61年のデビュー曲から'64年の最後のチャート・イン曲「Fever」までの音源です。
イギリスにおける'60年代初期のガール・ポップスを聴くなら、何はなくともまずはヘレン・シャピロは避けて通れないでしょう。学校で“Foghorn”(太くて濁った声)というあだ名をつけられた彼女の、とても10代の少女とは思えない低くて雰囲気のある独特の声が、アメリカン・ポップスとは一線を画す独自の魅力的なブリティッシュ・ポップスを作り出していて何ともたまりません。すべての音楽ファンにぜひ聴いて欲しい名盤です。

それでは主な収録曲を見てみましょう。
まずは'61年に14歳でのデビュー曲となったポップでノリのいい「Don't Treat Me Like A Child」(全英3位)。普通のティーン・アイドルが歌ったら陽気なだけのポップ・ソングになりそうなんですが、彼女の声が曲に力強さを与えていて、何というかちょっぴりロックンロール的な肌触りが感じられます。そのB面曲だった4曲目収録の「When I'm With You」は、曲調的にConnie Francisあたりが歌っていそうな曲ですが、やはりヘレン・シャピロの“Foghorn”ヴォイスがギュッと引き締めています。そして2曲目は彼女にとって初の全英No.1となった、2ndシングルの極上センチメンタル・バラード「You Don't Know」('61年)。60'sポップスの中でも珠玉のバラードに数えられるんじゃないでしょうか(必聴!)。
上記の3曲は、以前触れたようにわが国のポップス・クイーン、弘田三枝子がそれぞれ「子供ぢゃないの」と「あなたのお側にいるときは」、「悲しき片想い」のタイトルで名カヴァーを披露しています(こっちも必聴!)。ヘレン・シャピロにしても弘田三枝子にしてもそのティーン・ポップ・アイドルらしからぬ太くて低めの声が、「You Don't Know」等の胸をかきむしられる様な切ないバラードの魅力を最大限に引き出していると言えますよね。並の女性アイドルには到底真似出来ません。ちなみに、ヘレン・シャピロ本人も「You Don't Know」が昔から大のお気に入りだとか。

You Don't Know」を作ったJohn SchroederMike Hawkerの黄金コンビのペンによる、'61年に発表された3曲目の「Walkin' Back To Happiness」(3rdシングル)も全英1位となった彼女の代表曲の1つ。「You Don't Know」とはうって変わって「Don't Treat Me Like A Child」タイプの力強さをたたえたポップ・ソングで、歌詞に繰り返し出てくる“Wop Bah Oh Yeh-eh-eh♪”のナンセンス・シラブルが何とも印象的。
そして何とこの曲は彼女にとって最初で最後の全米チャート入りを果たした曲でもあるんです(祝)。と言っても'61年12月4日に一週だけ全米100位(ピッタリ)にランクされただけなんですが。
5曲目の「Tell Me What He Said」は彼女にとって初めてのアメリカン・ポップスのカヴァー・シングルで、'62年に4thシングルとして発表されたもの。オリジナルは、'63年に「Dumb Head」(全米50位)の一発ヒットを放ったアイドル歌手Ginny Arnellの'60年の曲。
余談ですが、ジニー・アーネルはソロになる前に同郷コネチカット出身のGene PitneyJamie & Janeなるデュオを組んで、'59年に「Classical Rock & Roll」と言う曲でレコード・デビューを飾っています(ジーン・ピットニーもこれが最初のレコード)。
ところで「Tell Me What He Said」ですが、この曲で全英1位を達成するとイギリス初の女性シンガーによる3曲連続No.1の記録樹立だったんですけど、残念ながら2位止まりだったんですよね。ヘレン・シャピロのこのカッコいいロックンロール調のナンバーも、Cliff Richardのバック・バンドThe Shadowsの耳に心地いいインスト曲、「Wonderful Land」にあと1歩及びませんでした。個人的には「Tell Me What He Said」の方が上だと思いますが...

そのB面だった6曲目の「I Apologise」はメロディーも最高の知られざる大名曲と言った趣。「You Don't Know」と同系のセンチメンタル・バラードなんですが、ホントに15歳とは思えない歌いっぷりは脱帽もの。また、「You Don't Know」ではバックのストリングスが曲の魅力を一段と引き立たせていましたが、ここではその役割を印象的なサックスの音色が担っています。そしてこの曲もまた弘田三枝子が「一度だけのあやまち」なるタイトルで、同年すかさず名カヴァーを披露していました。
同じく'62年に発売された7曲目の5thシングル「Let's Talk About Love」(全英23位)は、同年の彼女の初主演映画『It's Trad, Dad!』の中で歌われていたノリのいいポップス・ナンバー。
なお、日本では“和製ワンダ・ジャクソン”と呼ばれた麻生京子が、同年「恋をしましょう」のタイトルで出来のいい日本語カヴァー盤を出しています。
Let's Talk About Love」のB面だった8曲目の「Sometime Yesterday」も先の映画の中で披露されていた曲で、ミディアム・テンポのどこかに切なさを感じさせる隠れた佳曲。
ちなみに映画『It's Trad, Dad!』の監督は、2年後にビートルズ初主演の映画『A Hard Day's Night』(邦題『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』)を撮ったあのRichard Lester監督です(Dick Lester名義)。さらにその映画『It's Trad, Dad!』の中ではGene Vincentも「Spaceship To Mars」を披露しています。

9曲目の6thシングル「Little Miss Lonely」は、ジョン・シュローダーマイク・ホーカーの黄金コンビによる作品で'62年にトップ10に返り咲いたヒット曲(全英8位)。いい曲なんですがメロディーがやや単調で何かあと一つ足りない気がします(彼女の最後のトップ10ヒット)。
これまた弘田三枝子がわが国で大ヒットした「ヴァケーション」(オリジナルは、コニー・フランシスの全米9位曲)をB面に同年カヴァーしていました。どうしてマイナーな「リトル・ミス・ロンリー」がA面だったんでしょう?
10曲目の「I Don't Care」は「Little Miss Lonely」のB面曲で、彼女が出演した同年の映画『Play It Cool』(Billy Fury主演)の中でも歌われた溌剌としたポップス・ナンバー。
11曲目の'62年発表の7thシングル「Keep Away From Other Girls」(全英40位)は、ラテン調に始まってサビの部分で彼女のドスの効いた?ヴォーカルでカッコよくタイトルを連呼する不思議な曲。この曲はアメリカン・ポップスのカヴァーで、オリジナルは'62年全米117位のバブリング・アンダー・ヒットとなった、「Forgive Me(For Giving You Such A Bad Time)」に続いて出されたアイドル歌手Babs Tinoの5thシングル('62年)。
続く12曲目の「Cry My Heart Out」はその「Keep Away From Other Girls」のB面曲で彼女お得意のセンチメンタルな曲。この曲もまた前記映画『Play It Cool』の中で歌われており、日本では'63年に弘田三枝子が「涙がいっぱい」のタイトルでカヴァーしています。

いわゆるポップス・シンガーとしての彼女の黄金期は大体'62年いっぱいで、イギリスでビート・ブームが巻き起こる'63年にはその人気にも陰りが見え始めてきます。
そんな'63年の2月にヘレン・シャピロは全国ツアーを開始します。有名な話ですがこのツアーでサポーティング・アクトを務めたアーティストの中には、前月2ndシングル「Please Please Me」('63年全英2位)を出したばかりのビートルズもいたんですよね。ヘレン・シャピロビートルズにまつわるエピソードはいくつかあるんですが、ここでは主なものを紹介しておきます。
John LennonPaul McCartneyは慌ただしいツアー移動中のバスの中でいくつか曲を書き上げており、その中で次のシングルはどれがいいと思うかとヘレン・シャピロに尋ねたところ、彼女は「From Me To You」を選んだそうで、彼らはそのアドバイスに従って?4月に3枚目のシングルを出すとそれが彼らにとって初の全英No.1に輝いたというのです。また、レノン&マッカートニー作の「Misery」('63年にアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』収録)は、同じくこのツアー中にヘレン・シャピロのために書かれた曲だったんですが、会社の判断で彼女のレコーディングは実現しませんでした。ただ、代わりというか何というか、同じくそのツアーに参加していたイギリスの黒人歌手Kenny Lynchが、ヒットはしませんでしたがちゃっかり'63年にシングル発売しています。

話をCD収録曲に戻しましょう。
その他の聴き所は、ポピュラー歌手Jane Morganの'58年全米21位曲をカヴァーした「The Day The Rains Came」(元ネタはフランスの曲「Le Jour Ou La Pluie Viendra」)、Bobby Darinの'60年の全米6位曲をカヴァーした「Beyond The Sea」(原曲はフランスの歌手Charles Trenetの'46年「La Mer」)、ジョン・シュローダーマイク・ホーカーの黄金コンビ作のどことなくDusty Springfieldを連想させる「Look Who It Is」(全英47位)等が挙げられるでしょう(いずれも彼女のヴォーカルが光ってます)。

最後に本作に収録されたその他のカヴァー曲のオリジナル(及び彼女が参考にしたと思われる)・アーティストを記しておきます。
Will You Love Me Tomorrow」は黒人ガール・グループThe Shirellesの'60年全米1位曲(R&B2位)。「Are You Lonesome Tonight」はご存知Elvis Presleyの'60年全米1位曲(オリジナルは'27年、作者のLou Handman盤)。「Fever」はR&Bシンガーの“小さな巨人”ことLittle Willie Johnの'56年全米24位曲(R&B1位)。「Fever」のヘレン・シャピロ・ヴァージョンは、'64年当時のモダン?なサウンドに生まれ変わっています(全英38位)。

本作は、激動の'60年代の幕開けを飾った偉大な女性シンガー、ヘレン・シャピロの名演名唱をシングル・ヒット曲を中心に綴った傑作盤で、彼女の足跡はおろかイギリスのガール・ポップスの歴史を振り返る際に無視する事の出来ない音源ばかりです。また、当時世界の音楽市場でアメリカが圧倒的に優位な状況である中、内容的には十分にアメリカン・ポップスに対抗できるオリジナルなブリティッシュ・ポップスは、全てのオールディーズ・ファン必聴と言えるでしょう。
聴いた事がない人はぜひ一度聴いてみましょう!良質のポップスに絡む彼女の“Foghorn”はクセになること間違いなし。
[英国版Brenda Lee!Helen Shapiro]の続きを読む


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