Doo Wop Revival

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シャネルズ(THE CHANELS) 『Mr.ブラック』 ♪本文末に記事に関連した動画有 

■ 前回の記事で日本における'80年代初頭のオールディーズ・リヴァイヴァル・ブームの概要に触れましたが、今回はそのオールディーズ・リヴァイヴァル・ブームとも密接に関わりあって同時期に盛り上がりを見せた、ドゥー・ワップ・リヴァイヴァル・ブームの立役者、シャネルズ(現ラッツ&スター)を紹介します。

ドゥー・ワップ・リヴァイヴァル・ブームといっても日本ではあくまでオールディーズ・リヴァイヴァル・ブームの支流といった感じだったのですが、ヴォーカル陣が顔を黒く塗って本格的なドゥー・ワップを演じたシャネルズの登場が、わが国に真の意味でドゥー・ワップという音楽を広めた功績には小さからぬものがあります。
シャネルズ以前の日本のドゥー・ワップ・グループと言えば、唯一'60年頃から活動していたザ・キング・トーンズTHE KING TONES)の名が挙げられる位でした。しかも、ザ・キング・トーンズの音楽性は確かにドゥー・ワップやR&B/ソウルの影響を感じ取る事が出来ますが、全体的な割合から見るとムード歌謡やコーラス歌謡の要素が強く、必ずしもドゥー・ワップ・グループといえるものではありませんでした(個人的にはコレも好きなのですが...)。さらに言えば、実際ザ・キング・トーンズがよりドゥー・ワップ色を強めたのはシャネルズが登場した後のことです。

その様な状況の中、和製ドゥー・ワップ・グループとして衝撃的にデビューしたシャネルズによって、初めてドゥー・ワップの魅力に触れた人もかなり多かったのではないでしょうか。正直、シャネルズのデビュー当時小学5年生だった私も4つ上の姉が持っていたシャネルズのレコードや写真集『THE CHANELS』('81年)で初めてドゥー・ワップという言葉や音楽等について知った次第です。小学生だった私でも当時の歌謡曲と同じ感覚で自然とドゥー・ワップに入っていけたのは、やはりシャネルズが本格的な黒っぽいドゥー・ワップ・コーラスを核にしつつも'80年代当時のモダンな感覚、オールディーズと歌謡曲のポップなエッセンス、独自のユーモア・センス等を適度に融合させたオリジナルのドゥー・ワップを日本語で歌ったことが大きかったと思われます。この点がそれまで日本においてほんの一部のファンを除き、ほとんど聴かれる事のなかったドゥー・ワップに世間の目を注目させた、シャネルズ最大の功績だと言えるでしょう。

CD:[試聴/Tower Records] [amazon]
Mr.ブラック今回は、シャネルズがアマチュア時代の勢いと情熱をそのままプロの世界に持ち込んだ1stアルバムで、和製ドゥー・ワップ・アルバムの名盤とも称される『Mr.ブラック』を紹介します(プロフィールは後述)。
内容は、大ヒットしたデビュー曲「ランナウェイ」を含むオリジナル6曲とシャネルズがデビュー以前からライヴのレパートリーとしていた'50~'60年代のドゥー・ワップやR&Bのカヴァー7曲の全13曲。厳密に言えば「Shama Lama Ding-Dong」は'70年代に発表された曲ですが、曲調自体は'50~'60年代風の作りとなっています。どうでもいいことですが、LPレコードではA面にオリジナル、B面にカヴァーときっちり区分されていたんですよね。
もっともオリジナル曲もほとんどが'50~'60年代のドゥー・ワップ等を下敷きにして作られており、ドゥー・ワップ・ファンをニヤリとさせる様な曲の連続なのですが...
カヴァー曲に関してもかなり本格的で、オリジナル盤に勝るとも劣らない完成度を誇っています。選曲もどちらかと言えば通好み。

ドゥー・ワップ・グループであるがゆえにシャネルズの1番の聴き所はやはりヴォーカルです。彼らのヴォーカルもデビュー以降年を追う毎にますます磨きがかかり成熟に向かう訳ですが、1stアルバムの時点でも十分光り輝いています。リード・ヴォーカルの鈴木雅之は今も第一線で活躍中なので言うまでもありませんが、ソウル的なリズム感を兼ね備えた太くて黒い声質の持ち主で、黒人さながらのソウルフルなヴォーカルは天下一品(まさにMr.ブラック)。バック・コーラスも'50年代のドゥー・ワップ・コーラスの伝統を踏まえていて申し分なし。甘く響く佐藤善雄のベース・ヴォーカルも味わい深いし、月まで届きそうな久保木博之のファルセットも魅力的。

本盤は、全てのドゥー・ワップ・ファンに聴いて欲しいのですが、特にSha Na NaRocky Sharpe & The ReplaysThe Boppers等のドゥー・ワップ系オールディーズ・リヴァイヴァル・バンドとは一線を画す、本物志向のドゥー・ワップを堪能したい人にぜひおすすめです。
両者の違い(もちろん英語とか日本語といった違いではありません)を説明するのは難しいのですが、簡単に言うと前者が白人ロックンロール的マインドに基づくアプローチであるのに対して、シャネルズの核にあるのは黒人のドゥー・ワップやR&B/ソウルといったブラック・ミュージックであるといった所でしょうか。
そう言えばThe Boppersが'80年10月にプロモーションのため初来日した際、彼らはシャネルズのステージに飛び入りで参加して共演を果たているんですよね。まあ大きなくくりでは同じジャンルとも捉えられるし、ドゥー・ワップをこよなく愛する気持ちはどっちも同じですからね。

※ その他のシャネルズ関連のおすすめCD
・『BACK TO THE BASIC
デビューからラッツ&スター時代までのベスト盤と再結集時のライヴ盤がセットになった2枚組

関連記事:
・[そもそも「Doo Wop」ってなに?]
・[Doo Wop Revivalの魁!Sha Na Na]
・[Rama Lama Ding Dong!Rocky Sharpe & The Replays]
・[和製Oldies Revivalの覇者、ザ・ヴィーナス]

(収録曲目)
01 ダウンタウン・ボーイ
佐藤善雄のベース・ヴォーカルで幕を開けるPopなテイストのノリのいい和製Doo Wopで、シャネルズ自身の当時の実生活を反映させた様な歌詞も好印象なナンバー。多分この曲の3パート・ハーモニーは、The Spanielsの「Everyone's Laughing」('57年全米69位、R&B13位)を参考にしていると思われます。と言うかこの曲の元ネタと言えるかも。
02 ランナウェイ
湯川れい子作詞、井上大輔作曲による記念すべきシャネルズのデビュー曲で、パイオニアのラジカセ"RUNAWAY"CMソングとして大ヒットを記録した彼らを象徴する名曲。日本初の和製Doo Wop Revivalソングとなったこの曲でシャネルズ自身も一躍トップ・アーティストの座に躍り出る訳ですが、曲調はBen E. Kingの名曲「Stand By Me」('61年全米4位、R&B1位)をベースにしたDoo Wopといった趣で、そこに歌謡曲の要素とほのかなOldies Popsの香りを適度に調和させた文字通りの傑作。さらに鈴木雅之の黒光りするヴォーカルも超クール。
03 月の渚-YOU'LL BE MINE-
個人的に大好きな和製Doo Wopバラードの傑作。基本はThe Nutmegsの名曲「Story Untold」('55年R&B2位)をPopに洗練させたメロディーで、そこにドラマティックなサビを独自に加えたもの。さらに、オープニングとエンディングにThe Moonglowsの「Sincerely」('54年全米20位、R&B1位)のコーラス・フレーズを違和感なく溶け込ませている手腕もお見事。ヴォーカル面では、とびきりロマンティックな歌詞を熱唱する鈴木雅之のブラック・ヴォイスも最高ですが、ここぞという場面で飛び出す佐藤善雄のベース・ヴォーカルも絶品。
04 夢見るスウィート・ホーム
チャールストンを踊れそうな'20~'30年代頃の陽気なジャズ調の曲をDoo Wopスタイルで歌った「ランナウェイ」のB面曲(湯川れい子作詞、井上大輔作曲)。ここでの主役はヴォーカルではなく、元々ジャズ・トランペッターだった“桑マン”こと桑野信義の嬉々としたトランペットと言えるでしょう。
05 いとしのシェビー'57
鈴木雅之のSoul感覚に満ちた歌唱が印象深い好曲。なお、コーラス・フレーズは日本でも有名なDoo Wopグループ、The Velvetsの「Tonight (Could Be The Night)」('61年全米26位)から借用しています。
06 陽気なTUSUN
Doo WopとSoul、そして歌謡曲が渾然一体となったユニークで明るいナンバー。曲のブレイクでいきなり聴かせるアカペラが見事なアクセントになっています。
07 Everybody Loves A Lover
シャネルズが後に『第1回JAPAN Doo-Wop Carnival』('81年7月)で共演するガール・グループPopsのパイオニア的存在、The Shirellesが放ったゴスペルの影響さえ感じさせるSoul風味のRockin'ナンバー('62年全米19位、R&B15位)をカッコよくカヴァーしたもの。The Shirelles盤をテンポ・アップさせてスマートにリメイクするも、驚く事に黒っぽさが全く失われていない名カヴァーとなっています。なおこの曲は、Doris Dayの'58年全米6位曲がオリジナル。
08 Shama Lama Ding-Dong
'62年を舞台にした学園コメディー映画、『アニマル・ハウス』('78年)の挿入歌としてLloyd Williamsが歌った曲(「Shama Lama Ding Dong」)をカヴァーしたもの。但し、映画の中ではOtis Day & The Knightsなるバンドのライヴ・シーンで披露されています。ここでのシャネルズ・ヴァージョンはエコーを効かせたアレンジもいい雰囲気で、オリジナル以上に黒っぽい鈴木雅之の迫力ある歌声が魅力的。
09 Bad Blood
シャネルズの最大のアイドルで、後に"Wisky A Go Go"でのライヴ('81年5月)や『第2回JAPAN Doo-Wop Carnival』('82年7月)でも共演を果たした、ノヴェルティーDoo Wopの王者The Coastersの隠れた名作('61年)をカヴァーしたもの。ちなみにThe Coastersのこの曲におけるラインナップは、Carl Gardner(リード)、Billy Guy(バリトン)、The Cadillacs出身のEarl "Speedo" Carrol(テナー)、The Cadets出身のWill "Dub" Jones(バス)となっています。余談ですが、本アルバムの歌詞カードに記されたメンバー名の横には括弧書きで、田代まさしがBilly Guy、久保木博之がR. Carrol、佐藤善雄がDub Jonesと書かれています。彼らがいかにThe Coastersに憧れていたかが分かりますよね。で、曲の方ですが、まったり感が味わい深いオリジナルに比べてタイトに引き締まった傑作カヴァーになっています。鈴木雅之のヴォーカルも文句なしにカッコいいし、オリジナルにはない久保木博之のファルセットも秀逸。
10 Silhouettes
シャネルズが結成当初模倣していたSha Na Naも'69年のデビュー・アルバム『Rock & Roll Is Here To Stay』で取り上げていた、ロマンティックなストーリーが展開する歌詞が胸を熱くさせるThe Raysの傑作Doo Wopバラード('57年全米3位曲、R&B3位)をカヴァーしたもの。もちろん参考にしているのはSha Na Naヴァージョン。ここでのリード・ヴォーカルは田代まさしで、彼特有のキザっぽい歌い方が一層ドリーミーな雰囲気を醸し出す傑作カヴァーとなっています。この曲は多くのアーティストに歌われていますが、Oldies関連では他にブレイク前のThe Ronettesによる名カヴァー('62年)も残されています。
11 Sh-Boom
これまたSha Na Naもカヴァー('74年『Hot Sox』)したThe Chordsの'54年全米5位(R&B2位)曲をアカペラで歌ったもの。ベース・ヴォーカルが登場する箇所が省略されてるのは少し残念ですが、シャネルズの洗練された本格的ハーモニーを堪能する事が出来ます。
12 Zoom
「Bad Blood」同様ヒットしなかったのが信じられないナンバーで、The Cadillacsが'56年に発表したR&R時代に相応しい傑作アップ・テンポDoo Wopがオリジナル。シャネルズのヴァージョンは細部に至るまでオリジナル盤をほぼ忠実に再現した絶品カヴァーとなっています。
13 Chapel Of Dreams
アルバムの最後を飾るのは、The Dubsが'58年に放った傑作Doo Wopバラード(全米74位曲)のこれまた傑作カヴァー。特にオリジナルの名ヴォーカリストRichard Blandonにも匹敵する様な鈴木雅之の熱唱が鳥肌ものです(声質は鈴木雅之の方が太め)。さらに前曲同様細部に至るまでオリジナル盤を完璧にリメイクしており、ラストでコーラスが歪んだ感じになる部分まで真似ているのには脱帽します。シャネルズのDoo Wopグループとしての実力とDoo Wopへの愛着(マニアぶり)を思い知らされる1曲。ちなみにこの曲は、デビュー以前からシャネルズのファンだった山下達郎もアルバム『ON THE STREET CORNER 2』('86年)でカヴァーしています。
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Rocky Sharpe & The Replays 『Rama Lama』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ Sha Na NaShowaddywaddyに続くドゥー・ワップ系オールディーズ・リヴァイヴァル・グループ第3弾は、前回に引き続きイギリスの人気グループでRocky Sharpe & The Replaysです。
彼らの経歴等は後で触れるとして、まずはCDを紹介しておきます。

CD:[試聴] [amazon]
Rama Lama (Replays)彼らの場合ベスト盤も出ているんですが、Chiswick Records時代のオリジナル・アルバムが全てCD化されているので、そちらを紹介しておきましょう。その中でも順序的にと言うことではないんですが、まずは名盤との誉れ高い1stアルバム『Rama Lama』をおすすめします。
ベスト盤も手っ取り早くていいんですが、各オリジナル・アルバムにはベスト盤未収録の数多くの大傑作があり、この手のサウンドが好きな人は結局ベスト盤未収録曲も聴きたくなって、オリジナル・アルバムを揃える事になるでしょうし...
一応記しておくと、ベスト盤では『Looking For An Echo』が1番充実してます。
それで今回紹介する1stアルバムですが、元々は'79年に発売されたもので、CD化に際してシングルB面曲等のボーナス・トラックが4曲加えられた全18曲。内容は、他のリヴァイヴァル・グループと同じ様に、ほとんどが'50年代から'60年代のドゥー・ワップやロックンロールのカヴァーです。

ロッキー・シャープ・アンド・リプレイズは、シャ・ナ・ナショワディワディに比べてドゥー・ワップのレパートリーが多めで、よりポップに洗練されたスマートなサウンドになっているのが特徴でしょう。実は、ヨーロッパのドゥー・ワップ系オールディーズ・リヴァイヴァル・グループの多くがこのタイプで、そういった意味でロッキー・シャープ・アンド・リプレイズはその典型と言えます。
また、オールディーズ風味に味付けされたポップなドゥー・ワップに、ロッキー・シャープの伸びのある滑らかな声も相性バッチリでかなり聴き応えあります。

シャ・ナ・ナショワディワディと同じ様に、とにかくオールディーズの楽しさを体感したい人にはぜひおすすめのアルバムです。

(曲目紹介)
① Rama Lama Ding Dong('78年全英17位)
彼らの1stシングルで最大のヒットとなった、スマートでスピード感あふれる名カヴァー。The Edselsが'58年に発表するも不発で、'61年の再発時に全米21位を記録した傑作Doo Wopがオリジナル。この「Rama Lama Ding Dong」はリヴァイヴァル・グループに人気のようで、数多くのグループがカヴァーしています。
② Never
The Earlsが「Remember Then」('62年全米24位)に続いて'63年に発表した隠れた名曲Doo Wopがオリジナルですが、コーラスから裏声混じりのヴォーカルまで見事オリジナルのカッコよさを再現した傑作カヴァー(必聴!)。
③ A Lover's Question
R&BスターClyde McPhatterの'58年全米6位(R&B1位)曲に挑戦したもの。Rocky Sharpeのスマート・ヴォイスも意外と曲にマッチしています。
④ Love Will Make You Fail In School('79年全英60位)
彼らの3rdシングルで、オリジナルは「Love Is Strange」('56年全米11位、R&B1位)のヒットで有名なR&Bの男女デュオMickey & Sylviaの'57年の曲。Mickey & Sylviaのカヴァーとはかなり意外ですが、さらにノン・ヒットの知られざる佳曲を選ぶとは恐れ入ります。Mickey Bakerの切れ味鋭いワイルド・ギターはさすがに再現できていないものの、コーラス入りのマイルド・ヴァージョンもなかなか心地いいものです。
⑤ I Knew From The Start
'56年のR&R映画『Rock, Rock, Rock』で披露されたThe Moonglowsの名曲Doo Wopがオリジナル(こんな良い曲なのにノン・ヒット!)。Rocky SharpeとHelen Highwaterのデュエットによる新鮮でポップな仕上がりは、彼らの傑作カヴァーの1つに挙げられるでしょう。
⑥ Fools Fall In Love
先のClyde McPhatterがソロとして独立した後加入した、これまた突き抜けるようなハイ・テナー・ヴォイスのJohnny Mooreがリード・ヴォーカルをとる、The Driftersによる'57年全米69位(R&B10位)のRockin' Doo Wopがオリジナル。ここでのカヴァーは、オリジナルにない出だしと最後の小粋な演出がおしゃれな好リメイクとなっています。ちなみにこの曲は、'80年代に日本で人気を博したDoo Wopグループ、ザ・シャネルズのライヴ・アルバム『ライブ・アット・ウイスキー・ア・ゴー・ゴー』('81年)において、“桑マン”こと桑野信義がJohnny Mooreになりきった絶品カヴァーを披露しています。
⑦ Since I Don't Have You
言わずと知れたWhite Doo Wopグループの最高峰、The Skylinersが'58年に放った全米12位(R&B3位)の不朽の名バラードをカヴァーしたもの。オリジナルのJimmy Beaumontによる熱のこもった歌唱とは対照的に、あっさりと歌いこなすRocky Sharpeもまた見事。
⑧ Tonight (Could Be The Night)
The Velvetsの'61年全米26位曲で、陽気なテキサス産Doo Wopナンバーのカヴァー。日本でも'61年に「今宵こそは」('64年再発時「夢のお月様」に改題)のタイトルで、リアルタイムに発売されていた数少ないDoo Wopレコードの1つ。
⑨ Imagination('79年全英39位)
まだ正式なベース・ヴォーカルが不在だったため、一時的にDickie Hartがベース・ヴォーカルを担当した彼らの2ndシングルで、The Quotationsの'61年全米101位曲を忠実にカヴァーしたもの。元々は'40年に作られたバラード・タイプのポピュラー・ソングで、The Quotations盤「Imagination」はそれを見事アップ・テンポのDoo Wopにアレンジしてカヴァーしています。
⑩ I Really Love You
スリリングに展開するベース・ヴォーカルと3パートの絡みが印象的なThe Stereosの'61年全米29位(R&B15位)曲を足音の効果音もまねてカヴァーしたもの。この「I Really Love You」は近年多くのDoo Wopグループがカヴァーしています。
⑪ Devil Or Angel
ワシントンD.C.出身の名門グループThe Cloversが'55年にR&B3位を記録したドリーミーなDoo Wopバラードを「I Knew From The Start」同様、RockyとHelenのデュエットで聴かせる名カヴァー。なお、この曲はRocky Sharpe & The Razors時代にもレコーディングしています(当時未発表)。
⑫ Don't Hang Up
個人的にかなり気に入っているのが、男性1人と女性3人からなるThe Orlonsが'62年に全米4位(R&B3位)を記録した、フィラデルフィア産の陽気なDoo Wopをカヴァーしたこの曲。ここではHelenがリードをとっており、その熱唱に加えベース・ヴォーカルもバッチリ決まった、疾走感あふれる傑作カヴァーです(必聴!)。
⑬ Return To Sender
Rocky Sharpe & The Replaysってこの手のポップなR&Rも実に上手くカヴァーするんですね~。エルヴィス・プレスリーが主演した映画『ガールズ!ガールズ!ガールズ!』の挿入歌で、'62年に全米2位を記録したものがオリジナルですが、とにかくRocky Sharpeの熱唱ぶりが最高の1曲(必聴!)。
⑭ Oop Doop Doop Parts 1 & 2
オリジナル・アルバム収録曲中唯一の自作曲で、メンバー4人が1人ずつ交代して自分が作詞したヴァースを歌うめちゃくちゃ楽しい曲。
⑮ When The Chips Are Down (Bonus Tracks) ('78年)
⑯ Got It Made(Bonus Tracks)('79年)
⑰ A Girl Like You(Bonus Tracks) ('79年)
⑱ Imagination(Backing Vocal Version)(Bonus Tracks) ('79年)
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Showaddywaddy 『The Rock Never Stopped』 ♪本文末に記事に関連した動画有

■ 前回話をした様に、Sha Na Naが先鞭をつけたドゥー・ワップ系オールディーズ・リヴァイヴァルの動きは、その後海を隔てたヨーロッパにも飛び火する事になります。どういう訳か、シャ・ナ・ナに続くリヴァイヴァル系のバンドは本国アメリカよりもヨーロッパの方で数多く誕生しているんですよね。そして、ヨーロッパでも先陣を切ってシーンに飛び出してきたのが、今回紹介するイギリスのグループ、Showaddywaddyです。

Rock Never Stoppedショワディワディの経歴等については後述するとして、まずはCDを紹介しておきましょう。
ショワディワディの場合数多くのヒット曲があるからでしょうか、昔から結構CDも充実してるんですよね。その中でも一押しのCDが『The Rock Never Stopped』。彼らのヒット曲を網羅した2枚組全31曲入りで、1枚ものを下回る安さ!これしかないでしょう。
彼らの場合は、'50年代から'60年代のドゥー・ワップやロックンロール、ポップスのカヴァーが多くを占めているんですが、ご立派な事にオリジナル曲もあるんです(しかもヒットした)。大まかな雰囲気としては、シャ・ナ・ナと同様オールディーズの楽しさを前面に出したスタイルですが、お国柄を反映してか、イギリスには本国以上に熱心な信奉者が存在する、Eddie CochranBuddy Hollyのナンバーも多く取り上げていてその辺に独自性も見られます。また、これはショワディワディに限らずヨーロッパのドゥー・ワップ系オールディーズ・リヴァイヴァル・グループの多くに当てはまる事ですが、シャ・ナ・ナと比べるとサウンド的に若干ポップな雰囲気を醸し出しています。
まあ、どちらも味わい深いことに変わりはないんですが...

イギリス版シャ・ナ・ナとも言うべきショワディワディのサウンドは、オールディーズ・ファンはもちろん、古き良き時代の楽しい雰囲気に浸りたい方にぜひおすすめです。

(曲目紹介)
Disc1
① Under The Moon Of Love('76年全英1位)
彼らの最大のヒットとなった唯一のNo.1ソングで、傑作カヴァーの1つ。オリジナルはCurtis Leeの'61年全米46位を記録したDoo Wop調ポップス。
② Personality('77年4thアルバム『Red Star』)
ニュー・オーリンズのR&BシンガーLloyd Priceの'59年全米2位(R&B1位)曲がオリジナル。
③ Come On, Let's Go('79年5thアルバム『Crepes & Drapes』)
Ritchie Valensが'58年に放った全米42位のR&Rがオリジナル。
④ Three Steps To Heaven('75年全英2位)
Eddie Cochranが生前発表した最後の曲('59年)で、'60年に全英1位を記録(本国ではノン・チャート)した曲の渋いカヴァー。
⑤ Heartbeat('75年全英7位)
オリジナルはBuddy Hollyの'58年全米82位曲。
⑥ Blue Moon('80年全英32位)
The Marcelsが放った'61年全米1位(R&B1位)曲のカヴァーで、 サビの部分ではベース・ヴォーカルと3パートのコーラスがマーセルズ盤と逆転しているものの、これまた彼らの傑作カヴァー。元々はRichard RodgersとLorenz Hartが'34年に作ったスタンダード曲。
⑦ When('77年全英3位)
双子のポップ・デュオThe Kalin Twinsの'58年全米5位(全英1位)曲がオリジナル。ベース・ヴォーカル入りの良質なDoo Wop風カヴァーに仕上げています。この曲は日本初のネオ・ロカ・バンド、ブラック・キャッツが1stアルバム『クリーム・ソーダ・プレゼンツ』('81年)でカヴァーしてました。
⑧ I Wonder Why('78年全英2位)
Dion & The Belmontsが'58年に全米22位を記録した、White Doo Wopのスタンダード曲をカヴァーしたもの。よりポップな仕上がりも◎。
⑨ A Little Bit Of Soap('78年全英5位)
本作の中で最高傑作と思われる絶品Doo Wopカヴァーで、The Jarmelsの'61年全米12位(R&B7位)曲がオリジナル。私も大好きなこの曲は、ベース・ヴォーカルの語りの部分が超クールなんですよね。
⑩ Pretty Little Angel Eyes('78年全英5位)
元々Doo Wop調のカーティス・リーの'61年全米7位曲の絶品カヴァー(必聴!)。
⑪ Remember Then('79年全英17位)
'62年に全米24位を記録したThe Earlsの傑作Doo Wopがオリジナル。ここでのカヴァーもなかなかのもの。
⑫ Multiplication('81年全英39位)
カッコいいギターをフィーチャーしたR&Rナンバーで、Bobby Darinの'61年全米30位曲がオリジナル。
⑬ Three Stars/Rave On('75年2ndアルバム『Step Two』)
'59年2月3日に飛行機事故で命を落とした、バディ・ホリーら3人のR&Rスターに捧げた「Three Stars」(オリジナルはTommy Deeの'59年全米11位曲)とそのバディ・ホリーの傑作R&R「Rave On」('58年全米37位)をメドレーでカヴァーしたもの。
⑭ Alley Oop('81年7thアルバム『Good Times』)
「It Was I」('59年全米11位)他のヒットを持つポップス・デュオ、Skip & FlipのFlipことGary Paxtonが変名でこしらえたThe Hollywood ArgylesのDoo Wop調ノヴェルティ曲('60年全米1位)のカヴァー。
⑮ Who Put The Bomp('82年全英37位)
名ソングライターBarry Mannが歌手として'61年に放ったDoo Wop調ポップス(全米7位)のカヴァー。
⑯ Twist & Shout('79年5thアルバム『Crepes & Drapes』)
自国の大スターThe Beatlesもカヴァーした有名曲で、オリジナルはThe Topnotes('61年)。

Disc2
① Hey, Rock 'N' Roll('74年全英2位)
The Ramonesあたりにも通じるちょっぴりパンクっぽい自作のR&Rで、記念すべき彼らのデビュー曲。
② Sweet Music('75年全英15位)
③ Heavenly('75年全英34位)
④ Trocadero('76年全英32位)
自作のR&Rだけど間奏でThe Venturesの'60年全米2位曲「Walk Don't Run」('55年のJohnny Smith盤がオリジナル)のギター・フレーズも飛び出すユニークな曲。
⑤ You Got What It Takes('77年全英2位)
Marv Johnsonの'59年全米10位(R&B2位)のヒット曲として有名なBobby Parker('57年)の曲のカヴァー。
⑥ Dancin' Party('77年全英4位)
Chubby Checkerのダンス・ヒットのカヴァー('62年全米12位)で、オリジナル同様のノリノリ感は最高!
⑦ Sweet Little Rock 'N' Roller('79年全英15位)
曲名もグループ名も紛らわしいんですが、Chuck Berryの'58年全米47位曲とは同名異曲で、有名なDoo Wopグループとも別物のアイルランドのR&Rバンド、The Driftersのヒット曲のカヴァー('73年アイルランドのヒット・チャート14位)。ポップでカッコいいR&Rナンバー。
⑧ A Night At Daddy Gee's('79年全英39位)
「Under The Moon Of Love」と「Pretty Little Angel Eyes」に続いて、再度カーティス・リーの曲('62年)を取り上げてTop10入りを狙ったんでしょうか?やはりオリジナルがヒットしていないので、ショワディワディのカヴァーも大ヒットにはなりませんでした。
⑨ Always And Ever('80年)
'50年代末から'60年代初期にかけて活躍した自国のR&Rバンド、Johnny Kidd & The Piratesが、'64年にマージー・ビートを取り入れて発表した曲(全英46位)がオリジナル。
⑩ Why Do Lovers Break Each Other's Hearts?('80年全英22位)
Bob B. Soxx & The Blue Jeansが'63年に放った、Darlene Loveの熱唱が光る良質なガール・ポップスがオリジナル(全米38位)。日本のベニ・シスターズが'64年にカヴァーした、The Gleamsの「Mr. Magic Moon」('63年)にそっくりなこの曲をここではDoo Wop調で見事にリメイクしています(必聴!)。
⑪ Chain Gang('75年2ndアルバム『Step Two』)
私も大好きな天才Soulシンガー、Sam Cookeの'60年全米2位(R&B2位)となった大名曲のカヴァー。オリジナルほどの粘っこさや深みはないものの、爽やかにテンポ・アップしたヴァージョンもかなり良い出来です。良い曲は誰が歌っても良いと言う証!?
⑫ Sea Cruise('79年5thアルバム『Crepes & Drapes』)
白人アイドル歌手Frankie Fordが'59年に全米14位を記録したHuey Smith作のニュー・オーリンズ産R&Bがオリジナル。
⑬ Something Else('77年4thアルバム『Red Star』)
2年後にThe Sex Pistolsが取り上げてヒットさせた曲(全英3位)。エディ・コクランが'59年に全米58位を記録したR&Rクラシックがオリジナルで、ここでのカッコいいカヴァーも聴きもの。
⑭ Footsteps('81年全英31位)
'60年全米7位曲を記録したSteve Lawrence盤で有名な同年のBarry Mannの曲。日本でも'61年にパラダイス・キングがカヴァーしており、竹内まりやもアルバム『Longtime Favorites』(2003年)の中でカヴァーしていますが、何といっても原曲のポップな部分を見事再現したショワディワディのカヴァーがぴか一。
⑮ Hey Mr. Christmas('74年全英13位) 

※ 本盤収録曲のうち、Disc2の①~④、⑮のみがショワディワディの自作曲です。


※ CDThe Rock Never Stopped』の詳細・購入はこちらでどうぞ。

※ iTunes Storeショワディワディの曲をダウンロードする場合はこちらでどうぞ。1曲から購入できます。iTunes(無料)がインストールされていない場合は、アプリケーションのダウンロード・ページが開きます。
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